DeNA×gloopsがブラウザゲームに見せる本気! 新作RPG『ラプラスリンク』もチラ見せ
2015-10-30 21:57 投稿
「誰かが新しい道を切り開かなければならない。」
10月29日、DeNAとgloopsによる合同セミナー“ブラウザゲームの革新 ~先進技術とマルチデバイス展開~”が東京都内で開催された。本セミナーは先進的なブラウザゲームを提供するプラットフォームNext Browser Platform(NBPF)をテーマに、なぜ今ブラウザゲームなのか、そこでどういったものが作られていくかが報告された。
今回のセミナーに関して、ディー・エヌ・エー オープンプラットフォーム事業本部 ビジネス開発部部長の風早亮氏は「NBPFは、よりリッチなソーシャルゲームを、より多くのユーザーに、より快適な環境で楽しんでもらおうと開発しているブラウザゲームのプラットフォームだ。ユーザーはゲームがおもしろければ、それがブラウザかネイティブは気にしない。より多くのユーザーにも楽しんでもらうために、ブラウザゲームにも力を入れ、スマートフォンのブラウザ、ネイティブでも、PCのブラウザでも同じ体験ができるようにNBPFを運用していきたい。そのために必要とあるならば、DeNAはNBPFを通じてエンジニアや技術のサポートも行っていくつもりだ」とNBPFに対する期待を語った。
なぜ今ブラウザゲームなのか?
続けてgloops Webアプリケーション部 プロデューサーの上田朋宏氏が“なぜ今ブラウザゲームを作るのか”という疑問に関して詳細に語ってくれた。
“なぜブラウザゲームか”を語る前に、上田氏は現在のモバイルゲーム市場動向と、そこから予測される将来を語った。
「現在、スマートフォンのネイティブアプリ市場は競合ひしめく極度のレッドオーシャン状態。また、コンテンツのリッチ化が当たり前になってきて開発費は増加傾向にあり、その開発費を回収するために、ビジネス的な失敗は絶対に許されなくなってしまっている。そのため、過去に成功したスキームの再利用が加速し、似通ったコンテンツの増加という現象が起きている。この状態が続くと、IPやシリーズといった形でのコンテンツ消費が始まってしまい、コンテンツの多様性が失われてしまうだろう。」と現状のネイティブアプリ市場に警鐘を鳴らす。
スマートフォン黎明期、アプリバブルの時代は「スマートフォンコンテンツは安価に、短期に作れて、なおかつ儲かる」というお触れによって生まれた節があ る。上田氏は、その時代からコンテンツのあり方がシフトしたことについて言及。このあり方の変容の背景には、ユーザーの目が肥えてきたことや、ハードウェ アの進化により、コンテンツの内容だけではなく見た目でも競争しなくてはならなくなったことなどが考えられる。
「誰かが新しい道を切り開かなければならない。」
そう力強く語る上田氏がもっとも可能性を感じるのがブラウザゲーム。モバイルゲーム市場で占める割合は25%ほどだが、最近はその売り上げの下げ幅もかなり鈍化してきているという。「面白いコンテンツであれば、ブラウザであろうがネイティブであろうがお客様には支持していただけるし、そこには十分にビジネスチャンスが用意されていると考えられる。幸い、私たちはこれまでにたくさんのブラウザゲームを開発・運用してきており、ノウハウを蓄えている。」と、ブラウザゲームへ取り組む理由を説明した。
ブラウザゲームの市場規模が一定値をキープしている背景には、ブラウザゲームの表現力が豊かになっていることが起因しているようだ。これに関しては風早氏 も「ブラウザゲームは、HTML5の技術進化に伴って、これまでには実現できなかった表現ができるようになっている。『グランブルーファンタジー』を見て も分かっていただけると思うが、ブラウザでもネイティブに似た表現ができるようになっている」と述べている。
一時期は、そのアプリがブラウザベースかネイティブかというところもコンテンツの判断基準になっていたことがあるが、最近はどうやらそれも払拭されてきているようだ。
上田氏は最後に「より多くのお客様により長い時間楽しんでいただくために、今後はPCでのブラウザゲームにも本気で取り組んでいくつもりだ」と述べており、DeNAは「外ではスマートフォン、家ではPC」という遊びのスタンスが確立されたと推測していることが窺える。
その後、開発技術に関するレポートを挟み、実際に開発中のタイトルを用いてどれだけブラウザゲームの表現力が向上したのかが報告された。ここで報告に用いられたタイトルはgloopsがNBPFを使ってDeNAからのサポートを受けながら開発している王道RPG『LAPLACE LINK(ラプラスリンク)』。
※PCとスマホで遊べる? gloops新作タイトル『LAPLACE LINK』のティザーサイト&ムービー公開
このゲームは、世界観への没入度を上げるために、これまでのブラウザゲームにはない仕組みを取り入れているという。そのひとつが、リスト型メニューからの脱却。従来のブラウザゲーム、またはブラウザベースで開発されたアプリのほとんどは、クエストを開始するのにリストから任意のものを選択するという形式が採用されていた。しかし、これでは世界観への没入感が薄れるということで、本作はその仕組みを採用していない。ステージの中にいるキャラクターをタップしてクエストを受注するように作られているという。
この手法はブラウザベースのものではかなり希有。それが実現へと至ったのにはHTML5の技術革新やDeNAの開発力が大きく影響しているのだろう。それを証明するように、デモとして公開されたゲーム中では、システマチックなUIがほとんど登場せず、まるでネイティブアプリのような挙動をしていたり、また別のデモではフレキシブルなアクション性のあるマルチプレイでのバトルが展開されていた。ちなみに、こちらのバトルシステムでは“お互いの息づかいを感じられるものを目指した”という。公開不可なので画像などはお見せできないが、強大なボス相手に、リアルタイムで連携を取って戦う様子が確認できており、お互いの動きを見つつ戦うという、息づかいを感じるバトルは実現しているように感じられた。
また、gloopsが開発中には、動作が重かったり、通信が遅かったりといった問題もあったようだが、現在はそれもDeNAと協力することで解決。ここでもまた、DeNAの技術力の高さを裏付けられるものが明らかとなった。NBPFはブラウザゲーム開発において発生するであろう諸問題を解決する力を持った強力なプラットフォームとして、今後大きな活躍を見せてくれるかもしれない。
なお、今回紹介に扱われたタイトル『LAPLACE LINK』は、11月4日にはニコニコ生放送を行い、そこで何か大きな動きを見せる予定だという。
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