ガンホー新作『クロノマギア』の誕生秘話と魅力を徹底解剖!山本大介プロデューサーに直撃インタビュー

2018-04-20 18:00 投稿

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クロノマギア

山本Pに訊く『クロノマギア』の制作秘話

2018年4月10日にサービスを開始したガンホー・オンライン・エンターテイメントの新作アプリ『クロノマギア』(以下、『クロマギ』)。遊びやすい縦型画面で手軽にプレイでき、奥深い戦略が楽しめる対戦型のカードゲームとなっている。

これまでのDCG(デジタルカードゲーム)に一石を投じるような目新しい戦略的システムがユーザーから高く評価されている作品だ。

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本記事では、週刊ファミ通(4/19号)に掲載された『クロマギ』を統括するプロデューサー・山本大介氏のインタビューを掲載。本作の誕生秘話や、山本氏の新作に懸ける熱い想いを感じられるはずだ。

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山本大介プロデューサー

山本P01
▲『パズル&ドラゴンズ(以下、『パズドラ』)』シリーズ全般のプロデューサーを務める、ガンホーの開発担当本部長。期待の新作『クロマギ』を生み出した張本人で、プロデュースに注力する。

戦略の幅の広さと毎日の楽しみを搭載した『クロマギ』

――ついに『クロマギ』が配信直前ということですが、『パズドラ』関連ではない完全新作はじつに久しぶりですね。以前から、新作を作りたいという思いは強かったのでしょうか?

山本 そうですね。完全新作はずっと作りたいと思っていました。これまではニンテンドー3DS版の『パズドラ』関連作品を作ってきていたのですが、ひと段落したので新作の開発を進めていたんです。とはいえ、『パズドラ』も今年の4月から新アニメが始まるので、そちらも準備はしていますよ。

――実際には、いつごろから『クロマギ』の構想を練られていたのでしょうか?

山本 作りたいと思っていたのは5年ほど前ですね。『パズドラ』が出たころは、スマホアプリの市場自体が、協力プレイやフレンドのキャラクターを借りて遊ぶといった、協力要素が目立つゲームが多かったんです。どの道いつか対戦が流行るなと思っていましたので、つぎの作品は対戦ゲームにしたいなと考えていました。それで、ようやく『クロマギ』のプロトタイプに着手し始めたのが、2年前の2月〜3月頭くらいだったと思います。

――山本さんは以前にもカードゲームを手掛けられていて、カードゲームが大好きと聞いています。本作を作るにあたり、どういった部分に気をつけて制作をされたのでしょう?

山本 本作最大のコンセプトは、“とにかくカードゲームが好きな人が、遊んで楽しめる”というものです。カードゲームが好きな人にこそ、遊んでいただけると、駆け引きや奥深さがわかるという部分ですね。あとは、どこまでウリになるかはわからないのですが、デッキが20枚と比較的コンパクトだったり、縦画面でプレイできるなど、カジュアルユーザーでも遊びやすいように気をつけました。

――その駆け引きや、遊びやすいという部分を際立たせるために、工夫した点はどういったところになるのでしょう?

山本 デッキ構築の視点から言うと、使用キャラクターによって、デッキの組みかたが変わってくることですね。本作は初期で10人の“能力者”が実装されていて、能力者の数×カードの種類、つまりはデッキ構築の幅の広さがポイントです。さらに本作は、能力者ごとに特有の“マギアスキル”が複数あるので、人によってデッキ構築に大きな違いを出せるんですよ。いろいろなコンセプトを考えられるようにしてあります。カード数は、ローンチの時点で約230枚ですが、デッキのバリエーションがとにかく豊富なので、考えることが楽しいはずです。そのぶん、慣れていないとデッキ構築や戦術が難しく感じることもあるかもしれませんが、慣れるに従ってハマッていけると思います。

――いかにユーザーがシステムを理解し、気に入ってもらえるかが鍵になりそうですね。

山本 『パズドラ』もそうなのですが、ここ6年間で、だいぶゲームユーザーさんの層の幅が広がってきました。最近は、これまでいっさいゲームに触れてこなかった人たちも、スマホでゲームを遊ぶような時代になってきて、そうした人たちには本作は初めは少し難しく感じると思うんですよ。一応、初心者の人でも遊びやすいように、チュートリアルをクリアーしたときにもらえるデッキが、最初からそこそこ戦いやすいものにはなっています。そういった最初の取っつきやすさを気にしながら、チューニングをかけているところです。

