【TGS 2014】ゲーム開発未経験の異色タッグが10日で150万DLされるアプリを生み出した真相に迫る

2014-09-18 18:33 投稿

エンジニアと新卒が巻き起こしたケミストリー!

幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2014。その初日(2014年9月18日)にグリーブースで開催されたトークイベント”グリーのものづくり改革-10日で150万DLされるアプリが生まれるまで-“の模様をお届けする。

“10日で150万DLされるアプリ”とは、グリーから2014年8月末に配信されたスマホ向けアプリ『Cubic Tour』。フリックでブロックを回しながら、ウォールの模様に合わせていくという、空間認識力を鍛えるシンプルかつカジュアルなパズルゲームだ。

「グリーらしくないと好評です(笑)」とは、グリー 執行役員 Garage Production部部長の岸田崇志氏。本作は、世界155ヵ国で展開するというこれまで同社でもやってこなかった試みはもちろん、ゲーム自体もビジュアル面、クリエイティブ面でチャレンジしたことが評価につながっていると岸田氏は分析した。

ではなぜ、”グリーらしくない”とされる『Cubic Tour』が生まれたのか? その背景に、岸田氏が立ち上げたCIPという企画がある。CIPとはCreative Innovation Programの略で、2014年1月に「ものづくり文化を再び取り戻す」ために岸田氏が立ち上げた。”おもしろいゲームをユーザーに届けること”、”メンバーの持つ良いアイデアを拾い上げること”、”アイデアをいかに形にするか?”という目的を持った企画だ。

社内のメンバー向けの企画であるCIP。その流れは以下の通り。

(1)1Dayスキルアップ……ものづくり能力を鍛える
(2)IDEAAeggs……アイデアの交流の場
(3)モックワングランプリ……ゲームコンテスト

(3)のモックワングランプリについては、アイデアのみの参加、またはアイデアがなくても参加可能で、参加希望者はランダムにマッチング。その中から誕生したのが『Cubic Tour』というわけだ。

モックワングランプリで始めて顔を合わせて作られた

「おもしろかったのは、ふたりともゲームを作ったこともなければ、始めて顔を合わせた」。岸田氏にそう紹介されたのが、『Cubic Tour』を手掛けた、プランナー兼アートディレクターのルオイ氏と、エンジニア兼ディレクターの鴨林広軌氏。

ルオイ氏は新卒社員、鴨林氏もゲームに関わる部署ではなかった。そんなふたりがタッグを組んだ理由について、鴨林氏曰く「ルオイさんがモックワングランプリで出した3つの企画を見たんですけど、3つともおもしろかったので、エンジニアとしてやりたいと思った」とか。

鴨林氏を唸らせた企画のひとつが『Cubic Tour』だった。「ゲームはシンプルに、そして世界観はカジュアルに」と、ルオイ氏は本作のポイントをそう表現し、鴨林氏は「ルオイさんはゲームデザイン面にこだわり、私は世界中のいろいろなユーザーに楽しんでもらえるように」と、画面上で文字の説明文などを極力入れずにシンプルなものを目指したとのことだ。

結果的にふたりが作った『Cubic Tour』は10日間で150万ダウンロードを達成。「自分たちも楽しんで作ったものなので、それがお客様に伝わってうれしいし、こだわったシンプルな部分が評価されて良かった」(鴨林)、「グローバル新卒で入社した身なので、世界の皆さんに、そして親に触ってもらえたことがうれしいです」(ルオイ)と、両氏ともその記録を素直に喜んだ。

CIPという企画から生まれ、そして『Cubic Tour』で成功を収めたグリー。今後について、3者はつぎのように語った。

「尖ったアイデアや風変りなアイデアなどいろいろ考えています。これからゲーム業界に認められるものを作っていきたいです」(ルオイ)

「『Cubic Tour』はカジュアルなゲームでしたので、つぎは長く遊んでもらえるものを作りたいと思います」(鴨林)

「この取り組み自体、どんどん続けていきたいです。1月から始めた企画ですが良い成果を残せました。しかし、まだ出ていないアイデアがいくつもありますので、それらをユーザーの皆様に届けていきたいです」(岸田)

Cubic Tour

ジャンル
パズル
メーカー
グリー
配信日
配信中
対応機種
iPhone、Android

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