【個人開発ゲームを斬る】歴史好きの外国人が“思い”を形にした『新生ヒストリカ』

2014-09-16 18:00 投稿

パズル×カード

今回ご紹介するアプリは、世間一般では”ソーシャルゲーム”と呼ばれるジャンルです。ダンジョンに潜り、パズルを使ってモンスターを倒し、ガチャを引いてパーティを強化する。

そんな大手メーカーがこぞって参戦する“ソシャゲ”を、どうして【個人開発ゲームを斬る】のコーナーで紹介するのか?

その答えは、後半の開発者インタビューで明らかに! と、無駄に引っ張ったところで、まずはゲーム内容のご紹介!

▲御霊が魔神となり人類を襲う
▲魔神に立ち向かえるのはヒストリカのみ

その昔

“魔神”が世界を滅ぼそうとしたそうです。だが、それに抗うチカラを持った“ヒストリカ”達が、魔神たちを手の届かない所に封印したそうです。時が立ち平和が続くと、人々の記憶から魔神やヒストリカの存在が次第に消えていったそうです。ここまではファンタジーな世界でよくあるお話。

▲案内役の優しい女の子と
▲ツンデレな女の子

なんだかんだで現在。突然、世界のあちこちに“時のほこら”が現れました。時のほこらは放置していると、“英雄の魂”を吸い込み、魔神にしてしまうことがあるとのこと。

あなたは世界平和の為、時のほこらを封印する組織“IGDO”の“召喚士”となり、それらを封印する旅に出ます。ファンタジーなオープニングから始まり、近代的な対策本部からゲームが展開する流れがなかなかニクいです。

いざ封印の旅へ

▲同色パネルをスーーとなぞって
▲モンスターに攻撃

“英雄カード”をデッキに組み入れ、いざ封印の旅へ。

モンスターとのバトルは、パズルゲーム。

同色の“魔石ブロック”を3つ以上スワイプでなぞるとそれらが消え、モンスターを攻撃し、“バリアゲージ”を削ります。1分間のバトルタイム中に、バリアゲージを0にすると、封印成功。もたもたしていると、モンスターが“ブロックの色を変更”するなどの地味な嫌がらせをしてくるので注意が必要です。

▲必殺技発動!
▲ラッシュモード!

ブロックを消しまくると、連れている仲間の必殺技が発動し、バリアゲージを大幅に削ることが可能。

他にも、

・同色ブロックを6つなぞって消すと“ボムブロック”が発生し、タップすると爆風で周辺のブロックを破壊。
・連続で7回以上ブロックを消す事ができると、“ラッシュモード”に突入し、消したブロックの周辺のものを巻き込んで破壊。

文字にすると難しく感じますが、序盤は何も考えずひたすら3つ以上並んでいる同色ブロックを見つけてなぞりまくればオッケー。

デッキを強化

▲レベルアップ!
▲独眼竜カコウトンゲット!

モンスターを全て倒す、または最後のボスを倒すとステージクリア。経験値を得てプレイヤーがレベルアップすることで、デッキ最大コストが増えたり、スタミナが回復するなど、ソシャゲでおなじみの流れとなっております。また、バトル中に現れる“宝物ブロック”を下段まで落とす事ができれば、お楽しみのお宝確認タイム! 中には“英雄カード”や、それらを強くするための“強化/進化カード”が入っています。

▲憧れのレアガチャ
▲パーティは最大5人

英雄カードは、もちろんガチャでも補充することも可能。不要なカードは育てたい英雄に合成させレベルを上げ、新たなダンジョンへ。ここまではよくあるソシャゲの流れです。

キャラストーリー

▲昨日の敵は!
▲今日の友!

このゲームのウリは、“登場キャラクター”と“ストーリー”。英雄カードに用いられているキャラクターは全て歴史上の人物を採用。誰もが知っている有名な方から、名字はよく知っているけど名前は知らない、というややマニアックなキャラまでいろいろご用意されております。

ゲームを続けて行くと、キャラクターの“好感度”が少しずつあがっていき、それとともにキャラクターのボイスや説明/解説文が変化するこだわり仕様。いつの間にやら歴史に詳しくなるかもしれません。

▲マティルデさんゲット!
▲絆ストーリー解放!

