ドットの神様Mr.Dotmanも登場!元ナムコのクリエイター陣に訊く『タッチ・ザ・マッピー』後編

2016-07-10 11:00 投稿

元ナムコのクリエイター陣に訊く
『タッチ・ザ・マッピー』秘話(後編)

元ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)のクリエイター陣が集結して、スマホタイトルとして新たに誕生した『タッチ・ザ・マッピー』。本記事では、平均年齢50歳を越えてなお、精力的に活動する彼らへのインタビューの後編をお届けする。

▼インタビュー前編はこちら
元ナムコのクリエイター陣に訊く『タッチ・ザ・マッピー』前編

mappy_logo

▼あのマッピーが15年経て警部へ転身!
スマホで登場『タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団』


インタビューイ

ドットマン小野浩氏

『マッピー』、『ディグダグ』、『ゼビウス』など、ナムコの名作ゲームのドット絵を数多く担当してきたデザイナー。通称“Mr.Dotman”、“ドットの神様”。今回のプロジェ クトではゲーム内のドット絵を担当した。

WA3_8264佐藤英治氏

元ナムコのプランナーであり、『マッピー』の企画担当。『ドラゴンバスター』のディレクションや『三国志 中原の覇者』なども担当した。退社後はゲーム開発から離れていたが、今回のプロジェクトに参加。

WA3_8249森一申氏

元ナムコのディレクターで、『ディグダグアイランド』などを担当。退社後に株式会社コスモマキアーを設立し、オンラインゲームの開発を手掛ける。今回のプロジェクトにはプログラム、ディレクションで参加した。

WA3_8424田平宏一氏

元ナムコのプランナーとして、『アブノーマルチェック』などの診断ゲームを企画。退職後は株式会社鈴屋を立ち上げ、アプリプロデュースを行う。今回のプロジェクトの企画者であり、プロデューサー。

元ナムコのディレクターで、『ディグダグアイランド』などを担当。退社後に株式会社コスモマキアーを設立し、ソーシャルゲームの開発を手掛ける。今回のプロジェクトにはプログラム、ディレクションで参加した。

カタログIPオープン化プロジェクトとクラウドファンディング

――“カタログIPオープン化プロジェクト”は、現在21タイトルが開放されていますが、その中で『マッピー』を選んだのはなぜでしょうか。

▼『マッピー』が新たに誕生したきっかけ
カタログIPオープン化プロジェクトとは?

田平 スマホでは、軽いタッチやスワイプで遊ばせるゲーム性がいいと考えていました。バーチャルパッドでは指が滑りやすく、アクションゲームにはあまりふさわしくありません。そうした操作性から企画を考えたとき、『マッピー』がハマったんです。マッピーは上下するだけで、床を作って誘導するという原案がここでできました。

――1980年代に大ヒットした『マッピー』が今、スマホゲームとして新たに登場したわけですが、本作のターゲット層はどのように想定していたのでしょう。

田平 それはもう、完全に40代がターゲットです。すでに、我々自身が“おっさんホイホイ”と呼んでしまっているので(笑)。ただ、ドット絵でかわいらしく描かれたマッピーは、スマホゲームをよく遊ぶ若い世代にも気に入ってもらえるとは思っていましたね。ですから、初見の人でも入りやすいように、タイトルには気を使いました。

――プロジェクトの初期段階では、『マッピー・リターンズ(仮)』となっていました。

田平 それだと『マッピー』の第2弾になり、初見の人の食い付きが悪いと思いまして、いろいろな案を出し合って『タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団』になりました。

 佐藤さんが出した『マッピーの恋の衝撃波』は現場でウケてましたね。でも、恋の要素ないんじゃね? ってことでなくなりましたけど(笑)。

田平 企画の最初は、ニャームコを主役にしようとしていたんですが、森くんに反対されたんだよね。

 『ニャームコの逆襲』っていうタイトル案もあったよね。ニャームコが主役の場合、ニャームコがマッピーから逃げる構図になるわけですよ。マッピーは警官ではあるけど、ネコがネズミに追いかけられるのはおかしい。『ニャームコの逆襲』なら、マッピーの子どもたちをニャームコが殺戮しまくるようなゲームじゃないと(笑)。

