ローグライク界を盛り上げた『魔女の迷宮』開発者インタビュー 新ダンジョンや開発秘話、裏ワザまで聞いてきた!

2018-06-04 13:00 投稿

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魔女の迷宮

原点回帰のローグライクRPG

2018年4月11日に配信され、スマホローグライク界を盛り上げた『魔女の迷宮』。本作は、いわゆる“ローグライクRPG”と呼ばれるゲームジャンルで、『風来のシレン』や『トルネコの大冒険』に代表される自動生成ダンジョンをターン制の戦闘システムで攻略していくゲームだ。従来のローグライクRPG要素を入れつつ、リプレイ機能やチェックポイント機能など新しい要素が加わわっているのが本作の特徴。

そんな『魔女の迷宮』を開発したオレンジキューブの代表取締役CEO“瀧澤法弘氏”に、ローグライク好きの“松脇さんば”が、新ダンジョンの予定から開発秘話までたっぷりお話を聞いてきたぞ。

瀧澤氏写真
▲オレンジキューブ代表取締役CEO瀧澤法弘氏。

――『魔女の迷宮』配信後、プレイヤーからの反響はどうでしたか?

瀧澤 思っている以上に多かったですね。無料ランキングも12位までいきましたし、ユーザーからの声も予想していたより温かいです(笑)。とくに操作性に関して高い評価をいただけました。

――スマホローグライクRPGの中では、トップクラスの操作性だと思います。

瀧澤 『魔女の迷宮』は、いまどきは見かけない、ゲームパッドを画面下に配置するクラシカルな形です。これは、ゲーム性の関係上、操作ミスが許されないということを1番に考えた結果でした。

魔女の迷宮
▲『魔女の迷宮』では、画面下のパッドとボタンを使ってキャラを操作する。

――なるほど。ローグライクでは1手が大切ですからね。操作性以外に、意識して開発したことなどはありますか?

瀧澤 自分みたいな初心者でも遊んでみようと思えるカジュアルさですね。

最近のローグライクゲームだと要素が多すぎて、初心者が触る隙がないと思ったんです。それなら、自分が初心者だからこそ作れるローグがあるんじゃないかと。

「自分(初心者)がやるならどうだっけ?」というところをベースに考えて開発していきました。

売上を気にせずに開発!?

――ローグライクと相性が悪いと言われるスマホの課金システムは、どのようにいまの形(課金はキャラ解放や倉庫の拡張)に決めたのでしょうか?

瀧澤 まず第一に、“課金でダンジョンの難易度が大きく変わるようなことはしない”というのは最初に決めていました。

このプロジェクトを立ち上げたときから最初からブレない軸として、

・売上を気にせずとりあえずおもしろく作る
・ローグライク初心者に向けて作る
・リプレイ機能を実装
・サーバーと通信しない

というものがあったんです。これらの軸があったので、『魔女の迷宮』はあえて課金圧が低いタイトルになっています。

あやめ
▲課金要素はキャラの解放や倉庫の拡張など。実際、上級者は課金せずともクリアーできてしまうとのこと。

『魔女の迷宮』の裏ワザを大公開!?

――そういえば、配信前に動画撮影をさせていただいた際に、「隠された要素があるよ」というお話を聞いたのですが、それを教えてください!

瀧澤 そう来ましたか(笑)。

▼魔女の迷宮先行プレイ動画

とりあえずふたつありまして、ひとつはプレイヤーが封印状態だとポックルが自分を回復してくれるというものです。

――これは知らなかったです。ポックルの出る階ではアイテム封印の巻物を所持していくという選択肢がでてきますね。

ポックル
▲ポックルは敵を回復する能力を持っているモンスター。

瀧澤 そうですね。あともうひとつ、これ誰も気づいてないと思うんですけど……。フロアに降りてから7匹目に倒したモンスターは必ずクリスタルをドロップします。

――えっそうなんですか?というかこれ書いていいんですか(笑)?

瀧澤 そろそろ書いても大丈夫です。モンスターによってクリスタルドロップの確率も違うのですが、レアなモンスターのクリスタルも7体目に倒せば確実にドロップします。

――これは戦略的に使っていけますね。貴重な情報をありがとうございます。

瀧澤 もうひとつ隠し玉がありまして、ニンテンドースイッチ版の『魔女の迷宮』も作っています!

――えー!!!!

瀧澤 横画面という意味でスマホ版とは画面領域が違いますね。少し違う要素も入れようかなと思っています。

――こちらも配信を楽しみにしています。

新ダンジョンや続編について

――じつは今回、Twitterで新ダンジョンやら続編やらの話を見て、インタビューにフラっと来ちゃったんですけど(笑)。

瀧澤 (笑)。

瀧澤 まずは、追加ダンジョンを作ろうと思っています。モンスターが強くなるだけだとちょっと物足りないので、新しいアイテムやモンスターも追加する予定です。

――おお!これは楽しみですね。ちなみにいつアップデートするのか聞かせてもらえたり……。

瀧澤 お約束はできないのですが、6月中旬には出したいかなと思います。

――もうすぐですね!楽しみにしています。

――アップデートで言いますと、合成、壺についてやはり望まれる声が多いとは思うのですが、こちらはどう考えていますか?

