【TGS2015】App Annieが見る日本のゲームアプリ市場の変化とは?

2015-09-20 16:15 投稿

日本と世界の違いなどについても語られた

幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2015。本イベントのビジネスデーに出展したApp Annieが“日本ゲームアプリ市場の変化”という題材のセミナーを開催した。

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以下、App AnnieのBusiness Development Manager 上村洋範氏(以下、上村氏)のセミナーで語られた内容に関してリポートしていく。

まずは会社紹介

まず初めに、App Annieという会社がどのような事業を行っている会社なのか?という点の紹介がなされた。

サンフランシスコに本社を持ち、法人向けにアプリの市場データやアプリ内の利用状況データ、デモグラフィックデータと分析ツールをパブリッシャーに向けて提供を行っている。各ストアのアプリランキングトップ100に連なるパブリッシャーの94%がApp Annieと関わりがあるとのこと。

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※App Annie 公式サイトはこちら

日本と世界のゲームアプリ市場規模ってどんな感じ?

会社に関する説明が終わった後は、いよいよ本題。App Annieが調査した日本と世界におけるゲームアプリ市場規模についての話が始まった。

最初は、ここ1年間(2014年7月~2015年7月)で変化した日本市場のゲームアプリDL数および収益に関して。

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・App StoreおよびGoogle Playともに去年と比較しても減少傾向となっている。
・収益に関しては、App Store側が約40%増という結果に。Google Playは横ばいに近い結果が表れている。
・アプリ内課金のマネタイズがこの1年でゲームビジネスモデルの主流になりつつある。



次に国別のゲームアプリDL数トップ10について紹介がなされた。

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・App Storeに関しては、米国・中国が全体の40%を占める形となっている。
・注目は世界第2位のブラジル。この1年でGoogle PlayでのゲームDL数が急激な成長を見せており、海外進出する場合は視野に入れるべき国のひとつになりえる。

データは変わり、国別の収益を以下のように発表。

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・日本がApp Store、Google Play両方において高い収益をたたきだし、世界1位の収益を誇る。
・2位の米国はApp Storeでは日本を上回る。また、Google Playでの収益は70%を日本・米国・韓国の3つの国で構成されている
・ゲームアプリ市場の収益はトップ10を見るかぎり、アジア太平洋地域の存在感が大きいため、海外勢がこぞって参入したがっている。

上記ふたつのデータから……。

・日本、米国では2種のストア用にアプリをローンチすることが大事。
・韓国ではGoogle Playに重きを置いてゲームアプリ開発を進めたほうが収益につながる。



次はiOS端末(iPhone、iPad)に絞った場合のDL数、収益についての話へ。

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・日本以外の国のiPadユーザーのDL数がその国の総DL数の20%を占めている。
・日本国内のiPadユーザーのDL数は10%未満。

続いてiOS端末に絞った収益について。

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・アメリカと日本がiPhoneで僅差の中、アメリカのiPad収益がほかの国に圧倒的差をつけている。数字にするとトップ10のiPad収益の45%を占めている。
・この収益のカギとなるのは、iPadの大画面で楽しめるPvP(『クラッシュオブクラン』)モノ、カジノゲームといった作品である。

上記ふたつのデータから得られる見解として以下のように解説。

・海外進出時には、iPadでアプリをプレイできる環境も整えたほうがいい。おろそかにするとユーザー獲得のチャンスおよび収益を逃す可能性あり。



最後にAndroidで見るアクティブユーザーのゲーム利用時間について以下のデータが表示された。

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これを見る限り、Androidスマートフォンでのゲームプレイヤーは、日本・韓国が米国の約4倍という数値を示しており、Androidスマートフォン利用者がアジアに集中している様子が伺えるとともに、アメリカは収益が伸びていることからも、短時間プレイ時に多めの課金を行っている。もしくは、アメリカの人口の多さが平均時間というのをしたためていると考えられる。

なお、アクティブの多いタイトルとしてあげられたのは以下のタイトル。

日本:『ディズニーツムツム』
米国:『キャンディークラッシュ』、『クラッシュオブクラン』

日本、米国以外の国も『キャンディークラッシュ』、『クラッシュオブクラン』の人気は絶大。そのほか注目すべきは、各国のランキングにインするタイトル。この点に関しては、それぞれの国で製作されたアプリという傾向に至っている。

以上となっている。これらのデータからいまの市場の動きや日本市場での変化などを知り、今後に生かしていただければと思う。

解説者の考える今後の傾向

ここから先はセミナーの解説者でもある上村氏が、いままで市場を見てきたうえで以下のような見解を語られてセミナーは終了となった。

日本市場でのアプリランキングのトップ10は、去年と比べて半分変化している。この調子でいくと来年もトップ10は同じような変化に至る可能性が高い。

また、収益を得ている国内ストアのアプリトップ100の中から1年間100以内に生き残ったアプリはトップ10と似ており、半分近くとなっている。しかし、中国ではより競争が激しく、7割近くのアプリがトップ100から退いている。中国の市場で生き残るのは、日本市場で戦うよりも難しい模様。

ちなみに、日本市場トップ10のアプリはリリース日から逆算して、約2年間近くの月日をプレイヤーに遊んでもらっているというデータも出ている。長くプレイしてもらえるアプリに共通しているのは、各国の国産アプリが強力であるということ。とくにアジア圏は強力なタイトルが多く、海外組の進出を許していない。

そんなゲームアプリ市場でこれからチャンスがありそうなジャンル・どういった特徴を出していくとトップ100で生き残り続けられる確率が高まるかについて上村氏は、ジャンルとしては3Dアクション、特徴としては人気声優を起用したボイス実装。日本国内のアプリ市場ではこの2点に重きを置くことで、トップ100内をキープし続けられる可能性がある。

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※App Annie 公式サイトはこちら

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