田平 そこまで言われたので、マッピーが主役のゲームに戻しました。ちなみに、ZUNKOさんはニャームコが好きでナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)に入ったほどの人なんです。ニャームコが主役のゲームだからプロジェクトに参加したのに、主役ではなくなってしまって残念がっていましたね。

佐藤 私はニャームコが主役のゲームと聞いて、心の中で「やめて!」と思っていたので、変更が決まったときはホッとしました。

田平 えっ、そうだったんですか?

佐藤 うん。タイトルが『マッピー』なのにニャームコを操作するのは、ユーザーが混乱すると思っていましたから。ニャームコが主役なら、マッピーの扱いは小さくして、ニャームコをドンと大きくしないと。そう考えているうちに、森くんのほうから変更したと伝えられたので、もう大丈夫だろうと思って黙っていたんです。

――Makuakeというクラウドファンディングで資金調達をしようと考えたのはなぜでしょうか。

田平 そもそも、設立1年目の会社だったので、使えるお金があまりなかったということがあります。あとはクラウドファンディングそのものに興味があって、やってみたかったというのも大きいですね。プロモーション効果もあり、コミュニティもできて、お金も集まる。いろいろなメリットがあると思って申し込みました。

マッピー_クラウドファンディング

――申請したときの反応はいかがでしたか?

田平 最初に「本当にこのクリエイターたちが参加するんですよね?」と念を押されましたね(笑)。やはり、この人たちが入ることのバリューは大きいと感じつつ、大丈夫ですと答えたところ、翌日すぐに返事がありました。打ち合わせをして、社内審査が通ってという感じで、早く決まった印象です。

――設定した目標金額が765,000円。“ナムコ”の語呂合わせですね。

田平 本当は、100万円くらいかかるかもと思いつつ、あまり欲張った数字では印象が悪いかな、と。それなら語呂合わせの765,000円がちょうどいいと思って設定しました。

――最終的に目標金額を上回る、100万円を突破しました。

田平 募集期間が2ヵ月あって、最初と最後に盛り上がりましたね。残り3日というところで50万円に到達していなかったので、これは無理かなと思っていましたが、記事に取り上げてもらったりして最後の追い上げが効きました。本当にありがたいことですし、支援者の方々の“マッピー愛”を強く感じましたね。

アクションパズル『タッチ・ザ・マッピー』の誕生

――本作は、元祖『マッピー』から15年後という設定ですよね。

田平 ドット絵で作るのは決まっていて、そのテイストで現代の世界観は合わないだろうと。それに、盗品アイテムをいじりたかったというのもあって、表現したい時代として15年後の世界がマッチすると思いました。

マッピー_盗品アイテム

――『マッピー』の時代からは進化していますが、現代から見ると絶妙な古さですね。

田平 ラジカセがMDラジカセになっていたり、テレビがビデオ付きテレビだったり。いまの若い世代は「MDって何?」という感じで気づかれないかもしれませんが(笑)。

小野 あれ、大変だったんだぞ?

田平 いや、本当にありがとうございます! 1998年当時を電化製品で表現できた“おっさんホイホイ”要素です。

――ストーリーには、“息子たちのミューキーズは、マッピーによる幼少期の挫折しか知らず、大人になったいまでも悩み苦しんでいた”という一文が含まれていますね。これがあまりに不憫で……。

田平 僕の中では、めちゃめちゃ重要なところなんですよ。おそらく、負け続けた子どもたちは成功者に育たないだろうと(笑)、その一文は絶対に入れたいと思っていました。

 あれだけパワードアで吹っ飛ばされまくっていたら、そりゃあグレますよね(笑)。

――元祖『マッピー』がアクションゲームだったのに対して、本作はアクションパズルになっています。スマホでの操作性を考慮して決定したとのことですが、どのように構築されていったのでしょうか。

