【独占】元『ぷよクエ』Pと『クロノ・トリガー』シナリオライターがグリーで新作を製作中!?(後編)
2015-09-14 14:00 投稿
新作の片鱗を垣間見る
2015年9月11日に公開した記事でも話題となった、元『ぷよぷよ!!クエスト』(以下、『ぷよクエ』)プロデューサー・高 大輔氏と、『クロノ・』シリーズや『ゼノギアス』、『ファイナルファンタジーXI』といった数々の名作タイトルでシナリオを担当した加藤正人氏へのインタビュー。
今回は両氏が絶賛開発中だという新作タイトルの情報を、可能な限り聞いてきたのでお届けしよう!
――せっかく話題に挙がったので、噂の新作についてもう少し詳しくお話いただきたいです。詳細はTGS2015で発表されるとのことですが、ゲームタイトルなどもまだ秘密でしょうか?
高 大輔氏(以下、高) まだ秘密です。TGS2015のステージで発表しますよ。
――分かりました。では、せめて本作に込められたテーマを教えていただけますか?
高 先ほども軽くお話しましたが、“スマホでJRPGを作る”。それがメインテーマです。私たちが“JRPG”と表現するものは、昔のファミコンとかスーパーファミコンでよくあったRPGを指します。町があって、フィールドがあって、ダンジョンがあって、そして重厚で奥深いシナリオがある。それを”JRPG”と呼ぶのではないでしょうか。
――スマホでJRPGを再現する。そのために意識されたポイントはどこでしょうか?
高 まず最初に考えたのが「キャラを手に入れて、あとはステージ回せばいいんでしょ?」みたいな感覚は違うなと。「それって本当にRPGなの?」ってなるんです。やはり我々が昔やっていたJRPGというのは”冒険”をしていたんです。正直ここまで言うつもりではなかったんだけど(笑)
――ヒントをいただけるなら、こちらとしては嬉しい限りです(笑)。
高 ここまで話しちゃったので続けますが(笑)。やっぱり町があって、フィールドを歩いて、ダンジョンに入る。そして数々の仕掛けを突破して、ボスを倒して、帰ってきてまた強くなる。そうした要素がいまのゲームにはあまり見られないように感じていて。
――モバイルゲームだと、ホーム画面があって、そこでクエストを選択して、クエストに挑戦する。そうした仕組みがある種定型化はしてきていますね。
高 それぞれの町やフィールド、ダンジョンというものが完全に区切られていて、それが単なる画面のひとつになってしまっているというか。それを“冒険している”と言うのは、ちょっと違うと思うんです。
――それこそコンシューマーのRPGだったら、町から出たら山や平原があって、そこで敵と遭遇して、っていう形ですもんね。
高 それがいまは”クエストに入るボタン”を押したら終わりなんですよ。ロンダルキアへの洞窟(※)とかで落とし穴に落ちまくって、「ノートにマップ書かなきゃクリアーできないな……」っていう体験は、昨今のモバイルゲームではできないんですよ。しかも、コンシューマでもそういう方向を諦めているゲームが多くて。「私はそういうのを遊びたいんだけどなぁ」ってよく思います。
(※)『ドラゴンクエストII』に登場するダンジョンのひとつ。”シリーズ最難関のダンジョン”と言う人が出るほどの高難度ダンジョンで、道中には落とし穴や無限ループなどのギミックが多数存在する。
――マップを歩き回るような冒険。そうした”王道”を求めている人は多いと思います。
高 だから私は、自分と同じように王道のJRPGを求めている人に向けたゲームを作っています。
――ちなみに世界観はどういったものになりそうですか?
高 そりゃ王道のファンタジーですよ! だってJRPGを作るんですから! JRPGって王道じゃないですか。期待を裏切らない「あ、これがJRPGだよね」というものになっていますよ。
――これだけ”王道のJRPG”と言われると、所謂コンシューマーからモバイルへ移植された作品のように、バーチャルパッドとボタンが設置されている形を想像してしまいます。操作方法はどのようなものになるのでしょうか?
高 バーチャルパッド? そんなものはないでしょ!
