
“ゲームの神様”こと遠藤雅伸教授×DeNA馬場氏 未来のゲームについてトークセッション
2015-03-10 23:44 投稿
ゲームの未来は疑似体験になる?
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2015年3月10日、東京工芸大学(中野キャンパス)にて、同大学ゲーム学科の遠藤雅伸氏と、ディー・エヌ・エーのエグゼクティヴ・プロデューサーである馬場保仁氏によるトークセッションが行われた。
同大学ゲーム学科の学生たちのために行われたこのトークセッション。「未来のゲームについて」というテーマのもと、昔のゲームといまのゲームの差異や、「未来にどんなゲームができているのか?」などが語られた。
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(右)馬場保仁氏……ディー・エヌ・エー エグゼクティヴ・プロデューサー
(左)遠藤雅伸氏……東京工芸大学 芸術学部 ゲーム科 教授
ゲームとは何か?
最初のテーマは“ゲームとは何か?”。遠藤氏は「遊びとゲームの違いは、ルールが存在しているかどうか」と定義し、馬場氏は「自分はゲームの構成要素を考えるときに、コンテンツ、ルールを浸透させるシステムと、それを楽しんでもらうためのサービスとを分けて考える。とくにコンテンツで大事なことが、何よりもコンセプト。」と述べた。
ゲームにはそれぞれ千差万別のコンセプトがあるなかで、どの程度のディティールまでをゲームのコンセプトとして決めるのか? この問いに遠藤氏は、「簡単な言葉で説明できなければいけない。◯◯の●●(※例えば、美しいパズル)といった2文節で、なおかつ期待感が持てるもの」と、シンプルかつ人を惹きつける要素が大事だとした。
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フックの効いたテーマや、ターゲット層をはっきりするなど、具体的な内容の話も。重厚なチュートリアルを作らなきゃいけない……という、日本のゲームが抱えているジレンマも、ひとつの現状として挙げられていた。
昔のゲームといまのゲーム 同じ部分、違う部分
据え置きのハードでゲームをプレイするのがあたりまえだった時代から、現在のスマートフォンや携帯ゲーム機といった小型端末と据え置き機との住み分けができているような状況では、ゲーム自体、そしてその作りかたはどのように変わったのだろうか?
「関わる人間が増えたため、以前にも増して、仕様書がないといけなくなった」と語る馬場氏は、人が増えることによって作る側のおもしろさの共有が難しくなること、優秀なレベルデザインなどで、仮にコンセプトが弱くても技術的におもしろみを感じさせられることなどを例として挙げた。
ことスマホゲームにおいては、手軽にできるぶん時間つぶしの側面が強くなってしまっている。それによって、カジュアルなパズルゲームなどが多いことを挙げ、スマホゲームの在りかたが課題だと馬場氏。ライフスタイルの中で、どこで時間を作るのか? どうやって遊んでもらうのか? という部分を意識する必要があると、学生たちに熱の込めて発言していた。
おもしろいゲームの作りかた
漠然としたタイトルにも思えるつぎなるテーマも、両氏とも軽快なトークで進めていく。“作りかた”はいろいろある。その中で、「どういった人にプレイしてもらうかを考えるのが大事」と前置いたうえで、最終的には“おもてなしの心”を持つことが重要だという。つかみの部分やビジュアルはもちろん大事にしなければいけないが、それだけで終わってしまうゲームも多いようだ。
馬場氏がひとつのキーワードとして挙げたのが「ノスタルジー(を感じさせられるもの)」。郷愁や望郷と翻訳される言葉だが、例えば新しい物事に触れたとき、知らないことでもどこか懐かしく思うことは誰しも経験があるだろう。ご当地ネタや地元トークがその例だ。
コンテンツから懐かしさや親近感などをユーザーに感じてもらう。その部分を活かしてゲームに取り込めれば、「ストレスフリーなプレイを楽しんでもらえるのでは」と語った。
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また、ゲームの変化についても述べていた。そもそもスマートフォンでのゲームは、ソーシャルゲームと呼ばれるものが多かったが、次第にソーシャル感がなくなってきたとは遠藤氏。その理由を、「ソーシャルゲームというものが一般的になりすぎて、“ソーシャル”は要素に成り下がった」と話す。また、オンラインゲームも同様だったそうで、「以前はゲームとオンラインゲームはまったくの別物だったが、いまはその垣根もなくなってきた」とも語り、通信の発達によって、物理的距離を越えて遊べるという、当初は真新しかったものが時代とともにゲームのひとつの要素になっていくとのこと。
ハード面での発達で、スマホアプリはどんどん重厚なものになっていき、「次第にはパッケージソフトに追いついてくるだろう」と発言する馬場氏。これからの新しいゲームを生み出すのは、スタンドアローンのゲームを体験してきた世代だけではなく、ハイブリッドなゲームを体験している新しい世代の人たちであると両氏ともに、本講演を聞く学生たちを始めとする次世代のクリエイターが作るゲームへの期待を寄せた。
未来はどんなゲームができている?
将来、どのようなゲームが出て来るのか? この問いに対し両氏は、ゲームの発展にはデバイスの進化や小型化などが絡むため、「ハード面がどうなっていくか次第」という前置きをしながら、「前庭刺激を利用して、体がどういう風に動くのかということを電気信号で擬似的に作り出すことができる」(遠藤)と発言。前庭という内耳にある器官、つまり平衡感覚を司る神経に電気信号を送ることで感覚を錯覚させる技術を発展させれば、SFなどで出てくるVR(ヴァーチャルリアリティ)のようなことも可能だという。
そうしたことによって、ヴァーチャルとリアルの境が失われないような注意と、コンテンツはコミュニケーションを加速させるものであることの重要性を強調したうえで、ソーシャルゲームやオンラインが台頭し、要素のひとつに成り下がったように、インタラクティブ性も要素のひとつになっていくのでは、と語っていた。
ゲームクリエイターを目指す学生にメッセージ
最後に、馬場氏と遠藤氏がそれぞれ、ゲームクリエイターを目指す学生たちにつぎのようなメッセージを送り、本講演は終了した。
「いま僕は40代ですが、皆さんは自分とは違う経験をしている。僕らの世代とはまた違ったアイデアが持てると思うので、あとはそれを補う知識を蓄えてください。人に感動を与えるには、さまざまな体験を自分のものに昇華して、ひとりひとりがエンターテイナーだという自覚を忘れないでください。そして、プロになるということは、モノを提供してお金を頂くということを覚えててください」(馬場)
「いつも教えている学生には言っていますが、いろいろなことを真面目に考えてください。アイデアをまとめただけのものがコンセプトではない。その中で熟成されて蒸留されて絞られたものが大切です。そして、ユーザー目線も忘れないように!」(遠藤)
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