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しつこくたっていいじゃない、だってネコミミが現実のものになるんだぞ? 新しいコミュニケーションツール“ネコミミ”の追跡取材【動画あり】

2011-10-07 18:33 投稿

●ネコミミにマジになってる大人たちに会ってきました

 ファミ通App読者諸君は、TGS2011のスマートフォンブースで一際異彩を放っていたコンテンツがあったのを覚えているだろうか? 忘れているなら思い出させてあげましょう。それはこれ、“necomimi”です。ステージイベントで発表されたこの謎の物体に思いっきり心奪われてしまったファミ通Appは、イベントリポート記事のほかに、追加取材記事も敢行! そして今回、それでもまだ満足できない編集部員が独占取材をしてきちゃいました。“neurowear”(necomimiのプロジェクトチーム)の中心人物3名に話を聞いてきたほか、全男子にお届けしたい女子によるネコミミ動画も公開。

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テクニカルディレクター 加賀谷友典氏(右)

プロデューサー 神谷俊隆氏(中央)

プランナー なかのかな氏(左)

●なにかつけるならかわいいものがいい!

――そもそもこのプロジェクトが立ち上がった理由を教えてください

なかの プロジェクト名を“necomimi”と言うんですけど、これは“neuro communication machine(ニューロ コミュニケーション マシン)”の略なんです。だからNEKOじゃなくてNECOなんです。

――……と説明されましても、まだチンプンカンプンです(笑)。

なかの ですよね(笑)。まず作った理由からお話しすると、人間の脳波とか心拍数とか、人間の発信する信号にすごく注目していて、そういうものを使って何かおもしろいことができないかなというのが、スタートラインなんです。それでまず脳波で考えたときに、脳波を検出するには“頭に何か付けなくちゃいけない”。でも“なにかつけるならかわいいものがいい”と考えたときに、ネコミミにたどり着きました。イメージしたのは自分の感情がダダ漏れになる機械です。自分の状態を言葉を使わずに、ファッションとして人に魅せることができればなあと考えました。

――なるほど。開発の経緯は意外なようで自然(?)だったわけですね。では、実際に脳波を検知する仕組みを教えていただきたいんですが、できればものすごく簡単に教えてください。

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加賀谷 わかりました(笑)。まず脳波を取るセンサーは、額に当てるものと、耳たぶに挟むもののふたつがあり、耳に当たる丸い部分にチップが入っています。このチップが何をしているかと言いますと、額と耳のセンサーで取った脳波の差分を見ています。差分ってなんだ? ということになるかと思いますが、これをもっとわかりやすく説明しますと、ふたつのオーケストラを比較しているとイメージしてください。額のセンサーと耳のセンサーそれぞれのオーケストラの音を拾っているんだけど、片方のオーケストラにはバイオリンがいない。そうするとそこに差分が出ますよね。その差分の状態に応じてネコミミを動かしています。ざっくりした説明ですが、概ねこのような形だと思ってください。

神谷 脳波も電気信号なんですよ。ただ、人間の体に電気信号ってたくさんあって、たとえばまばたきをしてもそこに電気信号が走るわけです。そのなかのバイオリンの音だけを抽出してあげるってことですね。

加賀谷 それをチップで見て、集中度とリラックス度を数値化しているわけです。

――喜びとか怒りとかの感情に反応して動作するというわけではないんですね。

加賀谷 そうなんです。そこがちょっと誤解をうけやすいところなんですが、反応するのはあくまで集中とリラックスの2点です。

なかの 広義の意味では“感情”と言っていいかもしれないですけどね。まあ、感情というよりは“状態”のほうが近いかな。

――ふむふむ、では実際の動きのパターンはどれくらいあるんですか?

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神谷 脳波に反応する動きは3パターンです。モニタリングしている“集中”、“リラックス”でそれぞれ動作するのと、もうひとつ集中とリラックスの両方が高い状態のときには耳がグルグル回る“ゾーン”という動作があります。それ以外にも、片耳だけピョコピョコ動いたりといった演出上の動きをいくつか仕込んであります。

――これがプロトタイプということですけど、ここまでくるのにどれくらいかかりましたか?

