中国のVR市場は2020年に1兆円!? 国内最大級のVRサミットの概要が明らかに

2016-09-29 21:30 投稿

国内最大規模のVRカンファレンスが再び

グリーとVRコンソーシアムが共同主催するVRカンファレンス“Japan VR Summit”(以下、JVRS)の第2回目が、11月16日に開催される。また、この2回目(Japan VR Summit 2)の開催に先立ち、メディア向け事前説明会が開催された。

ここでは、その事前説明会に関してのリポートをお届けしていく。

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事前説明会では、グリー 取締役 執行役員の荒木英士氏と、VRコンソーシアムで代表理事を務める藤井直敬氏が登壇。前回の振り返りから始まり、“Japan VR Summit 2”で行われるセッションの内容発表、スピーカーからのビデオメッセージ紹介などが行われた。

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▲グリー株式会社 取締役 執行役員、荒木英士氏
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▲一般社団法人 VRコンソーシアム 代表理事、藤井直敬氏

前回のJVRSでは?

事前説明会でまず行われたのは、前回の振り返り。資料によれば、第1回となるJVRSでは、約500名もの業界関係者が集まったとのこと。

動員者数こともさることながら、驚くべき点はその内訳。IT・通信、ゲーム、総合エンターテインメント業に携わる人を中心に、音楽業界、金融業界からも人が集まり、その注目度の高さが伺える。さらに参加者の多くが役員クラスの人間だったという点は驚きである。

通常、こういった技術ワードを冠したサミットには現場の人間が集まるものだが、JVRSでは経営指揮を執る人が直接出向いていたのだ。これは、VRの注目度を裏付ける貴重なデータと言えるだろう。

また、ゲーム業界としても前回のサミットの意味合いは大きいという。荒木氏によると「JVRSは世界ではじめて、HTC、Oculus、SONYというVR業界を牽引する3社の幹部が同一セッションに参加したカンファレンス」だそうだ。

こういったデータを見るだけでも、第2回JVRSも大きな有意性があることが予想される。

中国がひとつのキーワード

続けて行われたのは、第2回JVRSのセッション内容の紹介。今回のテーマは中国ということで、中国に寄せられたトークテーマが多く見られるようだ。

中国をテーマとした理由について荒木氏は「中国のVR市場は、2020年におよそ1兆円弱という巨大なものに成長するという試算が出ています。また中国はソフトウェア開発はもちろん、ハードウェア開発にも力が注いでおり、現在非常にパワーが感じられる市場となっています」と語る。

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その言葉が示す通り、セッション2では中国のVRメーカー幹部4名を招いてのパネルトーク“世界最大?中国VR市場のポテンシャル”が行われる。

登壇予定の4名は、Baofeng Mojing副社長の曽 憲忠氏、3Glassesファウンダー&CEOの王 潔氏、Shanghai FAMIKUファウンダー&CEOの楊金シン(金が3つ)氏、Beijing Pico TechnologyでCMOを務めるKaren Zu氏の4名。

Baofengは、中国トップクラスのモバイルVRメーカーで、モバイルVRヘッドマウントディスプレイ(HMD)開発のほか、ソフトウェア開発、プラットフォーム開発、SNSの運営を行っている一大企業。

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3Glassesは、ハイエンドなVR HMDの開発のほか、VRアプリストアの運営も行っている。また、10年以上もVR事業に携わっており、70以上の特許を有している、VR業界の先駆者的存在でもある企業だ。

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FAMIKUは、打って変わってVRアミューズメント施設の設立・運営と、そこで利用されるVRソフト、マルチプレイVRマシンの開発を行っている企業。年内に100店舗という目標を掲げるほど好調ぶりを見せており、蓄積している知見は相当なものと予想される。

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Picoは、新進気鋭のモバイルVRメーカー。若い企業ながらもその実力は高く、携帯電話と連携して動くVRヘッドマウントディスプレイから、スタンドアローンで稼働するタイプまで、いろいろなハードウェア開発を行っている。

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ソフトウェアだけでなく、ハードウェア開発、プラットフォーム運営までをも1社で行い、精力的な活動を見せるのが中国メーカーの特徴。日本では難しいとも思える、そのパワフルな運営から垣間見る今後のVR業界とはどういうものかが語られるという。

このほかにも、責任者レベルの人間が集まり2020年のVR業界について話し合うセッション“VR トッププレイヤーが描く2020年のビジョン”や、コンソール環境やデスクトップ環境とアトラクション環境での開発・プレゼンスの違いを語り合う“先駆者から学ぶ ~VRアトラクション編~”、360度動画をはじめ、ゲーム以外でのVR産業について投資家たちが語りあう“さまざまな産業における VR/ARの活用事例”、投資家目線でVR市場を見る“投資家が展望するVRの収益化”というセッションが予定されている。

VR元年と呼ばれた今年も、残すところあと3ヵ月。VR普及の足がかりとしても期待されるプレイステーション VRのリリースも間もなくに控えており、いよいよVR市場も本格的な黎明期を向かえ始めたことが伺える。

藤井氏はそういった背景をまとめ「VR元年を迎えて、これまで数百万円相当であったVR HMDが、まだ安いとは言えないがそこそこの値段で買えるようになりました。VRに関するニュースや、VR関連会社も爆発的に増えてきており、VRという言葉が市民権を得てきていると感じ、うれしく思います」とコメント。

また同氏はVR元年をポジティブに捕らえつつも、「テクノロジーのハイプ・サイクルで見ると、VRはまだまだ黎明期の入り口にさしかかったばかりで、これから“過度な期待”のピークを迎え、その後大衆にガッカリされるというステージに入っていくと予想されます」と冷静な視点からの意見も披露。

「このガッカリ期間を資金力や熱意で乗り越えて、初めて、VRは社会に認められるものとなります」と、続けて業界全体に「ともに頑張っていこう」という意思が汲める言葉を残している。

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VRはまだまだこれからの分野。結論を焦らず、業界全体の動向を見守っていこう。

JVRS2リリース記事はこちら

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