瀧澤 少し話がそれますが、僕は格闘ゲームが好きでずっと同じタイトルをやっているんです。これは個人的な感想ですが、シリーズも最初はシンプルで多くの人が遊べるようなゲームだったんですけど、シリーズが進むと必須テクニックやシステムが多くなり、シリーズ経験者向けの内容になっていくように感じます。

――よりコア向けになっていると。

瀧澤 そうですね。そこを危惧しています。同じくローグライクRPGの続編を作っている人はどんどん要素を入れざるをえない状況になっていると思うんです。

その点、自分は別のところからきているので、初心者向けのローグライクをフラットな思いで作れるだろうと思っているんです。

瀧澤さん横長写真

――瀧澤さんだから作れる初心者向けのローグライクがこの『魔女の迷宮』であると。

瀧澤 はい。壺とか合成システムがないと物足りない!という社内の声もあるんですけど、「待て待て。お前らのために作ってるんじゃない。そういうシステムは、続編を作ることがあれば考えてやろう」と言っています(笑)。

――続編!実際に出る可能性はあるのでしょうか?

瀧澤 『魔女の迷宮』は私のわがままから作っているので、“おもしろさ大事、サーバーとの通信0、初心者向けのローグ、儲かるかわかりません”とかふつうの会社では企画通らないんですよね。なので続編を作るとしたら会社としては黒字になるんだよというビジョンが見えればやってみてもいいかなと思います。

――なるほど。続編には壺などの新システムも考えていますか?

瀧澤 壺を入れるかはわからないですけど、『魔女の迷宮』をもっとおもしろくするアイデアは持っています。モンスターが魅力的だから、いっしょに冒険したいよねとか、もっと武器強化したいよねとか。

ただ、『魔女の迷宮』は初心者向けローグライクRPGという立ち位置でずっと残しておきたいんですよね。それが開発のきっかけでもあったので。

ユーザーの声が直接届く貴重なゲーム

――最後にユーザーのみなさんへひとことをお願いします。

瀧澤 リリース初期はバグも多かったんですけど、バグ報告も含めて本当にユーザーの皆さんが親切で「このジャンルあったけぇ」と思いました。「このジャンルで自分の求めていたゲームが出てうれしいです」などのコメントもいただけて、感謝の気持ちでいっぱいです。

その気持ちに答えられるように改善していけるところは改善していこうと思います。ただ、そのスピードについては生暖かく見守っていただければと。なにせ私ひとりでやっているので。皆さん絶対思ってないでしょうけど、Twitterの運用からメールサポートも自分でやっていますから(笑)

――そんなところまでやっているんですか(笑)。つまり、公式Twitterにリプライを送ると100%瀧澤さんに届くということですね。

瀧澤 はい。確実に届きます。Twitterの更新が遅いのもふだんの仕事が終わってからやっているからです。

――ユーザーからすると直接声が届くので非常にうれしいことだと思います。

瀧澤 こんなにユーザーとの距離が近い作品は『魔女の迷宮』が初めてですね。公式Twitterがフレンドリーでいいとの声をいただいていますが、それは全責任を負える私がやっているからです(笑)。コメントをいただけるのはうれしいので、これからもよろしくお願いします。

『魔女の迷宮』公式Twitter

インタビュー後のおまけ

瀧澤 ニンテンドースイッチ版とか見ますか?

――え?いいんですか?

インタビュー後、開発中だというニンテンドースイッチ版『魔女の迷宮』を見せてもらえることに。

※画面は開発中のものです。

魔女の迷宮スイッチ
switch版ダンジョン画面_600
▲スイッチ版『魔女の迷宮』。Rボタンの斜め移動とダッシュがやはりしっくりくる。

――こちらは、いつくらいにリリースする予定ですか?

瀧澤 秋くらいを目指しています。今後の『魔女の迷宮』の予定としては、6月中旬に追加ダンジョン、7月くらいに海外版のローカライズ、夏の終わりくらいには『魔女の迷宮』+αをニンテンドースイッチで配信したい……という感じですね。

あとは、今後アップデートでちょっとしたアバターみたいなものとか、やりこみユーザー向けに縛りを達成したら実績を表示させるのとかもおもしろいなと思っています。スマホ版のスケジュールとしては、ざっくりですが

6月上旬:アバターシステムとAUTOダッシュが追加
6月中旬:追加高難易度ダンジョン追加
7月?:モンスター牧場的な要素と縛りプレイによる実績表記に対応
というような予定でいます。

――アバターにやりこみ実績!?コアユーザーはすごく喜びますよ。

瀧澤 ありがとうございます。これらも含め、くり返し遊べるように『魔女の迷宮』のアップデートを頑張っていこうと思います。

おまけのおまけ

追加予定の新モンスターの画像も見せていただけたので、チラ見せ。

新モンスター1新モンスター2
▲鏡のような姿をしたモンスターや魔法使いのようなモンスターが確認できる。武器を装備したモンスターも気になる。

▼『魔女の迷宮』の詳細はこちら

取材・文・編集:松脇さんば

魔女の迷宮

対応機種iOS/Android
このゲームの詳細を見る
メーカーオレンジキューブ
公式サイトhttp://orange-cube.jp/service/project_rogue
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