プロデューサーが語る『Hearthstone(ハースストーン)』日本語版への想い

2015-10-06 19:52 投稿

待望の日本語版への期待

2015年10月3日、ファン待望の日本語版サービスの開始が発表された大人気オンラインTCG(トレーディングカードゲーム)『Hearthstone(以下、ハースストーン)』。本作はオンラインに特化したカードゲームで、1試合15分程度で終わるカジュアルさの中にも、高度な戦略性を要求される。スポーツ感覚で楽しむことができ、いつでも世界中のプレーヤーと戦えるので人気の作品だ。

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▲先日イベントで公開された日本語版。

今回ファミ通Appでは、本作の開発元であるブリザード・エンターテイメントのエグゼクティブプロデューサー、Hamilton Chu氏に話を伺うことができた。

⇒日本語対応も発表された『Hearthstone(ハースストーン)』スペシャルイベントリポート
⇒大人気オンラインTCG『Hearthstone(ハースストーン)』の日本語版がやってくる!

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▲エグゼクティブプロデューサーのHamilton Chu氏

日本語版への想い

―先日日本語版のサービス開始について発表されたばかりですが、ローカライズを決めたキッカケは何だったんでしょうか?

Hamilton Chu氏(以下、Hamilton)  長い間日本に向けたローカライズの重要性は感じていました。我々にとって日本は重要なコミュニティですし、一刻も早く日本語対応したいとは以前からずっと思っていたんです。ワールドチャンピオンシップに日本人選手の参加も決まったことも後押しとなりました。

―現在英語版で楽しんでいるユーザーさんも多いですからね。日本はトレーディングカードゲームの人口が多いと思いますが、それも関わっていたのでしょうか?

Hamilton 必ずしもそういうわけではありません。日本には、すでに『ハースストーン』のたくさんの熱心なプレイヤーがいらっしゃるので、単純に“私たちのゲームの良さをもっとお伝えしたかった”という部分が大きいです。私自身日本のゲームやアニメにもたずさわってきて、日本のユーザーからは(ゲーム作りについて)もっと色々なことを学ばせてもらえると思っています。『ハースストーン』の日本語版を配信することによって、より多くの日本の方に本作を体験していただき、さらにゲームを盛り上げていきたいですね。

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―では、今回の日本でのローカライズで苦労したことはありますか?

Hamilton これは各国でローカライズするときの共通の課題ですが、各国の言語、文化を理解しながら『ハースストーン』の持ち味を損なわないようにするということは難しい問題です。直訳してしまうと、カードの中にあるジョークなどニュアンスも伝わらなくなってしまうので、そういう部分を特に注意してローカライズをしています。

―確かにそのまま訳しても違和感があることもありますよね。各キャラクターを担当するボイスキャストを選ばれた基準などはありますか?

Hamilton 素晴らしい声優であるということはもちろんですが、キャラクターの個性や特徴などとちゃんとあてはまるだろうか、演じ切ることができるだろうかという部分を基準に選びました。

―記者もよく聞く声優さんが多くてうれしい限りです。今回日本語版ということですが、これは日本サーバーが新しく増えるというわけでなく、日本語に対応するということなのでしょうか?

Hamilton おっしゃる通りです。今遊んでいるサーバーはそのままで、日本語の言語を選ぶことができるので、今までの内容がリセットされることはありません。今持っているカードがそのまま使えます。

―それは安心しました(笑) 。ところで本国では大会などが盛んにおこなわれていますが、今後日本人のプレイヤーは大会で上位に上がってくると思いますか?

Hamilton いい選手が出てくるのは間違いないですね。日本人のKnoさん(※)も活躍していますし。これからもっと多くの日本人選手が登場すると思います。

※Kno氏は先日開催された2015年のアジア太平洋予選に日本代表として参加。準優勝をおさめた。

日本での大会もある?

―日本語対応が行われるにあたって、今後日本での大規模な大会やイベントなどは予定されていますか?

Hamilton もちろん考えています。今までは日本語版がないということで大きなイベントを開催できませんでしたが、今回の日本語版のリリースに伴い、もっと大きなイベントを開催していきたいと思っています。また公式なイベントだけではなく、日本のコミュニティの方が主導となってイベントを開催して頂いたり、動画などでももっと盛り上げていってもらえたらありがたいです。『ハースストーン』は他のユーザーと交流できることが楽しみのひとつだと思いますので、もっとそういう機会を増やしていきたいです。

―まさにユーザーとの交流は、オンラインTCGというネットワーク上での活動が多いゲームには欠かせない存在だと思います。YouTubeやTwitchなどユーザーによる動画や生放送も盛んに行われていますが、こういったユーザーによる盛り上げなどについてはどうお考えでしょうか?

Hamilton 私も動画をよく見るのですが、単純にもおもしろい、楽しいというだけでなく、ゲームを作る上でも参考になります。わざわざこのように動画をあげてもらえるということは、ゲームに対しての熱い思い入れがないとできないことだと思うので、作り手として非常にうれしいですね。

―ユーザーが増えれば、今後そういった動きもより活発になっていくと思います。スマホ版が2015年4月にリリースされましたが、反響はいかがでしょうか?

Hamilton PCでゲームをしないという方には、スマホ版が出たことによって『ハースストーン』を知っていただくいい機会になりましたし、すでにPCやタブレットでプレイしてきた人には、スマホ版をリリースしたことでデバイスの選択の柔軟性を提供でき、非常によい結果に繋がりました。

新シリーズについて

―記者もまさにスマホ版リリースから始めました。さて、ここからは少し濃い話になりますが、先日新シリーズ“The Grand Tournament(以下TGT)”が追加されたばかりです。手応えはいかがでしょうか?

Hamilton とても楽しんで頂けていると思います。ユニークなカードも登場していますし、ドラゴンプリーストやシークレットパラディンなどが登場し、様々なデッキ構築の可能性が増えたと思います。

―記者もシークレットパラディンを愛用しています。ドラゴンプリーストでは“トワイライトガーディアン”がめちゃくちゃ固いですね(笑)。今までドラゴンのカードはあまりなかったように思いますが、今回TGTでかなり増えましたね。

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Hamilton トワイライトガーディアンは確かに強いのですが、限られた条件でしか強さを発揮できないのでバランスは取れていると思います(笑)。『ハースストーン』ではクレイジーなくらい強いカードがあると感じる時があるかもしれませんが、全体の勝率を見てみると意外とそうでもないんです。そこが面白いところですね。

―それでは最後に日本の『ハースストーン』ファンに向けて、メッセージをお願いします。

Hamilton これまで言葉の壁があるにも関わらず、熱心にプレイしただいて本当にうれしく思います。日本語版でお友達を誘って、ぜひ一緒に楽しんでもらいたいです。また日本版リリースに伴い、日本人スタッフによる日本語フォーラムも立ち上げますので、不具合や感想を気軽に投げかけてください。

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さあ、はじめよう

日本人にとって英語という言葉の壁が高いことを理解しているHamilton氏は、これまでプレイしてくれた日本のユーザーに向けて何度も感謝の意を表していた。

今回のインタビューで日本語版サービスの開始は、日本のファンだけではなく、ブリザード社にとっても待望されていたこと。日本語フォーラムも立ち上げるということで、今後益々熱いバトルがくり広げられることは間違いなし。日本語版リリースを機に、ぜひ友達を誘って『ハースストーン』の輪を広げていってほしい。

ファミ通App編集部によるプレイ動画

Hearthstone: Heroes of Warcraft

メーカー
Blizzard Entertainment, Inc.
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS Android

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