田平 原型の企画は僕が考えましたが、アクションパズルにするアイデアは森くんからもらいました。

 田平くんの原案では、“タップで誘導”と“要素はシンプルに”というテーマがあって、ファンの期待を裏切らずに、ちょっとした移動時間でも楽しめるようにしようと思っていました。ただ、元祖『マッピー』のように画面の先を窺いながら引き返す操作は、スマホでは難しいだろうと。そこで、一定時間が経過すると消える床を作っていくものを考えましたが、これも原作のように落ちたらミスとかにすると、おそらくゲームとして遊べない。

――それで誘導型アクションパズルが完成していったわけですね。

 イメージしたのは『ロードランナー』です。2重、3重の時間差床消しみたいなことを『マッピー』でやったらおもしろいだろうと思いました。あとは主要な骨子を僕が作って、現場のディレクターと詰めていきました。

――アクションパズルに変わったものの、マッピーのコミカルさやトランポリンでの移動といった、“らしさ”はとても強く感じます。

佐藤 『マッピー』の要素を引き継ぐうえで、トランポリンは必要でしたね。単にキャラクターを借りてきただけで、特徴がなくなってしまいます。スマホで2画面スクロールは難しいと思っていましたが、パズルだと聞いて、あとは任せても大丈夫だと思って安心していました。

マッピー_画面01マッピー_画面02
▲スマホで遊びやすい工夫をしながら『マッピー』らしさを再現。

――欠かせない部分だったんですね。

佐藤 トランポリンのほかには、やっぱり音楽。あと、できればパワードアを入れてもらえたらと思っていましたね。そこから先は、パズルのギミックでおもしろいゲームになるでしょうから。

――スマホアプリとして制作するうえでの苦労はありましたか?

 佐藤さんから、当時の苦労を教えていただいていました。床で接触するとミスになるけど空中ではセーフだとか、マップがふたつあってターゲットの位置を把握しづらいとか。それはスマホアプリで初めて触れる人にとってわかりにくいところなので、解決するためにディスカッションを重ねましたね。

田平 チュートリアルをどうするかは、難題だったと思います。試作段階で女子大生に遊んでもらって、初めてプレイする人がどんな反応を示すかを見ました。トランポリンで上昇中は床に移動できるけど、降下中はできないことや、空中で接触してもミスにならないことは、初見だと把握しにくいようでした。そうした説明を、序盤のステージで覚えてもらう工夫が必要でしたね。

――オールドゲーマーにとって、そういう『マッピー』の挙動は常識ですが、よく考えると複雑なルールですね。

 そうなんですよ。それをチュートリアル化するのは、とても大変でしたね。現場のディレクターも重々承知しているのですが、いまの形になるまで何度も作り直しました。

佐藤 私が作っていた当時と、まったく同じ苦労ですね。待機状態のデモプレイ、我々は“アトラクトモード”と呼んでいましたが、ここを入念に作ってルールを理解してもらおうとしていました。でも、みんなすぐにお金を入れて、ゲームを始めちゃうんだよなぁ(笑)。

Mr.Dotmanこだわりの仕事

――それでは、グラフィック面についてお聞きしていきます。原作当時から15年経ったマッピーは警部に出世していて、ニャームコも服装が変化していますね。

小野 16×16のドットで、警部に出世も何もないだろうとは思いましたね(笑)。田平くんから警部のイメージとして、『警部マクロード』というアメリカのテレビドラマの写真がメールで送られてきて。この主人公はテンガロンハットをかぶっているんだけど、マッピーの耳が隠れるわけにはいかないし、コートまで着せるとなると、何がなんだかわからなくなるんですよ。そこでマクロードはいったん忘れて、もっとポリス感を強調するようなイメージでいまのマッピーを作りました。

