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『Ingress』や『Pokémon GO』を手掛けるナイアンティックが考えるARの未来と今後の歩み

2016-10-04 18:34 更新

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ナイアンティックが考える拡張現実の可能性に迫る

スマートフォン向け拡張現実技術を利用したオンライン位置情報ゲーム『Ingress(イングレス)』。そして、その技術を基盤に開発が行われ、ついにフィールドテストが始まった『Pokémon GO』。

両タイトルを開発、運営するナイアンティック(以下、NIA)は、2016年2月にフジテレビなどから500万ドルの追加資金を調達したことを発表するなど、何かと話題に挙がっている。

今回は、同社のアジア統括本部長である川島優志氏、並びにアジア統括マーケティングマネージャーの須賀健人氏を直撃する機会に恵まれた。

そこで、“今後のNIAがどんな道を進もうとしているのか”、また、『Ingress』を通じて学んだことを川島氏に、フィールドテストが進む『Pokémon GO』の現状について、須賀氏に聞いた。

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▲川島優志氏(左)、須賀健人氏(右)。

NIAが考えるARの未来

──“サウスバイサウスウェスト”(毎年3月にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで行なわれる音楽や映画などを組み合わせた大規模イベント)では、CEOジョン・ハンケ氏によるARと未来に関するプレゼンテーションもありました。いまNIAはどんなことを考えているのでしょう。

川島 我々はいま、拡張現実が社会にもたらすであろう変革力にとても注目しています。なかでもVRはエキサイティングであり、没入感もすごいものがありますよね。ただ、VRはおもに座って行うもので、周囲が見えにくくなりやすい状況にあるだろうと考えています。

──閉鎖的な環境に陥りやすいと危惧する声もありますよね。

川島 健康にはよくないと知りながらも、座っている時間が増している。これは、テクノロジーの進化が外出する機会の低下をもたらした結果ですが、そうした現状でいかに人々を動かし、屋外に出てもらうか。これもテクノロジーで解決できるのでは、と考えているのです。

──それがNIAの原動力でありAR、『Ingress』なのですね。

川島 そうですね。ハンケは、「ARとVRはいとこのようなものだ」と、よく言っています。ただ、VRは現実をよりおもしろいものに置き換えるもの。一方、ARは人々との交流を含めた現実世界を強めていくもの。同じように見えますが、方向性に本質的な違いがあるんですね。

──市場で比較した場合も大きな違いが?

川島 はい。たとえば、2020年の収益予想で比べると、VRは3兆円、ARは14兆円になるだろうとも言われているんです。

──新たなデバイスの登場も予想されますか?

川島 VR同様、ARも特定のハードウェアとセットで語られることが多く、AppleWatchやFitbitのようなリストバンドタイプ、Bluetoothタイプのイヤホンなど、拡張現実のひとつの形となるデバイスが登場しています。今後も新たなデバイスが開発されるというよりは、いますでにあるものが進化していくものだと我々は思っています。

──日々、カジュアルに持ち歩いているものがデバイスになると。これは、『Pokémon GO』にも採用されていますね。

川島 “Pokémon GO Plus(※)”ですね。拡張現実を感じてもらいながら、ユーザーに恩恵を提供するというスタイルは、我々の定義であり提案なんです。

(※)スマホ画面を見続けなくても『Pokémon GO』を遊べるデバイス。スマホと連携して、ゲーム情報をランプや振動で告知する。

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──たとえば、日常的に使われているナビアプリなんかもARですよね。

川島 そうなんです。そうした“パーソナルナビゲーション”こそ、ARの未来を握っているんです。いまだと、「今日はどこに行こう」、「何かおいしいものはないかな?」、そんな悩みもGoogle Mapや飲食系の検索エンジンが基本的な答えを与えてくれますよね。これらがさらに進化すれば、いまよりも少しおもしろい世界になっていくんじゃないか。それがARにできることだと考えていて、我々はそうした方向に進化を続けています。

『Field Trip』から学んだもの

川島 NIAがこれまで手掛けてきたアプリの中に、『Field Trip(フィールド トリップ)』というタイトルがあります。これは何か特定の場所を訪れると、そこに関する情報をスマホに自動プッシュするものですが、本作を通じて大きな課題が浮き彫りになりました。それが、前触れなしの音声案内についてです。いつユーザーに呼びかけるべきなのかは、繊細な状況の理解が求められ、通知機能に関しても邪魔をしない情報伝達がなされていませんでした。

──それが、『Ingress』の攻撃通知などにつながったと。

川島 正しいコンテンツが正しい状況でなされる。摩擦のない情報伝達が実現すれば、それは本当に魔法のように感じられるわけです。『Ingress』はそうした経験、学びを活かして生まれたもので、おかげさまで1450万ダウンロードを達成することができました。

[余談]シアトル在住80歳の現役エージェントの話

今回のインタビュー中、2014年の段階でA16に達した80歳のお婆ちゃんの話を聞いた。

彼女は糖尿病や腰のケガをきっかけに動けなくなり、その様子を見た息子が「リハビリを兼ねて『Ingress』をやってみないか」と提案。彼のサポートを受けて外に出るようになった結果、彼女自身の移動距離が1500kmを越えたのだとか。さらに、若いエージェントたちにアップルパイを焼いたり、エージェント同士の衝突をあいだに入ってなだめる役までをしているのだという。

テクノロジーがこうした方向へ活かされていく。これこそが、NIAが目指している未来のカタチだと感じた瞬間だった。

『Pokémon GO』を実機で拝見!

そして、当然話題に挙がったのが、NIA、任天堂、ポケモンが共同開発を進める『Pokémon GO』について。こちらは実機を使って須賀氏がプレゼンをしてくれた。

要点をまとめると、

・ポケモンは1匹ゲットして終わるのではなく、“進化”するポケモンもいるため、そのようなポケモンをたくさん捕まえることで、1匹を進化させることができる。
・たとえば湖や海の近くではみずタイプのポケモンに出会うことができるなど、『Pokémon GO』では、その場所にふさわしい野生のポケモンたちを捕まえることができる。
・ポケモントレーナーとしてのレベルが上がると、プレイヤーは3種類あるチームのどれか1つに参加するように要請される。そして、マップ上に現れた“ジム”へ所属できるようになり、同じチームのプレイヤーと協力しながらのバトルを楽しむことができる。

これらに関しては下記の記事でも紹介している。

『Pokémon GO』の新情報公開!ポケモンの捕まえ方、ジムバトルなどが明らかに

『Ingress』とは違ったカタチで現実世界とARを楽しめる『Pokémon GO』。それだけの手応えを感じているようで、そのひとつの可能性がインタビュー中でも挙がったスマホと連動するPokémon GO Plusにあると川島氏は言う。

◆イメージ

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「岩田さんといっしょに発表したかった」 ポケモン石原社長が『Pokémon GO』発表会に込めた想い

現在、Android端末を中心にフィールドテストが進む『Pokémon GO』については、正式リリースの日程が気になるところだが、プレゼンの内容や川島氏、須賀氏の表情からその日が近いことを感じ取ることができたぞ。

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▼気になるこちらも聞きました
※『Ingress』は今後どうなるの? あのおふたりに聞いてみた!!

インタビュー/深津庵、あしたづひむ
※深津庵のTwitterはこちら

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ジャンルその他
メーカーナイアンティック
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