『Ingress』がフリマアプリ大手“メルカリ”と提携してグッズの公認販売を開始

2016-06-13 14:00 投稿

クリエイターの創作活動を応援する新しいカタチ

オンライン位置情報ゲーム『Ingress(イングレス)』を開発、運営するナイアンティック社(以下、NIA)が、日本最大のフリマアプリを提供するメルカリと手を組んだ。

前提として、『Ingress』ではこれまで多くのユーザーがいわゆる“二次創作”物となる多くのグッズを制作、販売していた背景があった。今回の提携で、グッズの販売をNIAが公式に認め、より安心して購入できるプラットフォームを作り、利用できるサービスを行うというのだ。

これに合わせて、NIA&メルカリがクリエイターを交えた座談会を開催。

その様子を『Ingress』エージェントでもあるライターの深津庵(イラストレーターのあしたづひむはカメラマンとして参加)がリポートするぞ!

公認であるホワイトな関係性を目指す

NIAはこれまでコミュニティ内での頒布を許諾、二次創作に対しても応援してきた一方で、販売に対しては一線を引いてきた。その理由のひとつにボーダーラインの引きかたが曖昧だった点を挙げたのは、アジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏。

なんでも売っていいとは言えないが、コミュニティ内なら原価での頒布をOKするというスタンスを取るのが限界だったことを明かした。
そうした問題を解決、みんなが安心、安全な環境で二次創作物を販売、購入できる方法を考えた結果、今回の提携に繋がったのだと続けた。

 
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また、アジア統括本部長である川島優志氏は、みなさんが持つクリエイティブなスキルをどのように発揮してもらうかという点において、これまで多くの課題があったとを説明。

 
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▲当日の発表会は国内時間19時半からスタート。クリエイターのみなさんは仕事上がりで参加。海外にいる川島氏は真夜中からチャットということで、おつかれさまです&おはようございます!

これまで、グッズを販売して対価が発生した場合、本当にお金を取っていいものなのか、具体的言えば『Ingress』のロゴを使っていいのか、クリエイターが心配してしまう部分が多く、NIAとしても曖昧な答えしか出せずにいた。そうしたグレーな部分をホワイトにするための試みが、今回のサービスに繋がったと川島氏。

また、ヤマト運輸と連携して提供している“らくらくメルカリ便”を利用すれば、双方個人情報を明かさずに商品を出品&購入が可能になり、万が一、配送中に事故があった場合もメルカリが補償してくれるので安心だと説明した。

 
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▲『Ingress』グッズを何度か購入した経験もあり、通販大好きでもある著者にとってはありがたい試みだと感じた。

 

気楽にできる売買&ユーザー間の交流

メルカリの広報を務める中澤理香氏によれば、同サービスにおける出品時のメリットはとにかく簡単であること。アプリを起動してスマホのカメラで商品を撮影、説明文を書くだけなので3分程度で完了する点にあるという。

 
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▲みんなも1度は観たことがあるであろう渡辺直美さん出演のCMをみんなで観賞。映画が始まる前のCM広告を観ているようで、なんだかワクワクしちゃった。

 

川島氏の説明にもあった通り、お互いコミュニケーションが取りやすいため、たとえば「写真では赤に見えるけど実際はどうですか?」とか、「何度くらい使用しました?」と、気楽に問い合わせたり値引き交渉をするなど、フリーマーケットのような感覚で直接本人と交渉できる点も大きな魅力だという。

この日は実際に商品を撮影、出品するまでを中澤氏が実演。
CMでは簡単、お手軽と言っているけど本当か? と疑っていた著者だけど、驚くほどスピーディーにすべての工程を終えることができて驚いた。

 
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▲実演中の中澤氏、その様子を食い入るように見入るクリエイターのみなさん。もし手間取るとすれば、商品の説明文にこだわって試行錯誤したときくらいかもしれないね。

 

気になる仕組みを聞いてみた!

