【注目】銀世界にチャリで来た！？ 『Icycle: On Thin Ice』出会いを求める男の大冒険

氷の世界に生きる人類最後の生存者

世界滅亡の危機を描く映画を観ては、いつか訪れるかもしれない氷河期を想像して、

「キミならどう生き抜く？」

なんて、在り来りで現実味のない問いを投げかけたことはないだろうか。

幾多の困難に直面する映画の主人公たちは、ある程度の生存ルートとアイテムを約束された選ばれし者だが、本作の主人公・デニスはちょいとわけが違う。

生存者が主人公だけとなるとレジェンドな映画が脳裏をよぎるけど、本作には吸血鬼は出てこないのでご安心。

いやむしろ、襲ってきてくれたほうがどれだけ希望が持てるかと考えたくなるほど孤独な銀世界を舞台に、デニスは愛を求めて旅に出るのである。

出会いを求めて漕ぎ進む！

世界がどうしてこんなことになってしまったのか？

孤独な男・デニスにとってその真相なんて二の次だ。

寒さと孤独に震える彼は、唯一の相棒である自転車にまたがり、極寒の地を突き進む！

操作は簡単だけど注意しなきゃいけないことが2点ある。

ひとつは“鋭いもの”、そして“ルートの見極め”だ。

突き立つ氷はもちろん、街灯の装飾や鉄柵などに触れるとデニスは落車してゲームーオーバーになってしまう。

また、雪崩や氷解によってステージが変化。判断が遅れると閉じ込められたり、飲み込まれてしまうこともあるので、１手先の展開を考えてデニスを導くのだ！

氷を集めてデニスをイメチェン

ステージ上に散らばっている氷はデニスを支える貴重な資源。

帽、洋服、靴といった装備のほか、滑空速度を緩める傘や、周囲の氷を回収しやすくする掃除機など、デニスの能力を高めるアイテムを、集めた氷で購入することができる。

ちなみに、さまざまな条件を達成していくことで、隠し装備やエキストラステージなどをアンロックすることも可能。絶望しかなさそうな世界にも、わずかながらの希望が詰まっているようだ！

その出会いは現実？　それとも……

ときにデニスは、あまりの寒さから夢の世界に迷い込んでしまう。

極寒の世界とは対極のワンダーランド。

デニスは運命の出会いを求めて自転車を全力で漕ぎまくるのだ。

ただし、そこは夢の世界。

人類が残した文明が見せる無機質な孤独感

デニスの旅は徐々に過酷なものになり、ギミックも難解なものが増えていく。

彼以外の生存者に期待してプレイしているオレも、ワンダーランドが見せるアメとムチにうちひしがれ、出会いに対して悲観的になってしまう。

ステージを制覇したその先で、はたしてデニスは生存者に出会うことができるのか？

(P.N.深津庵)