――おっ(笑)。
高 バーチャルパッドがある作品はたしかに多いです。でもそれって“コンシューマーゲームを単にスマホに落とし込んだだけ”であって、“スマホの操作”じゃないんですよ。
――ということはスマートフォンならではの操作。つまりタップ、フリック、スワイプといったものがメインになってくる、と。
高 私は、コンシューマのゲームはコントローラーという操作デバイスによって成長したものだと思っています。その観点でスマートフォンを見てみると、ボタンもなければ十字キーもない。何もないわけですよ。
――おっしゃるとおりです。
高 その何もない中でゲームの操作感を表現するためには、画面をタップ、およびスワイプしていくしかない。コンシューマーではコントローラーで表現してきたことを、スマートフォンではスマートフォンの流儀に最適化しなければならないんです。そうでないとスマホゲームとしては受け入れられない。
――操作面はかなりこだわり抜いて作られたんですね。
高 3、4ヶ月ぐらい協議して、ベースとなるシステムを作りあげました。
加藤正人氏(以下、加藤) 本当に“コンシューマの移植”ではなく、“スマホ時代のRPG”っていう感じにはなっていますよ。
――完成度は2015年9月時点でどれぐらいですか?
高 いまの完成度は、どれくらいですかね……。基本システムはかなり出来ているので、システムだけで言うと70%ぐらいでしょうか。ただ、全然物量が足りない!(笑)。
加藤 (笑)。
――加藤さんが書き上げたという、A4用紙100枚ほどのシナリオがあったら、それだけで2年分の運営はできてしまいそうなイメージですが?
高 私の持論として、運用前提でローンチ時のボリュームを計算してしまうと、「途中で追加すればいい」っていう発想になりがちで一番最初に提供するものが圧倒的に少なくなる気がするんです。それこそ1日とか2日で終わっちゃうような量です。今回の作品では、その部分は改善したいなと思っていて。我々がかつてやっていたRPGというのは、それこそ1週間寝ずにやり続けて、ようやくクリアーできるものだったじゃないですか。
――ヒット作が出た直後なんかは、目の下にクマを作った連中で学校があふれかえっていましたもんね。
高 本当にそこまでいけるかどうかは分からないですが、それに近づけるぐらいの圧倒的なボリュームを最初から提供しようと思っています。だから、加藤がゴールデンウィークの短期間でA4用紙100枚分のシナリオを書いたときは驚きましたが、それでもまだまだ足りない。9割ぐらいできた段階で、ようやく運用のことを考えられると思っています。
――まずはひとつの完成形を作り上げて、それから先のことを考える感じですね。
高 ローンチの段階で徹底的なボリュームを用意する。いまはそれをコンセプトに頑張っています。
加藤 そうじゃないと怒られますからね(笑)。
――加藤さんが高さんに怒られるんですか?
加藤 はい(笑)。「話を中盤でいったん切って、そこでローンチしたらいいんじゃないの?」とか言うと、「いや、最後まで入れなきゃだめです」みたいな。
高 加藤もちょっとひよってて(笑)。「運用を考えて、区切り区切りにしましょう」っていう話をしてきたんですけど、突っ返しましたよ。それじゃあダメなんです。ある程度まで進めたところで「はい、次は1ヵ月後です」って言われても、そんなに待てないでじゃないですか。月刊少年誌じゃないんだから。
――モバイルゲームのユーザーは、”待つ”ことがとくに苦手ですからね。
高 いろんなゲームがリアルタイムで出てきている中で同じゲームをずっとやってもらうためには、とにかく最初から物量を用意するしかないんです。
――先ほど加藤さんのお話の中で「最後まで入れなきゃダメ」とありましたが、もしやエンディングまである作品になるのでしょうか?
高 エンディングはちゃんと作ります。ただ、ゲームがそこで完全に終わるわけではないです。もちろんその後のゲームもあるし、運用していく中でシナリオもどんどん追加していきます。
――ある程度進んだところで1回シナリオを終わらせて、新しい章へ進む。みたいなイメージですね。
高 そうですね。ただ、ふつうのモバイルゲームと違って、コンシューマー一本分ぐらいのシナリオは用意してあります。
――それはローンチ時からでしょうか?