田平 “警部”で検索して、こんな感じかなと思ったんですけど……(笑)。

小野 ニャームコはね、マイクロマウスのときの服装をそのまま持ってきました。ジャケットに稲妻が入っていたりして、意外と凝ってるんですよ。

 マイクロマウスのニャームコは、コーヒーブレイクでも登場していますよ。

マッピーニャームコ
▲今作に登場するマッピーとニャームコ。『マッピー』ファンなら原作との違いがわかる?
0706
▲『パックマン』のステージクリアー時の演出であるコーヒーブレイクを、オマージュとして実装。遊び心あふれる寸劇が楽しめる。

田平 試遊会に来てくださったユーザーさんのアイデアです。コーヒーブレイクがあると盛り上がるから、ぜひ入れてくださいと言われて。

 確かにテンションが上がりますよね。5、15、25、35、45、55面と、5のつくステージのクリアー後に見られるので、ぜひ挑戦してほしいです。

――当時の懐かしさもありつつ、現代風にアレンジしているわけですが、ドット絵という限られた表現方法で作るのはたいへんそうに感じます。

小野 いや、やりがいがありますよ。16×16の中で、いろんなものを表現するのが楽しくて。今回も盗品アイテムをいろいろ作ったけど、原作当時もたくさん作ったなぁ。当時のオーダーは、盗まれて悔しいもの。いまは価値観が変わっていて、スクーターやドラムセット、ロダンの“考える人”なんかも作ったけど、どれも登場させられませんでした。

佐藤 “考える人”を初めて小野さんに見せられたとき、何かわからなくて怒られましたね。

小野 そう。「溶けたアイスクリーム」って言われた(笑)。

佐藤 彫像っぽい形をしていましたが、けっこうカラフルな色合いで……。

小野 『マッピー』の決められたパレットでグラデーションを表現しようとしたんだけど、伝わらなかったね。最近、もう一度“考える人”を作ってみようと挑戦したら、やっぱりダメだった。全身が無理な恰好をしているうえに、台座に座ってるでしょ。それに細いから、どうしてもうまくいかない!

――今回は美術品枠としては、モナリザに変わって写楽が入っていますね。

田平 盗品アイテムを楽しく一新したいと思っていて、小野さんらしさが出ているすばらしい出来栄えです。

小野 文句は言わせないぞ(笑)。でも、過去タイトルのイラストを再現するのは、死にそうなくらい大変でしたね。普通のアイテムなら1時間くらいで作れるけど、あれは休憩を挟まないとやってられなかった。

マッピー_ファミコンカセット再現マッピー_ギャラクシアン

――コンプリート用のイラストですね。パーツを集めて完成させると、開発秘話を読めるという。

 そうですね。15面コンプリートクリアーするごとに、『ギャラクシアン』や『パックマン』のイラストが完成して、それぞれのタイトルの開発秘話が読めるようになります。現在は60面なので4タイトル分が入っていますが、小野さんにはあと3タイトルのイラストも作ってもらっていて、アップデート後にはそれらも登場します。

――アップデートも予定されているのは、ファンにとって朗報です。

 現在調整中ですが、新たなギミックを追加します。すでにコンプリートして「裏面はないの?」というユーザーさんもいらっしゃるので、楽しみにお待ちいただければ。

――80年代当時と現在では、ドット絵制作に変化はありますか?

小野 環境としては、容量が増えて色数も増えているけど、個人的には変わっていないんですよ。1色ベタの時代から続けていて、色数をたくさん使っても仕方ないとも思うし。最近のドット絵は、輪郭線があったり、1ドットずつ色を変えてグラデーションにしたりするけど、どうしても汚く見えちゃって抵抗があるんですよね。陰影は2色でも表現できるのに、使えるだけ使って、かえってゴチャゴチャしているように感じます。

――シンプルな色使いでも、表現はできると。

小野 たとえば、赤い丸に白い点を打つだけでも球になるんです。何色も使ってグラデーションをかけても球になりますが、そこまでやるとゲームらしさがなくなっちゃう気がして……。昔からゲーム制作に携わっているから、そう感じるのかもしれないんですが。