神谷 プランニングし始めたのは2010年の9月ごろだったと思います。そこから企画を詰めていって、開発に着手したのが2011年の1月。そこからこのプロトタイプができあがったのが2011年の4月の終わり、といったところです。

――かなり特殊な機械が開発から3ヵ月で形になるってすごいことだと思うんですけど、すんなりとここまできましたか?

加賀谷 いや、全然です(笑)。ゲームショウのイベントではかなりはしょって説明したところがあったので、もう少し詳しく説明しますね。きっかけは先ほどなかのからも説明がありましたが、未来のコミュニケーションって、言語を軸としたメールや電話、会話などのコミュニケーションではなく、非言語を軸としたものなんじゃない? というところです。

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▲“脳波”から“ネコミミ”に至る流れがこれ。少々ぶっ飛んでいる気もするが、まあ結果かわいいのでよしとする。

▲これがなかの氏が描いたコンセプトイラスト。なかでもいちばん見てみたかったのが、右下に描かれているイラスト、“仕事中にPCのモニター越しに耳だけ見えていて集中しているかわかる”という状態なんだとか。

加賀谷 で、いちばん時間のかかったフェイズが、“どういう耳にするか”とか、“取り付ける位置”とか見た目に関する部分ですね。向きとか大きさとか、位置とか、とにかくいろいろ試行錯誤しました。既存のネコミミは買い漁りましたし、実際に自分たちでもたくさんつけてみました。

なかの 結論としては、“猫”に寄せていくよりも、“ネコミミ”という独自の解釈でやっていくほうが、変な感じですけど自然に見えるよねということになりました。動きかたもやっぱり調整がむずかしくて、最初は動物というよりも虫っぽい動きでした。

加賀谷 そういった見た目の部分で思った以上に時間をとられましたね。スタート時は意外とイメージできてなかったんですよ、この完成型が。

●“レディー・ガガ”に着けてもらいたい!

――ここまできたからにはつぎは当然商品化ですよね。ここからのハードルはなんでしょう?

神谷 もう本当に細かい部分ですね。強度であったりとか、コストであったりとか。

――コスト! 販売価格はどれくらいを想定されてますか?

加賀谷 10000円台にはしたいと思ってます。10000円切りたいけど、どうかなあ。

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神谷 もうひとつ、これはハードルではないんですけど検討要素のひとつにスマートフォンとの連携要素があります。スマートフォンと連携させると検知している脳波をビジュアルで確認することができるというものがあります。これはもう企画段階で決まっていたことで、プロトタイプも当然対応していて、端末のフロントカメラで自分の様子を確認しながら楽しめるので非常に便利なんです。ただこれをデフォルトにしてしまうとスマートフォン持ってない人を切り捨てちゃうことになるので……、この点はこれからさきに検討したいですね。

――発売時期は2012年中ということですよね? 個人的に気になるのが、プロモーションでどんな有名人を使うのかってことなんですけど、開発チームで「この人がいちばんネコミミが似合うのでは?」と思う人ってどなたになりますか?

なかの Facebookのファンページで誰がいちばん似合うかの人気投票をやったんですよ。そしたらいちばんになったのが……“Me”。つまり自分がいちばん似合うよというのが1位だったんです(笑)。それよりも下になってしまうんですが、有名人でいうと“レディー・ガガ”がいちばんでしたね。

――あ、それなんかイメージできますね!

神谷 うん、“レディー・ガガ”いいね。それちょっと目標にしようよ。つけてもらってそのまま歌ってもらうっていうの。ピンクバージョンとかメタルバージョンとか、あと金髪に合わせられるのを作ろう(笑)。