――カードゲームはバランス調整が難しいですよね。しかもマギアスキルの要素もあって。

山本 そうですね。いまだにカードの調整をガリガリ入れているところでして。ローンチだけを考えた調整でよければ、もうチューニングしきれるのですが、今後のアップデートなども考えるにあたって、カードのコスト計算をもっと詰めていきたいんです。たとえば“攻撃力やHPがこれくらいで、こういう能力を持っているカードのコストはコレ”みたいな目安を、いまだにいじりながら開発しています。ローンチまでにこうした計算式をしっかり作りきれれば、追加パックなどを出したときに、急に性能が壊れたカードなどが出ないはずなので、そこはリリースギリギリまでチューニングをかけようかなと思っています。

――今後のことも見据えているんですね。本作では、一般的なQRコードを読み取ることで、毎日カードを入手することができますが、この大胆な発想はどこからきたのでしょうか?

山本 まず、『クロマギ』も『パズドラ』のように、イベントやログインボーナスで、カードを引くためのゲーム通貨“マギアゴールド”や、シングルカードを買うための“ピース”を配っていく予定です。それにプラスして、毎日ログインする楽しみを用意したいなと考えていて。お金をかけずに遊びたいという人もいるでしょうし、やっぱりカードパックを引くのって超楽しいじゃないですか(笑)。

――QRコードで強いカードも引けますか?

山本 はい。QRコードは、1日1回読み込めて、それを宝くじのような数字の羅列に一度変換して、毎日抽選を行うんですよ。その数字が一定の桁以上当たると“当たり”となって、いいパックが引ける仕組みです。ポイントとしては、この抽選が先着順なことですね。たとえば、Aというカードパックが当たりだったときに、そのAというカードパックは先着10人だけが引けるようになっています。自分が、仮にその1番目や2番目に当たったとしますよね。そのときに、その当たりの先着順が切れるまでは、友だちにそのコードを教えてあげて、シェアすることもできるんですよ。

――「このQRコードで、当たりパックがもらえたぞ!」と、友だちに教えてあげられる。

山本 はい。そうした話題などでも、盛り上がっていただけたらいいなと思っています。

――たとえば、無課金のプレイヤーでも、毎日コツコツ遊ぶことで、いいカードが揃ってきて、どんどん強くなる可能性がある。これは確かに、毎日の楽しみが増えますね……!

プレイの時間帯まで考え抜いたこだわりの強さに注目

――先ほどプレイさせてもらいましたが、UIの快適さ、読み込み速度はさすがだと感じました。操作性のサクサク感にもこだわりが?

山本P02

山本 読み込み時間は、なるべく短めにしたいという思いが強いんですよ。アプリの開発容量についても、開発チームに最初から500MB以内に抑えてほしいと話をしていました。プログラマーからは最初キツいと言われていたのですが、カードも美麗さを保ったまま、ギリギリのサイズに調整して、何とか仕上げてくれました。もちろん、今後カードパックの追加などで容量は徐々に増えていきますが、最初から端末の容量が足りなくて遊べないというのがいちばん悲しいので、アプリの容量やUIについては、かなり気を使って作っています。

――今回はワールドワイドでの配信とのことですが、これは企画段階から決まっていたのですか?

山本 対戦ゲームですので、マッチングしないと楽しくないですよね。なので、なるべくいろいろな国で出したかったんです。日本以外だとアメリカ、カナダ、オーストラリアから始まり、徐々に広げていきたいと思っています。国内だけだと、昼休みの時間帯や、学校や仕事終わりのピークタイムは人も多くていいと思うんです。ですが夜勤の方だったり、眠れない日の深夜帯、早朝に本作を遊びたいとなったときに、もっとも効果を発揮するのはやっぱり時差なんですよ。

――なるほど。日本の早朝、深夜の時間帯が、海外だとピークタイムだったりすることも。

山本 はい。マッチングを切らずに、ワールドワイドで遊べるのが理想なので、今回、世界同時配信となりました

――ワールドワイドといえば、クリーチャーのイラストもリアル寄りというか、世界同時配信を意識した濃い目のテイストですよね。

山本 そうなんですよ。僕のもっとも好きな感じの絵です(笑)。『パズドラ』では、もう少しキャッチーな絵というか、カジュアル寄りにしていましたが、絵の濃さも本作のポイントのひとつです。『パズドラ』ではやれなかった濃いイラストなども、展開させていきたいですね。個人の見解としては、トレーディングカードゲーム業界のトップクラスのイラストレーターさんたちに集まってもらえ、楽しんで絵を描いていただけたようなので、よかったです

――配信後も、そうした豪華イラストレーター陣の描いたクリーチャーが続々と?