佐藤 小野さんの“端折る技術”はスゴイですよ。

小野 引き算で考えているからね。ここだけは残さないと表現できないというところまで、どんどん引いていくんです。それでいうと、いまは足し算かな。どんどん足せるから必要以上に盛り込んで、逆に見づらくなっているのかもしれません。

――小野さんは、そうしたいまの環境でふんだんな色使いを試したことはあるのでしょうか。

小野 やっぱり、8色や16色まで。それ以上は使おうと思わなくて、16色でも抵抗があるかな。

佐藤 そういう新しいことにも挑戦して、まだまだ若いなぁと思いますね。今回も信頼していましたから、グラフィックで口を出すことはありませんでした。

 本当にさすがでした。僕自身、小野さんから絵をもらうたびにうれしくなっちゃって、コーヒーブレイクとか追加でつぎつぎとお願いしてしまいました。55面クリアー後は、『ディグダグ』主人公の恰好をしたマッピーが登場して、ニャームコを破裂させるシーンがありますが、その描写は芸術ですよ! あ、破裂するのは服ですよ、服。

小野 ゲーム本編に関係ないものもたくさん作ったけど、どれも楽しかったよ(笑)。

ジャズ要素を取り入れたゲームサウンド

――ZUNKOさんへの作曲に関しては、どのようなオーダーをしましたか?

田平 僕がお願いしたのは、「オリジナルの一部分を使いながら新しい曲にしてほしい」ことと、今回の洋館の雰囲気から「60年代な感じを」ということだけでした。コーヒーブレイクやリザルト画面のサウンドは、森くんがやりとりしています。森くんはZUNKOさんの大ファンですから。

 ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)に入社した当初、僕が携わっていたゲームの作曲をお願いしにいきましたが、ZUNKOさんはすでにクリエイト業務から離れていて断られていたんです。10年以上経って、ようやく作曲してもらいました! 実際は具体的なオーダーはほとんどなくて、お任せしていましたが。

――完全新規の曲ですが、やっぱり『マッピー』のテイストを感じられるのはすごいですよね。

 ZUNKOさんによると、当時のナムコのサウンドクリエイターはジャズに造詣の深い方が集まっていたそうで、今回のマップやコーヒーブレイクのBGMなど、当時のナムコサウンドを彷彿とする仕上がりなのではないかと思っています。

佐藤 それ、よくわかるなぁ。ジャズの要素もそうですが、大野木さんは当時、『マッピー』サウンドはウエスタンがキーワードになっていると言っていました。ZUNKOさんの曲を聴いて、そのイメージが湧いてきましたし、初めて聴く曲のはずなのに『マッピー』だと感じましたからね。さすが、大したものだと思いましたよ。

 完成した曲をもらって、こちらからリテイクをお願いするようなことはありませんでしたが、むしろZUNKOさんのこだわりがすごかったんですよ。ZUNKOさんが携わってきたゲームは、クリアージングルからリザルト画面、そしてスタートジングルへと続くときの、小気味いいテンポがあると思うんです。今回も、ゲームに実装した状態で聴いてもらったとき、まず「もっとテンポよくしてほしい」と言われました。

――ZUNKOさん側からブラッシュアップのリクエストがあったんですね。

 それから、開発スタッフが気に入っていても、「これはイメージが合わないからボツ! 作り直させて!」なんてことも多々あって、もったいないから別の場面で使わさせてもらったり、本当にボツになってしまったジングルもたくさんあります。職人気質というか、ZUNKOさんのこだわりには驚かされました。

