
【Unite 2016 Tokyo】VRに強いUnity!10年後はVR世界でVRゲームが作れる!?
2016-04-04 23:22 投稿
VR開発が辿る未来とは?
東京お台場で開催されている、Unityの開発者向けカンファレンスUnite 2016 Tokyo。ここでは、その初日最後の講演であった”VR分野でのUnity総括”というセッションのレポートをお届けしていこう。
講演を行ってくれたのは、幅広い分野で活躍を続ける、Unity TechnologiesのCorey Johnson氏。
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近年のUnityとVR関連の状況を総括しつつ、今後のVR開発が至るであろう将来の展望などを示してくれた。
当面の課題はVR酔い!?
講演でまず語られたのが「なぜ、VRコンテンツを作るのにUnityが最適なのか?」という話。
現在世界では、Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation VR等、これから市場で主流を争うことになるであろうVR機器が数多く開発されている。また、これら以外にもさまざまな用途に特化したGoogleのカードボードや、Samsung Gear VR、Microsoft HoloLensなども多数存在している。
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これらは、動作環境の違いから、それぞれが固有の開発環境を持っている状態だが、Unityはそのほとんどをサポートしているというのだ。そして、Unityでの開発は、これまでゲーム開発に携わってきた人たちが得てきた知識を、そのままVRに転用できるようにもなっているとのこと。
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ただし、知識を転用しての開発には、ひとつだけ大きな注意点があることもCorey氏は付け加えている。
「VR世界はこれまでのゲームと同じような仮想世界だが、体験するユーザーは、それをまるで現実世界のように感じることで没入するコンテンツだ。なので、世界を構築するときはスケールを現実世界と揃えなければならない。でないと、ゲームの世界で強い違和感を感じてしまい、没入感が大きく損なわれてしまう」
また、Corey氏はVRゲームを開発するにあたって、当面心配の種になるであろう”VR酔い”についても言及。
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以下は補足となるが、通常、人間は視界からの情報と、そのほかの感覚からの情報に差異があると、脳が混乱して酔いの状態に陥る。FPS酔いと呼ばれる現象は、これに起因するメジャーなものだ。VRでは、これまでの画面を通してのゲーム体験以上に没入感が高まるため、VR酔いはコンテンツ製作における大きなハードルになることが予測されていた。
本題に戻る。Corey氏は、この予測されるVR酔いに関しての打開策は、さまざまなメーカーがレポートとしてまとめ、ひとつの方法論が確立されつつあると述べている。たとえば「視界を動かすときは水平線を動かさないようにする」、「人間は一定速度で移動しているときは何も感じないが、慣性により加減速は感じるようにできているので、酔いの原因になる」、「重力という不変の方向性を持つ体感と矛盾する視覚情報はNG」などが挙げられた。
また、合わせてCorey氏は「私はクモが大嫌いだから、クモをVR世界に出さないようにすることも大事だね。VRヘッドセットを付けていても目は閉じられるけど、目を覆うという動作ができない。この差は意外に大きいんだよ」とおどける一面も見せてくれた。
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講演の最後は、今後Unityはどうなっていくべきかという話題で締めくくられた。その話題をざっと以下にまとめよう。
「Unityには、Lab teamという”Unityが5年後、10年度には何をしているだろうか”というのを考えるチームが存在している。そして、彼らがいま第一に検討しているのがVRについてだ。
VR世界を構築するとき、当たり前だがそこには大きなオブジェクトも小さなオブジェクトも配置されることになる。しかし、小さなオブジェクトというのは間違えて配置されても気付かれにくい。そこで、いまVR世界内でVR世界を編集するような実験も行っている。
具体的には、開発者自身がVRヘッドセットを付けて制作中のVR世界にダイブ。そして、その中で人の手のような働きをするマニピュレーターを用いて、任意のオブジェクトを自由に動かすといった技術の実験。もちろん、開発者はその世界の中を移動することができるし、作り途中の世界を鳥瞰図としてシンプルに把握できるようにもなっている。
このように、我々は”どうやったらみんなが開発しやすくなるのか”というのを考えて行動しているので、ぜひ応援してほしい」
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