これまで原価同等で売っていて儲けになっていなかったクリエイターも多かったが、メルカリを利用することでライセンス料は発生するけど、売値をしっかり設定して販売できる。これが新たな創作のモチベーションにもつながっていくだろうと須賀氏は語る。

おもな仕様
●出品の最低額は300円、最高額は99万9999円
●カテゴリー[ハンドメイド]→[二次創作物]→『Ingress』で選択可能
手数料は20%(メルカリに10%、NIAに10%のライセンス料が発生)
●こうすることでNIAがグッズ販売を公式に認める仕組み
●ロゴ単体をそのまま使ったシールなど、創造的でないものは削除の対象になることも
●海外への発送は現在未対応(現在思案中)
●商品は1品単位で個別に出品
●現物が前提なので予約販売はできない
●アカウント登録には携帯電話の番号認証が必要
●発送方法は普通郵便やゆうパックなど幅広く選べるが、“らくらくメルカリ便”(ファミリーマートで発送可能)がメルカリ側からのおすすめ
●売上はアプリ上に蓄積(銀行に振り込んだり、メルカリ上でそのまま利用もできる)

 

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▲従来の頒布会は今後も問題なく続けることができると須賀氏。また、権利関係で悩む会社や扱いに苦しむクリエイターは多いが、これまで『Ingress』はクリエイターを交えて前進してきた実績もある。今回のサービスを使いながら、みんなで正しいものに整えていけると、川島氏は期待を見せてくれた。

 

そして話題はいわゆる通報に関する件へ。
メルカリでは、不適切だと思う商品にフラッグをつけて運営に伝える機能があり、悪意を持ってやられてしまったらどうするのか?
これに対しては、NIAやメルカリもしっかりチェックを行い、二次創作物だと判断できる商品であれば削除を取り下げると回答。

また、メルカリでは自社のガイドラインに違反する出品がないかを24間監視。それとは別に通報があったものに対する監視も行っていると中澤氏は説明。フラッグの数が多いものはしっかり確認、カスタマーサポートに約150人が24時間対応しているので、不当に商品が削除された、などのトラブルの場合には、アプリの“お問い合わせ”からいつでも連絡をしてもらいたいという。

 
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▲メルカリ全体の半分以上がカスタマーサポートに注力しているらしいぞ。

 

メルカリさんに要望

『Ingress』はワールドワイドなゲームであり、国内のクリエイターが手掛けるグッズを求める海外の方も多い。
今回参加したクリエイターの中にも、そうした声に応えて発送してきた経験を持つ方が多数いたのだけど、メルカリは国内のみ展開という現状を知り、対応を求める声が多く上がった。

また、これは著者の意見だが、カテゴリーから『Ingress』を偶然見つけたユーザーがいた場合、『Ingress』がどんなものなのか理解できないはずだ。なぜ二次創作なのか、その大元である『Ingress』を説明する簡単な項目があれば、本作を知ってもらうきっかけにもなり、メルカリっておもしろいことやってるな、と興味を持ってもらえるんじゃないかと感じた。

今後、このサービスがどう盛り上がっていくのか。グッズ大好きな著者はこの対談中にこっそりメルカリアプリをダウンロードしたので、いまからどんな商品がラインナップに上がってくるのかワクワクしています!

 
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今回集まったのは8人のクリエイター
パーカーやネックストラップなど身に着けるもの制作するかた、奥さんがグッズを制作して旦那さんが攻略サイトを運営するご夫婦(当日は旦那さんが参加)。純国産の素材で手ぬぐいを制作する方や、工業デザイン業のスキルを活かして実用的なものを手掛ける方のほか、趣味の写真をベースにカレンダーやステッカーを制作する方、作っては赤字を出して奥さんに怒られ中だと語るちょっと心配になっちゃう男性や、NIAのCEOジョン・ハンケ氏も大のお気に入りである半分以上公認と言ってもいい美しい絵を描くイラストレーターも参加した。

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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Ingress(イングレス)

ジャンル
オンライン位置情報ゲーム
メーカー
Niantic, Inc.
配信日
配信中
価格
無料(ゲーム内課金あり)
対応機種
iOS/Android

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