現在のゲーム業界への金言

――少し主旨の異なる質問ですが、昔からのゲーム開発を経験してきた皆さんが、現在のゲーム業界をどう見ているのか興味があります。

田平 ガチャなしで遊べるゲームが増えてほしいと思います。ガチャがなくなったら、もっとゲームの幅が広がるだろうし、創意工夫で勝負する機会も増えると思いますね。

 いろいろな考えかたがあると思いますが、とてもエキサイティングな時代だと感じています。僕はビジネス畑出身の人間なので、スマホゲームを一発当てたら月に百億円稼げる市場を魅力的に感じますね。一方で、開発規模が大きくなりすぎることで、クリエイターは自分が作ったゲームだと胸を張って言いにくい時代になっているのかもしれません。その意味で今回のプロジェクトは、小さいサイズでみんながアイデアを出し合って作り、遊んでくれた人も喜んでくれる、みんなが幸せになったプロジェクトでした。世間でプロジェクトの大規模化が進む中、今回のプロジェクトに参加できたことは、とても意味があったと思います。

小野 最近のハードの進化はすごいです。かつて苦労していた時代に比べて、制作者にとって作りやすい環境になっているのは確かですね。ユーザーにとってもハイスペックなゲームで遊べるようになり、小さいお子さんでも親のスマホで楽しめる時代です。そこに、いろいろな名作ゲームのラインナップが増えてくれるといいですね。ゲームにハマるきっかけになったタイトルは、みんなが持っているものでしょうから、今回のような二時創作でもいいし、リメイクでもいい。ゲームの王道的なタイトルをファミリーで手軽に遊べて、そこから入ってきた人をどうやって取り込んでいくか。それが今後の課題になると思います。

佐藤 もっとシンプルなゲームが増えてもいいんじゃないかな。画面はものすごくキレイになって、それを否定するわけではないけれど、複雑に感じたり、同じようなゲームでオリジナリティがないように感じるんだよね。シンプルで、独自性のあるゲームが増えてほしいな。あと、歩きスマホはやめましょう(笑)。

――そんな時代に『タッチ・ザ・マッピー』は登場したわけですが、リリース後のユーザーの反応はいかがでしょうか。

田平 アプリの評価が4.5を超えていますし、コメントを見てもいい反応が多いので、『マッピー』ファンの期待に応えられて本当によかったです。クラウドファンディングで支援してもらった経緯もありますから、けっこうプレッシャーを感じていたんですよ。

 ノスタルジーだけではなくて、シンプルで奥深く遊べるゲームをユーザーが望んでいることを、今回のプロジェクトで実感しました。本作に続くカタログIPタイトルの展開を求める声も多いので、将来的に実現させたいという思いはあります。

――今回のようなカタログIPタイトルの展開が続くのであれば、本当に楽しみです。では最後に、本作を遊んだユーザー、これから遊んでみようと興味を持っている方にメッセージをお願いします。

 かつて『マッピー』を遊んだ人の期待を裏切らないアプリになっていればと思いますし、『マッピー』を知らない若い世代の人たちにも、かわいいキャラクターでシンプルに遊べる本作を楽しんでいただきたいです。

小野 まずは『マッピー』世代の親が遊んでもらって、それを子どもに教えるような関係ができるとうれしいなぁ。ぜひ、親子いっしょに楽しんでもらいたいですね。

佐藤 どんなきっかけでもいいので、このゲームを手に取ってもらって、そこからゲームに興味を持つ人が少しでも増えてくれたらうれしいです。昭和と平成の違いはあっても、ゲームで遊んで楽しむことは同じですよね。ゲームに触れて、もっと興味を持ってもらいたいと思います。

田平 決して大きなプロジェクトではありませんでしたが、クラウドファンディングで支援してくれた何十人もの方々、試遊会に参加された皆さん、いろいろな方に関わってもらいました。開発メンバー自体は数人ですが、たくさんの人の思いや愛情が詰まったゲームです。ぜひ遊んでみてください。

タッチザマッピー_レジェンドクリエイター

▼インタビュー前編はこちら
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『タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団』紹介動画

タッチ・ザ・マッピー 復活のニャームコ団

ジャンル
アクションパズル
メーカー
鈴屋 コスモマキアー
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iOS 7.0 以降/Android 4.0降
備考
本アプリケーションは、権利者の正式な許諾を得ています。
許諾番号:45110

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