山本 それは、もちろん! 数ヵ月に1回は新パックを出したいですね。ただ、パックを乱発するのではなく、そのパック内で遊びの幅を広げるという意味で、新たな能力者を追加していきたい。じつはいま、各能力者は、スキルを3×3のギア、9種類の中から好きなものを3つ選べるのですが、今後ギアが4×3で12のスキルになったりと、拡張性を持たせています。カードの追加だけに頼らず、能力者やスキルの拡張でも、ゲームの奥深さを出していけたらいいなと考えているんです。それで、「満を持して新カードパックも登場!」の流れになるのが、ベストかなと。

――なるほど。『クロマギ』はライトユーザーや、初めてカードゲームを遊ぶという人も多いと思うので、初心者にオススメの能力者やデッキ構築のコツなどを教えてください。

山本 まず最初に、好きなキャラクターを見つけてもらうのがいいと思います。初期のストーリーモードで遊べる4キャラクターは、そこまでピーキーな性能ではなく、オーソドックスなキャラクターが揃っているので、まずは彼らの中からお気に入りを決めてみてください。デッキ構築のポイントは、最初にどのマギアスキルを使うかを考えていただくといいと思います。マギアスキル発動に必要なカードのタイプが大事になってくるので、スキルに合ったカードを入れていくと、デッキを組みやすくなると思いますよ。カードの比率的には、20枚中クリーチャーカードが12〜14枚、マジックカードが6〜8枚くらい入れていただくと、比較的バランスがよくなります。それと、完全初心者の方向けに、デッキ構築済みのパックを安価で提供したい。早めにアップデートで入れたいなと思っています。

――配信後のコラボ情報など、今後の展開についても、ぜひ聞かせてほしいです。

山本 現時点では、まだ詳細は話せませんが、コラボもやる予定ですので、お楽しみに!(笑)

――楽しみです。開発で苦労された点は?

山本 全体的に、細かい手間がかかっていて、作り直しが多かった点ですかね。ストーリーモードも、長すぎると読み飛ばされてしまう懸念もあり、いまの長さに落ち着くまでに、ライターさんに4〜5回書き直してもらったりしました。あとは、能力者のアニメーションなどでしょうか。容量を削るために細かくパーツ分けをしていて、これがもう、完全に職人技の域に達していますので(笑)。

――実際に、すごく滑らかに動いていて見惚れました。また、声優陣も豪華ですよね。

山本 声優さんもフルボイスではないですが、かけ声や勝利ボイスなど、けっこう豪華に使いました。必殺技的な叫びのところなどで、キャラクター性を感じ取っていただけるとうれしいですね。特定の組み合わせ専用のボイスもいくつか入っていますし。それと、日本人の4キャラクター以外は、ボイスもローカライズして英語でしゃべるようになっています。今回、日本語版と英語版で、声優さんが同じという方がけっこういるんですよ。声優陣の起用は、英語をしゃべれる人から選定を始めたりしましたので。というのも、日本のアニメやゲームのコンテンツが好きな海外の方は、声優さん自体も好きなことが多いんです。代役を当てずに同じ声優さんがしゃべったほうが、喜んでいただけるかなと。そうした意図もあり、今回の新しい取り組みとしてチャレンジしてみました。実際に海外の方にどう受け取られるかは未知数ですが、こうした面も込みで、ビジュアルだけでは表現できないよさを出していきたいと思っています。

――最後に、本作を心待ちにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。

山本 いい作品となるよう、ギリギリまでチューニングしています。カードゲームが大好きな皆さんはもちろん、昔すごくハマっていた方、新しく始めてみたいという方なども、ぜひ楽しみに待っていてください。配信直前の『クロマギ』を、よろしくお願いします!

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クロノマギア

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルカードゲーム
メーカーガンホー・オンライン・エンターテイメント
公式サイトhttps://chronomagia.com/
配信日配信終了
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