もうひとつのウリ、魔神とヒストリカを巡る、謎が謎を呼ぶストーリー展開も必見! メインストーリーの他にも期間限定イベントや、特定のキャラクターをゲットしたり育てることによって解放される、そのキャラクター特有のイベント&ダンジョンも用意されているので、気がつけばヒストリカの世界にどっぷりとハマってしまいます。

そんな魅力がてんこ盛りのソーシャルゲームをなんと“おひとり”で運営されているという、“かかしさん”にイロイロお話を聞いてみました。

Q1.はじめまして! まずは簡単な自己紹介をお願いします!

’96年来日、ずっと日本に住んでいる外国人です。歴史が好きです。子供の頃、『天と地と』や『龍馬がゆく』の歴史小説が大好きでした。高杉晋作の辞世の句「おもしろきことなきよをおもしろく」は、衝撃が走りました。絶対日本へ来て、萩と川中島の戦いの跡地へいくと決めました。

Q2.なんと外国の方でしたか! おひとで運営されているとのことですが、具体的にはどんな感じですか?

運営、企画、ストーリー構成、宣伝、画像編集をひとりでやってきました。結構大変です。自分が出来ない作業について、“クラウドソーシング”で人をさがしました。
●プログラミング → 自分は仕様書と修正依頼を書いてだします。
●イラスト → 一応アートディレクターっぽいことやって、チェックと品質管理をおこないます。
●その他 → 声優の団体さんにボイス制作依頼、友人や知り合いに日本語チェック
だいだい60名ぐらいの方にこのプロジェクトに協力していただいた感じです。

Q3.なるほど、さすがに全てをおひとりでってわけではないんですね。ゲーム開発の経験は?

前職は中古回収事業をやったもので、ゲームの素人です。このゲームをつくりたくて、会社を立てました。なんか会社にすれば、信頼性がありますから。

Q4.それは思いきりましたね! “このゲームが作りたいから会社を作った”ということですが、何か他のゲームを遊んでいてヒントを得た感じですか? それともビビッとした“閃き”ですか?

ゲームのコンセプトは、2014年春頃に思いつきました。当時はカードゲームブームの中で、自分は『ダイヤモンドダッシュ』や『ズーキーパー』のようなパズルゲームが大好きでした。でも、“せっかく大事な時間をかけて遊ぶのだから、少しでも人のプラスになる付加価値を与えたい”とずっと思っていました。その時、自分が大好きな歴史をテーマして、“パズル×カード”を融合したゲームをつくったら、すごいおもしろいのではないかと。その勢いで会社を立ち上げました。

Q5.「ゲーム作るぞ!」と起業して、実際にリリースされるまで、どれぐらいの時間がかかりましたか?

試行錯誤で1年半かかりました。ふたつのプロトを作り、2回作り直しました。

Q6.1年半! どれぐらいの予算がかかったのか教えてもらってもいいですか?

リリースするまでの制作費は500万円以下に抑えました。インターネットのクラウドソーシングを使って、いろいろな人へ依頼しました。結果、コストは抑えられましたが、 時間がかかりました。中には1ヵ月待たされたあげく、音信不通になってしまった人もいて、リリース延期の原因にもなりました。

Q7.音信不通はキツイですね。。。他に開発中の苦労話、面白話などあれば。

開発中にいちばん苦労したのは、ゲームパラメーターの設定です。最初は結構RPGっぽく、キャラに体力、攻撃力、防御力、クリティカル率のような要素をいれましたが、プランナー未経験の私にとっては、その調整は無理でした。いや、無理というより、テストに時間がかかりすぎたのです。そういう事情があって、英雄カードは“攻撃力”と “スキル”だけにしました。ひとりでなんでもかんでもやらなければいけないので、土日も作業をしています。深夜まで作業するのは当たり前で、夜食で20キロ太りました。深夜にコンビニへ行く常連になって、そこのバイトさんの間で、私が来店するかどうか賭けをする事になったみたいです。彼らの表情と接客対応で気づきました。賭けに負けたであろう店員Aさんに睨まれた事がありました。そのあと、しばらくそのコンビニへは行かない事にしました(笑)。

Q8.そんなコンビニばかりではないので、日本のことをキライにならないでくださいね! リリース後の反響や、手応えはいかがでしょうか?

