『ビブリボン』、英語で略せば『VR』!? ソニーの“VRおじさん”こと吉田修平氏と『パラッパ』の生みの親・松浦雅也氏がトークセッション【BitSummit 4th】

2016-07-09 20:42 投稿

20年経ってもユーザーの心に残るゲームを

“BitSummit 4th”のメインステージで行われた、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオの吉田修平氏と、七音社・松浦雅也氏によるトークセッションをリポート。

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1996年、吉田氏は『クラッシュ・バンディクー』日本版を、松浦氏は『パラッパラッパー』を世に送り出し、プレイステーションの一時代を築き上げたふたり。それぞれがこれまで経験してきたことを踏まえて語られるインディーズゲームに対する想いやVRの話題まで、“BitSummit”ならではの興味深いトークセッションとなった。

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▲「最近ではVRおじさんと言われるが、その前はインディーおじさんでした」と冒頭で挨拶した吉田氏。

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▲『パラッパラッパー』、『ビブリボン』などプレイステーションで多くの革新的なゲームを創作してきた松浦氏。2016年5月には音感を題材にしたスマホアプリ『古杣(furusoma)』をリリース。

『古杣』開発、3人3ヵ月で終わらせるつもりが…

冒頭、松浦氏の新作スマホアプリ『古杣』の話題に。

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▲音を出しながら出現する妖怪“古杣”と同じ音程の鍵盤を叩いて共鳴させて捕獲していくリズムゲーム。

妖怪と戯れる音程重視のリズムゲーム『古杣』紹介記事

「音楽ゲームはたくさんあるけど、音楽自体がインタラクティブになっているものはほとんどない。ただ音楽が流れているだけのようなものは僕の目指すところではない」と、『パラッパラッパー』や『ビブリボン』のようにプレイが音に影響していくリズムゲームのパイオニア・松浦氏らしい思いで制作された『古杣』。

そのこだわりからか制作には紆余曲折があったようで「最初は3人3ヵ月で開発を終わらせるつもりが、けっきょく1年以上かかってしまった」と振り返った。さらに、「リリースしてみたら評価に星ひとつが並んだりしたんですけど、僕は予定調和的なゲームを作るつもりはないので、いただいた評価は甘んじて受け入れています」と、自分の理想を忠実に形にしていく、インディーゲーム制作に大切な精神を貫く姿勢を見せた。

吉田氏は「今日会場にある『Thumper』というリズムアクションゲームは、曲に合わせるのではなく、プレイが上手くいくとひとつの曲になっていってスゴかったですよ。これPS VRで遊べますのでよろしくお願いします(笑)」と、しっかりアピール。

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▲『Thumper』は、強烈なスピードで障害物を避けながら駆け下るVRゲーム。操作と音楽がシンクロするリズムアクション要素もある。

『ビブリボン』のVRゲームとか!?

『古杣』は3人という少人数での開発だったが、吉田氏はインディーズゲームに対して、「大手が規模の大きいゲームしか作らない中で、大手がやらなくなったことを拾ってできるのがインディーデベロッパーの楽しいところ」とコメント。さらに「VRゲームは少人数でもインパクトのあるゲームが“いまなら”作れる。これは何十年に1度あるかないかの絶好のチャンス」とインディーズゲーム開発者にアドバイス。

松浦氏の制作した『ビブリボン』を英語で略すと『VR(Vib-Ribbon)』になることから、松浦氏にも勧めたところ「やってみたい気持ちはある。当時のスタッフとはいまでもつながりがあるし、そういう話題も出る」と、『ビブリボン』新作の可能性もゼロではないと取れるコメントを残した。

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▲『ビブリボン』は、音から生まれるピースに合わせてボタンを押す、1999年に登場したプレイステーションのリズムゲーム。白黒のシンプルな画面や音楽CDを入れ替えて遊ぶ仕組みが話題に。

トークセッションの最後は、松浦氏から「組織のコマにならないで自分たちのやりたいことを大切に。20年後にその作品が(ユーザーの心に)残っているかどうか、というような気持ちを持ちながら、ユニークなアイデアを形にして、世界に発信し勝負してください」と、インディーズゲーム開発者へ向けたメッセージで締めくくられた。

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