『イングレス』の楽しさを世界規模のイベント “ペルセポリス”(仙台)を例に解説(後編)

2015-06-30 11:05 投稿

大規模リアルバトルの結果やいかに!?

前回から引き続き、2015年6月20日、宮城県仙台市を舞台に開催された、『Ingress』の大型イベント“ペルセポリス”の後半戦を、国内で当日参加した約4000人の中のひとりのオレ、ライター深津庵の目線でリポート。

※前編はこちら

さて、『Ingress』の基本となるゲーム概要もカンタンにまとめておこう。

・謎のエネルギー“エキゾチックマター”(XM)を巡り、世界中のプレイヤーが青の“レジスタンス”緑の“エンライテンド”のふたつの陣営に分かれる。

・地図上に存在する“ポータル”と呼ばれる拠点を両陣営どうしが奪い合い、“コントロールフィールド”(CF)という陣地を獲得して得られるポイントを競う。

“位置情報を使った陣取りゲーム”って感じで、実際の地図に本作の情報を重ね合わせて遊ぶという代物だ。

「今回のイベントが気になって各サイトの記事を読んでみたけど、細かな戦術や専門用語が多くて尻込みしちゃったという未来のエージェント候補さんに、もっとライトな気持ちで本作を始めてもらえるよう背中を押したい」

そんな願いを込めてまとめています。何も難しいことはない。まずは、自分なりのスタイルで遊んでみようぜ。

それでは、“ペルセポリス”後半戦の体験リポートスタート!!

ペルセポリス:第3クラスタへ

2戦を終えて向かったのは広瀬川のすぐ隣、西公園と呼ばれる自然が多く、マイナスイオンいっぱいな場所。

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その南部にある対象ポータルのうち、“西公園の石碑”“西公園の歌碑”の2ヵ所を任されたのだけど、驚くくらい敵陣営の火力が低い。

一向にラッシュをかけてくる気配もなく、何度もポータルの防御力を上げるMOD、“ポータルシールド”を破壊されるも、簡単に再設置&維持することができた。

 
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嵐の前の静けさ?

いつ、仕掛けてくるの?

そんな警戒心と緊張感を保ったまま、計測対象の10分間を乗り切る。しかし、ここでもっとも激しく、エージェントたちを苦しめた攻撃は“虫MOD”

「何言ってんの?」

そんな声も聞こえてきそうだけど、つまりは実際に小さな虫が大量に発生する場所だったため、『Ingress』どうこうではなく、物理的な自然界の攻撃に翻弄されてしまったってわけだ。

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その攻撃はじつに激しく、ときに鼻に飛び込んできたり肌の見える場所に張り付きイライラ。

「この虫MODが壊せない!」と、ついに仮想現実だった『Ingress』の攻撃を肉眼で認識したような感覚に陥った。

屋外でくり広げるこれからの季節は虫対策は必要不可欠。女性陣は日焼け止めも忘れちゃいけないのだ。

ペルセポリス:第4クラスタへ

ついに最後の舞台、死守を命じられた仙台駅東側の若林区にあるポータル、“LAWSON ローソン仙台榴岡一丁目”に到着した。

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開始直後は相手の攻撃も激しかったのだけど、次第にその勢いは低下。

まったく動きがなくなってしまい、手持ち無沙汰になったエージェントたちの多くは防衛を維持しつつ、自分を中心とした範囲攻撃(離れるほど威力は低下)が可能なバースターで、周囲の対象ポータルに少しでもダメージを与えて加勢しようと、メンバーのひとりが口頭で宣言。

あくまでも与えられたポータルの死守が最優先。だが、各自が声を出しながら、独自の判断で奮闘していた。とくに求められたわけではなくとも、こうした仲間意識の連携はアツい。

そして、第1クラスタから第4クラスタの計測が終わるまでの約4時間の戦いは終わり、すべての結果が発表されるゼビオアリーナ仙台に向けて最後の移動を開始。

顔見知りのチームメンバーはもちろん、ひとつの目標に向かって戦い抜いた同じ陣営の見ず知らずのエージェントたちが「お疲れ様でした!」と声を掛け合う光景は本当に美しかった

アフターパーティはサプライズの連続!!

すでに多くのメディアが報じている通り、エンライテンドの勝利で終わった今回の戦い。

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オレの所属するレジスタンスは東京、京都に続いて3連敗という結果。

正直、心の底から悔しくて、スマホを感情のままに強く握りしめてしまった。iPhoneごめんな!

けどね、オレの中で『Ingress』はスポーツみたいなもので、戦っているあいだは倒すべき相手を全力で攻めるけど、敵味方のどちらもこのゲームを愛す、同じ想いを持つプレイヤーだ。

素直に「おめでとう!」と賛え、拍手もする。

これは嘘でも建前でもない。

こうした楽しみを感じられるのは相手あってのことなのだから、そこは笑顔で、『Ingress』を介して殴り合えばいいとオレは思うぞ。

まぁ、悔しいんですけどね!!

 
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プロポーズ大作戦に涙

じつはパーティーの冒頭で、『Ingress』を開発、運営するナイアンテック・ラボの川島氏が「大切な話がある」と、ひとりの男性エージェントを登壇させた。

なんと、この男性エージェント。

昨年開催された東京のイベントで知り合った女性エージェントにプロポーズするというのだ。

 
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女性エージェントは結婚を快く承諾。

会場は大いに盛り、オレの目からはXM、いや涙が溢れでた。

MCを務めた須賀氏は「この話を聞いたのは10分前です!」と、アフターパーティ直前に告げた川島氏のサプライズに驚いていた。

また、開催自治体からは伊藤敬幹仙台市副市長、

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伊達政宗のコスプレをした横山農林水産部次長兼畜産課長も登壇。

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そのほか、三菱東京UFJ銀行やソフトバンクとのコラボで生まれた、新たなゲーム内アイテムも発表。

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銀行店舗のポータル化だけでなく、アイテム“MUFGカプセル”も発表。銀行にお金を預けると利息がつくのと同じように、アイテムを増やす機能が!

 
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“SoftBank Ultra Link”は、通常のリンクよりも長い距離を結ぶことが可能。さらに、1本のポータルから外に向かって結べるリンクの最大数を8から16に増加

ポータルの防御力を強化できるなど、多機能なアイテムが提供されることになった。

 
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「自販機の色が緑と青だったので何かの縁を感じた」

お茶で有名な伊藤園は、そんな理由から災害対応自販機2000台をポータル化予定。そのうちの宮城、東京、大阪、京都に設置する4台は、『Ingress』のイルミネーション化を予定していることを発表したのだ。

リリース当時は全編英語だった『Ingress』も、段階的にローカライズ化が進み、いまでは英語が苦手な人にも仕組みがわかりやすい仕様になった。

まずは、“トレーニング”機能で基本を学び、散歩のついでに楽しんでみるなんてのはどうかな?

きっと、地元の景色が違ったカタチで見えてきたり、新しい発見に驚かされることもたくさんあるはずだぞ!!

 
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次回予告
さらなる奮闘記をお届け

翌日、仙台や石巻、陸前高田や女川、岩手、青森、福島や秋田で開催された“ミッションディ”をリポート。とんでもない展開に心が折れかけた、ふたりのエージェントの奮闘記をお楽しみください!!

P.N.深津庵

(イングレス)Ingress

メーカー
Niantic Labs
配信日
配信中
価格
無料
対応機種
iOS 7.0 以降。iPhone、iPad および iPod touch 対応。 この App は iPhone 5、iPhone 6 および iPhone 6 Plus に最適化されています。Android 2.3 以上

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