リリースした後、事前登録の宣伝やプロモーションをせず、数千DL数が入り、一瞬ゲームの部門100位まで(カード部門23位まで)ランクインしました。バグや不具合があるにもかかわらず、平均評価★4.5の高さに驚きました。でも、売上は全然だめです。KPI(※登録数や継続率、課金率など、ユーザーの動向をデータ化した数値)もわからないし、素人がそれを時間をかけて分析するより、どうやってゲームを改善しつつ、ストーリーとイラストを充実させるかを考えています。もともと長期目線で勝負するつもりで会社を立ち上げました。

Q9.そんなアツイ思いで生まれた『新生ヒストリカ』のアピールポイントをお願いします!

パズルゲームではありますが、ストーリーを重視しています。“週間イベント”があり、元ネタは歴史事件や出来事です。キャラボイスも導入していますが、ストーリーにもメインキャラのボイスを追加する予定です。最大の売りは“英雄カード”が実在した人物のみということです。英雄の人物紹介欄は、しっかり調べて情報を書き込みました。進化すると説明文も変わり、歴史をテーマにプチ歴史勉強につながります。また、英雄のイラストも様々なタイプがあり、乙女系、萌え系も登場します。エンターテイメントの形で、歴史知識への探求に興味をもたらす作品を目指しています。

Q10.人気のキャラや、個人的に推しているキャラなどがあれば教えてください!

“板額御前”が人気です。声優さんの声が好きなファンが多いです。

個人的に“奴隷戦争のスパルタクス”の絆イベントが好きです。ちょっと暗い話ですが。

いちばん好きな絵は卑弥呼かな。

ふむ~ 女海賊メアリーかな~

エジプトの女王も好きですね。。。えーい選べない! お任せします!(笑)。

Q11.全部可愛くて、私も選べませんでした! 今後の『ヒストリカ』の展開、そして会社としての展開を教えてください!

『新生ヒストリカ』は、エンターテイメントとして歴史人物と事件を楽しく知ってもらうパズルゲームなので、イラストやストーリーはいろいろ工夫しました。ストーリーは“ライトノベル”のような感じですので、ぜひ楽しんでいただければ幸いと思います。前職で中古事業をやり、“社会貢献” の楽しさを知りました。そのため、来期は純利益の5%を社会貢献の予算に当てるように社名に“GOPA”を付けました。今の目標は、まず純利益を出すこと。 そして、今は1人ですが教育をテーマにしたアプリをつくりたいので仲間を募集中です!

Q12.素晴らしいです! 最後に何かひとことよろしくお願いします!

この場をかりて、『新生ヒストリカ』の制作に協力していただいた声優様とイラスト師様と他の皆様、いつも応援していただき、ありがとうございます。とくに声優陣の皆様、いつもうちのゲームを宣伝していただき、本当にありがとうございます。『新生ヒストリカ』は、“善意の輪”で完成した作品です。ひとりの夢は、いつのまにか多数の方々の思いと願いを込めた作品になります。未熟な作品ですが、パズルゲームを遊びながら、ストーリーと歴史を楽しんでいただければうれしいと思います。何卒よろしくお願いします。

開発者さんのアツイ思いがぎっしり詰まった『新生ヒストリカ』。是非遊んでみてください!

■あぷまがどっとねっと
(あぷまが)

「すべてのアプリにチャンスを!」との思いから、藤田武男氏が個人開発者が開発したアプリを中心に紹介している情報サイト。ほかでは見つからない“お宝アプリ”が“あぷまが”なら見つかるかも! ちなみにイラストは、あぷまがのマスコットキャラ、アイロニー。


※あぷまがへのアクセスはこちらから

新生ヒストリカ

メーカー
gopa
配信日
配信中
価格
無料(一部有料アイテムあり)
対応機種
iPhone、iPod touch、iPad、iOS6.0以上

この記事のタグ

Amazon人気商品ランキング 一覧を見る

関連記事

この記事に関連した記事一覧

最新記事

この記事と同じカテゴリの最新記事一覧