加賀谷 (ランキングを見ながら)お、日本人だとGacktさんとか入ってますね。

――おお。そういえばお話を伺うまで、男性用のネコミミは作らないのかなって思ってたんですけど、実際着用しているのを見ると意外と性別関係ないかなと感じました。

神谷 そうなんですよね、慣れると意外とイケます(笑)。似合うかどうかは、性別より髪の色とかのほうが大きいかもしれないですね。

 ここで意を決して記者(♂)もネコミミをつけてみることに。いい年こいたオッサンがネコミミとか正直どうなの? という気もしたが、場の空気を乱すわけにもいかないからね。と、若干戸惑いながらの着用であったが、つけてみるとそんなものは吹っ飛んだ。なんというか、……楽しい。少々重さは感じるし、フィット感抜群ってわけでもないので、頭はそんなに動かせない。だが、まずは頭の上で響くモーター音と振動が心地いい。そしてネコミミの反応がこれまたおもしろい。検知しているのが集中とリラックスということで、フーっと息を吐いてリラックスしてみたところそれに合わせてネコミミが動作する。毎度そこまでダイレクトな反応をしめしてくれるわけではないが、加賀谷氏曰く「コントロールできるかどうかで結構評価は割れますよ」というとおり、反応してくれることでかなりテンションが上がるのは間違いない。

●ブラジル進出も視野に入れている!?

――いやー、楽しいですね、これ。TGS2011のイベントで坂本龍一氏やウィル・ライト氏も着用してめちゃくちゃ楽しんでましたけど、あれはどういう経緯で彼らの手に渡ったのですか?

※ウィル・ライト:アメリカのゲームクリエーター。『シムシティ』シリーズの生みの親として有名。

※坂本龍一:日本のミュージシャン。2011年11月10日に大貫妙子&坂本龍一のニューアルバム『UTAU』がリリース予定。

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加賀谷 坂本さんとはたまたま以前に仕事をいっしょにしてて付き合いがあったんです。しかも坂本さんってもともとネコミミが好きだって話を聞いてまして、人づたいにこのネコミミの話をしてもらったら、ものすごく興味を持ってくれたみたいなんです。それでタイミングよく日本にいらしたときに見せにいったら、たいへん気に入ってくれた、というわけなんです。ただ、坂本さんに限らず、アーティストのかたには非常にウケがいいですね。

――なるほど。ではウィル・ライト氏は?

加賀谷 ウィル・ライトの場合は、彼のスタジオのプロデューサーが、ネットで動画を見つけたらしいんです。それで向こうからアクションを取ってくれて、最終的にはたまたま知り合ったアリソン・ルイスというファッションとテクノロジーの専門家を通じてコンタクトを取りました。反応は、公開している動画のとおりものすごくよくて、いろいろなディスカッションもしました。じつはピクサーにも持っていってます(笑)。彼らにもすごく好評で、クリエイターにもビビっとくるみたいですね。

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――いやでもこれだったらどこに持っていってもウケいいですよ、絶対。

加賀谷 意外なことに日本ではそれほど響いてる感じがしないんですよ。テレビとかでネタ的に取り扱ってくれるところはいくつかありますけど、ファミ通Appさんのように興味を持って取材に来てくれるところは少ないですよ。積極的なのは海外ですね。「アメージング! 今すぐ売ってくれ! いつ売るんだ?」って(笑)。とくにブラジルのテレビ局がすごく熱狂的で、「絶対にブラジルで発売してくれ。ブラジルに来たらバックアップするよ。ブラジルには2億人いるんだから来るべきだ!」って言われましたもん。

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▲開発段階ですでにこれだけのバリエーションが。ネコミミ部分は既製品ではなく、すべてオリジナルで作成されたもの。柄だけでなく毛並みも微妙に違ったりと、徹底的にコダワってるわけです。

 日本で生まれたネコミミが海外でばかり注目されているのもなんとも寂しい限りだが、このさき商品化が現実的になってくれば当然日本でも注目度が高まってくるはず。どんなプロモーション展開をしていくのかも本当に楽しみ。加賀谷氏は、「実際に発売されたら、飲み会とかいろんな人が集まるところで使ってみてもらいたい」と語っていた。「それはさすがに恥ずかしいっしょ」と思ったアナタ、意外とそうでもないんです。新しいコミュニケーションツールとして本当に注目の一品。ファミ通Appではこれからさきもこの“necomimi”を追いかけていきますよ! それでは最後に、編集部の紅一点シギーさちこ(ネコ顔)のネコミミ動画をご覧ください。実際に集中とリラックスの動作をコントロールしているところに注目してください!

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