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【ヒットの秘訣完全版】技術者たちに成長してもらいたいからこそのオリジナルモード『デススマイルズ』

2011-12-30 12:00 投稿

●App Storeで旋風を巻き起こした弾幕シューティングたち

発売中の書籍『ファミ通App iPhone&Android NO.001』の“2011年ベストゲーム109タイトル”のなかに、各ジャンルのヒットアプリの秘密を探る“ヒットの秘訣”というコーナーがある。じつはこれ、インタビュー内容のごく一部なのだ。掲載した部分以外にもいいところが多すぎて、これが日の目を見ないのはあまりにももったいない! というわけで、年末年始の特別企画として、担当編集がとくに印象に残ったインタビューをピックアップして、カット部分を含めた完全版を掲載しちゃいます。

――ズバリ、現在のダウンロード数は?

真崎 『デススマイルズ』はまだ目標には到達していないですね。現在は、Lite版と合わせて10万ダウンロードに届かないくらい、といったところです。ただ、比率に関しては5:5に近い感じなんですよ。『大復活(怒首領蜂大復活)』や『ガルーダ(エスプガルーダII 覚聖せよ。生まれし第三の輝石)』は配信されてからかなり経つのでまた少し違いますけど、『デススマイルズ』に関しては、だいたいそんな感じです。

――ふつうは無料版が7~8割とかじゃないですか? その比率はかなり珍しいケースだと思います。

真崎 いや、やっぱりコアなユーザーが多いんだと思います。そういうジャンルっていうと語弊ありますが、昨今のRPGか他ジャンルに比べると・・・そうなのかなと思います(笑)。

――では、『デススマイルズ』で導入された課金要素の評判と課金率を教えてください。

真崎 アイテム全体で見ると、だいたい10%を超えるくらいの課金率になっています。とくに『デススマイルズ』に特有の動きがあるわけでもなく、これはたぶんどこのゲーム会社さんともさして変わらない傾向ではないでしょうか。ただ、少しまえにセールをやりましたけど、そのときはやっぱり人気のものが一気に売れましたね。じつは社内でもあのタイミングで買った人がいまして、その人から「“ラッキーチャーム”のドロップ率って200%じゃないでしょ。(実際は+200%なので3倍になります)それ以上に出てる感じしますよ」と言われたんですけど、ユーザーさんからも「あのアイテムはすごく得だ」という情報が出回ったりして、動向をチェックしていてすごくおもしろかったです。

――(御社タイトル全体で)なぜ成功されたと思いますか?

真崎 まだ成功はしていません(笑)。これからもいろいろと試行錯誤していこうと思っていますので、まだまだこれからだと思っています。それと、これまで行ってきたことは会社のブランドでもある“弾幕シューティング”を、ベタではないものの“移植”することがメインでした。自分たちのオリジナルのものではないので、そういった意味でも“成功”ではないと思っています。ただ、社内の認識としては世界へのアプローチの切り口にはなっただろうという風には捉えてもらっています。いわゆる大手メーカーさんだと海外に支社があってそういった展開もしやすいですけど、うちはなかなかむずかしい。スマートフォンタイトルならそれもスムーズにできるので、反応を見るのには非常にいいですよね。

――シューティングゲームって海外での反応はどうですか? 個人的には国内人気が高いイメージなんですけど……。

真崎 じつは、売り上げの比率って海外と国内で5:5くらいの割合なんですよ。自分たちでも不思議なんですけどね(笑)。わかりやすいところがウケてるんですかね?? 最近のApp Storeを見ていると、弾幕シューティングというものの認知度や人気を上げるのに貢献できたのかなとは思います。もちろん僕ら自身もタイトーさんの『スペースインベーダー インフィニティジーン』のようなタイトルが道を作ってくれたという認識ではいますけど(笑)。

――では値段設定はすんなり決まりましたか?

真崎 相当悩みましたよ(笑)。1000円(配信当時)という値段に関してですけど、値付けを考えていた当時はまだフィーチャーフォンも市場として成立していた時代だったんです。うちでも“ゲーセン横丁”というサイトでタイトル名としては同じ『エスプガルーダII』を500円[税込]で配信していたんです。だからまず思ったのは「じゃあ500円以下はないな」と。そこから紆余曲折を経て800円で落ち着きかけたときもあったんですけど、最終的にはiアプリのゲーム内容とくらべて別のモードがもう1本分あるんだから、ということで1000円[税込]に落ち着きました。値段設定としては高めではありますけど、ニッチな層の人は高くても買うというところも多少加味しました(笑)。

――いきなりセールをやったのも印象的でした。

真崎 発売当初のセールに関しては、ちょうどこのころに参加したセミナーの影響が大きいです。そこで聞いたのが、“初速で10位以内”、“セール”、“アップデート”という三段階で売り上げを伸ばすのがいいですよという話だったんです。で、当時の僕はとにかく勝ちたかった。そのためにはランキングに入るしかない。それにしては1000円[税込]はきつい。じゃあセールもいっしょにやってしまうか、という発想でした。あとはこれは今のStoreでも見られることですけど、高かったものを安くすると最初に買った人から反感を買うということがあります。これも避けたかったことですね。

――でも本当に効果的でしたね。“絶対買う人”以外を拾えたっていうのはありますよね?