高 ローンチ時からすべて提供する予定です。
加藤 えぇ!(笑)。
――加藤さんが若干苦笑いされてますけど(笑)。
加藤 いや、本当にものすごいボリュームなんですよ。いまやA4用紙100枚どころじゃなくて、300枚ぐらいになっていますから(笑)。
――それはすさまじいですね……。まだ詳しいゲームシステムまでお伺いできていませんが、イメージの断片だけでも相当な作品になっているような気がします。ちなみにTGS2015で正式発表されるとのことですが、そこではキャラクターイラストなども発表される予定ですか?
高 開発中のバージョンにはなると思いますが、ちょっとお見せできるかもしれません。
――それは嬉しいです。ゲーム画面はさすがに難しい様子でしょうか?
高 ゲーム画面は見せられないと思います。まだまだ作りかけなので……。
――でも、この記事を読んだ読者の多くが「見たい!」ってなると思いますよ。
高 『ぷよクエ』のプロデューサーをやっていたときの私のことをご存知の方ならお分かりいただけると思いますが、私はよくステージでハメを外すタイプなので……勢いに乗って出しちゃうかもしれません。
加藤 あとから怒られませんか?(笑)
高 昔は怒られることがあったんですが、いまは怒る人がいないので。
加藤 そうか、チームのトップですもんね(笑)。
高 すべて私が決定できるので、怒る人がいない(笑)。乗せられたら出しちゃいけない情報もポロっと出しちゃう気がします。
加藤 堂々と言ってますけど、なんだかカッコいいような、そうじゃないような(笑)
――来場者の多くが高さんを煽ったら、新しい情報が出てくるかもしれないということですね(笑)。
高 「お前らー!」とか言って、ライブのノリでやるかもしれないですね。
加藤 なので、ぜひ多くの方に会場に来て欲しいですね(笑)。
――ステージは何日目に実施予定となっているのでしょうか?
高 ビジネスデイの2015年9月17日(木)午後3時半からグリーブースで実施予定です。
――一般デイにはやられないのでしょうか?
高 一般デイではやらないです。その代わりにニコ生でも放送を予定していますので、コメントや来場されたメディアの方々が煽ったら……。
――何かが起こるかも、と(笑)
高 そのとおりです!
――ありがとうございます(笑)。それでは最後に、おひとりずつ読者に向けてメッセージをいただけますでしょうか?
加藤 毎回本気でやっているので、今回が特別本気でやっているというわけではありません。ですが、今回はスタッフひとりひとりがとてもいい雰囲気の状態でものづくりができていて、それがうまい具合いにまとまっています。僕自身すごくワクワクしているんです。”昔、自分たちがドキドキ、ワクワクした冒険のRPGを取り戻そう”っていう意気込みで一丸となって取り組んでいますので、ぜひご期待いただければと思います。
高 今回のプロジェクトは、社内で“KMSプロジェクト(仮)”と呼ばれいるのですが、この名前はこのプロジェクトへの私の意気込みから名づけました。“KMS”つまり“か(K)ま(M)す(S)”です。この作品で、僕らはスマートフォンRPGの世界に”かまし”てやります。強気なことを言っていますが、いまスマホRPGを遊んでいる人たちが抱えている「RPGってちょっと違うよな」という不満を打ち破るには、これくらいの意気込みでないとダメだと思っています。全力で取り組んでいますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――ローンチ後に実際に触ってみて「あ、これはかましてきたな」っていうのを、きっと多くのユーザーが感じてくれると思います!
高 我々の、かまし力を感じ取ってください!
加藤 かまし力(笑)。
――(笑)。本日はありがとうございました!
その芯には強い意思を感じる高氏の「かます」というコメント。まだゲームの全容こそ掴めない状況だが、もしかするとこの作品が業界を大きく変えるのかもしれない。
戦いの口火が切られる9月17日を、記者はイチファンとして心待ちにしたい。
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