真崎 ありがとうございます。セールに関しては配信してすぐにセールをやるっていう風に習慣づけることで、ひとつのプロモーションとして成立したことはある意味成功例になったのかなとは思います。

――ライバルと考えるメーカー、タイトルはありますか?

真崎 全部ですね。と言ってもライバルということでなく、皆さんいろいろ考えていらっしゃるので勉強させてもらってます。あとこれはライバルでもなんでもないんですが、『デススマイルズ』に関しては配信日が同じだった『THE KING OF FIGHTERS-i』は気になりましたね。ランキングを抜きつ抜かれつというのを楽しんでましたね。

――印象的なレビューコメントを教えてください。

真崎 いいコメントよりは批判的なものが印象に残りますね。あとは要望とか。「ここはこうしたほうがいい」「こういう要素を入れてほしい」とかそういうものに関しては応えてあげたいと思いますしね。それはレビューもそうですし、Twitterもそうですね。いただける要望が今後の展開を考える要因になりますね。いい意見に関しては、自分たちが狙ったことに反応してくれたときなんかにシメシメといった感じで楽しんでます(笑)。それと、うちのユーザーってすごくいいユーザーが多いんですよ。「あれができないんです」っていう問い合わせに対して「それはこうですよ」と対応してあげると9割くらいの確立でそれに対するお礼まで返ってくるんですよ。

――ああ、それはあったかいエピソードですね。たいてい症状が改善されたらそこで終わりですもんね。

真崎 そうなんですよ。だから余計にちゃんとサポートしてあげたくなります。

――ではちょっとゲーム内容についてなんですが、基本的に移植タイトルなのに、必ずiPhoneオリジナルモードを追加するのはどうしてですか?

真崎 これは個人的な意図なんですけど、既存の移植だけだとシンプルなものになってしまって、どうしてもiPhoneの持っている機能をフルに使ったようなものにならないんです。だけどそれだと技術者たちが何も考えなくなってしまうんじゃないかなと思っているんです。それが続くと例えば、移植ではなくオリジナルタイトルを作ろうとなったときに意見が出てこない可能性がある。だから、オリジナルモードはひとつにはユーザーのためというのももちろんありますけど、技術者たちがつねに何かを考えたり研究したりする機会を与えるという意味合いを僕は含めているつもりです。

――おお、思いも寄らない深い理由があったんですね。今回の『デススマイルズ』もオリジナルモードがおもしろいので、その甲斐は十分あったんじゃないかと(笑)。

真崎 ありがとうございます。『デススマイルズ』の場合はやっぱりオリジナルストーリーの部分は見てもらいたいですね。アーケード版と違うデザイナーさんを起用したところも冒険でしたけど、すごく反応がよいので。

――あのキャラデザ、いいですよね。オリジナルと雰囲気は違うけど、かわいくていい(笑)。

真崎 おかげさまでいい意見しかいただいていないですね。今回担当してもらった森ゆきなつ氏は、オリジナルのそもそものデザイナーである井上さん(井上淳哉氏)の推薦もあってぜひこの人に、と思っていたんです。

――不満点はありますか? 入れたかったけど実現できなかったことなど。

真崎 不満点というか、申し訳なかったなあというのがひとつあります。もともと配信は2011年の春ですよってアナウンスしてたんですけど、結局夏にズレこんでしまって……。これ以上伸びるのはまずいよなあと思いつつも、俺はなんであのとき春に出すって言っちゃったんだろうって思ったりとかして(笑)。でもふつうに不満点はつねにありますよ。1作目から2作目、3作目と実現していっていることはたしかですけど、こうしたかったああしたかったというのは絶対あるんですよね。だから5作目も6作目もずっと不満点はあるんだと思ってます。

――ちなみにタイトル1本の制作期間はどれくらいですか?

真崎 『デススマイルズ』は長いほうでした。半年以上……約7ヵ月かかってますね。スマートフォンのタイトルとしては想像を絶する長さですね。作りながら自分たちで「ヤバイ! どうしよう……」って言ってましたもん(笑)。開発チームを見直して新しくなったということもありましたけど、これまでと違って横スクロールシューティングだったのでそのあたりの調整も時間がかかりました。

――タイトルを重ねてきたからノウハウを積んで短くなるものと思ってましたけど、そういうわけでもないんですね。

真崎 そこでさっきの話とちょっと繋がってくるんですが、スタッフにはつねに新しいものを作ってもらいたいということがありまして、ある程度の部分以外は毎回違うという状態なんですよ。あと、僕がすごい無茶振りをしてしまうことがあって、それも時間をとられる要因かも。「声で操作するのどう?」とか言って盛り上がってたんですが、「iPod touchだとできません」って言われちゃったりとか(笑)。

――自由だなあ。スタッフさんも大変だ(笑)。

【デススマイルズ】
メーカー:ケイブ
配信日:配信中
価格:1000円[税込]
対応機種:iPhone(3GS)、iPod touch(第3世代以降)、iPad互換 iOS 4.2以降が必要

(c)2007 2011 CAVE Interactive CO.,LTD.

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