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スクエニが本気で挑むストリーミングサービス”DIVE IN”のキーマンに訊く(前編)

2014-09-12 00:00 投稿

ストリーミングサービス“DIVE IN”で新たなプレイ環境を提案

スクウェア・エニックスは、同社のオンラインストア”スクウェア・エニックス eストア”にて、クラウド技術を用いたストリーミングサービス“DIVE IN”(ダイブ イン)を、10月9日よりスタートさせる。

DIVE INは、専用アプリ(無料)を用いて、スマートフォンやタブレットでスクウェア・エニックスのゲームが手軽に楽しめるストリーミングサービス。10月9日のサービス開始時には、『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』『ファイナルファンタジー XIII』など3タイトルが配信予定だ。

前編となる本記事では、DIVE INの特徴や、スクウェア・エニックスが独自でストリーミングサービスを展開する理由や狙い、今後の目標などについて、同社代表取締役社長の松田洋祐氏(文中、松田)とサービスを統括する津田 真氏(文中、津田)にうかがったインタビューをお届けする。

※本記事は週刊ファミ通2014年9月25日増刊号の内容を一部転載したものです。

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▲スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏(写真左)と同社マーケティング部 オンライン販売チーム シニア・マネージャー津田 真氏(写真右)。

(聞き手:週刊ファミ通編集長 林克彦)

ストリーミングサービスは有力なプラットフォーム

――まずは、スクウェア・エニックスが、独自のストリーミングサービスに乗り出した経緯についてうかがえますか?

松田 ご存知の通り、最近はスマホやタブレットなど、さまざまな汎用機でゲームが遊べる環境になり、それらデバイスでゲームを楽しむ方も増えました。やはり利便性を考えた場合、汎用機のスペックが上がってゲームコンテンツが増えてくると、それでゲームをプレイする人が増える、というのは自然な流れです。そうした状況になることは想定できましたし、汎用機に向けたストリーミングサービスは有力なプラットフォームになりうる、と弊社も同サービスには以前から興味を持っていました。社内では4年ほど前から研究はしていましたが、今回、Gクラスタ・グローバル(※)さんの技術を使わせてもらうことで、DIVE INのストリーミングサービスを展開できることになりました。

※ Gクラスタ・グローバル…… 独自の特許技術”Gクラスタ”を活用した、クラウドストリーミングサービスを提供している企業。同社は自社端末”G-cluster(ジークラスタ)”を発売し、ストリーミングサービスも展開している。

――配信の仕組みのところはGクラスタ・グローバルの技術が使われている、ということですか?

津田 はい。配信のシステムはGクラスタ・グローバルさんに担ってもらい、コンテンツのユーザーインターフェースやゲームプログラムは我々がデザイン、開発をしています。

――ストリーミングサービスを使ったゲームマシン”G-cluster(ジークラスタ)”には『ファイナルファンタジーVII インターナショナルfor Gクラスタ』(以下、『ファイナルファンジー』は『FF』)が配信されていますが、その縁がキッカケ、ということでしょうか?

津田 そうですね。

――では、昨年11月に発表された新クラウド技術のプロジェクトとはまったく違うものなのですか?

松田 はい。DIVE INは”スクウェア・エニックス eストア”を窓口としたストリーミングサービスで、お客様にどうゲームをお届けするかという、ディストリビューション(流通)のサービスです。一方、開発中の新クラウド技術は、クラウドの特性を最大限に活かした技術を使って、どんなゲームが実現可能なのか、という研究をしているプロジェクトなのです。その成果はまた別の機会にご紹介できると思いますので、ご期待ください。

タイムラグはほとんどなし『FF XIII』も快適にプレイ

――サービス開始と同時に『FF VII』や『FF XIII』といった御社の看板タイトルが配信されるということで、相当な意気込みを感じます。とくに『FF XIII』には驚きました。

松田 やるのであれば最先端のものを動かしたいと考えていましたが、いままでゲーム専用機でしかプレイできなかったものが、スマホやタブレットでここまで動くのかと、私にとっても驚きでした。

津田 我々のコンテンツを代表する『FF VII』と『FF XIII』がDIVE INで遊べる、というインパクトは本サービスに対する我々の本気を示すメッセージになると思いました。同時に、『FF XIII』を配信することでDIVE INのポテンシャルもご理解いただけると思います。

――『FF XIII』ほどのタイトルになると、容量的にもアプリで配信というわけにもいかないでしょうし、ストリーミング配信だからこそ実現できた側面もありそうですね。

松田 そうなんです。

――利用料は期間、そしてタイトルごとに個別設定となっていますが、これはどのように決められたのでしょうか。

津田 最初は限られたタイトルでスタートしますので、タイトルごとに利用したい期間を選んで購入していただく設定にしました。価格は、ほかのストリーミングサービスや、スマートフォン、タブレットで購入される価格帯を鑑みて設定しています。定額制などはタイトルが増えてきたら検討しようと考えています。

――利用期間が過ぎて、続きが遊びたい場合は、また改めて利用料を購入することなるのですか?

津田 そうなります。

――利用期間が終わるとセーブデータはどうなるのでしょう?

津田 セーブデータは半年程度はクラウド側に保持される形で検討していますので、その期間であれば、改めて利用料をご購入いただければ続きからプレイできます。

――セーブデータはクラウド側に保存されるということは、たとえば外ではスマホ、家ではその続きをタブレットでプレイする、といったこともできる、と。

津田 はい。サービスの利用にはスクウェア・エニックス アカウントの登録が必要となり、セーブデータはそのアカウントに紐付けられますから、たとえば、お手持ちの端末を機種変更をしても、同じアカウントでログインしていただければ、続きをプレイできます。

――ストリーミングサービスで気になるのはタイムラグですが、そちらはいかがですか?

津田 レイテンシー(データを要求してから、そのデータが返ってくるまでにかかる時間のこと)に関しては、格段に技術が向上しており、『FF XIII』をプレイするとおわかりいただけると思いますが、Wi-Fi接続環境で安定した6Mbp以上の有効帯域であれば、違和感なくプレイできます。アクションゲームに関しても、ストレスなくプレイできますよ。

――対応機種はどれくらいの性能のものを想定されているのですか?

津田 ここ1、2年に出た端末なら十分だと思います。機種に関しては端末の性能というよりは、画面の大きさなど視認性の部分が重要になると思います。配信するタイトルはすべて30分間無料でプレイできますので、まずはその30分間で通信環境やお手持ちの機種で快適にプレイできるかどうかお試しいただければと思います。

――汎用機とゲーム専用機との大きな違いに、コントローラの有無があります。ユーザーインターフェースなど操作まわりはタイトルごとに調整しているのですか?

津田 はい。

松田 初めて『FF VII』が動いているのを見せてもらったときは、「すごいな」と思いましたが、やはり操作性の問題がありました。とにかく“操作の快適性を高める”という点は徹底的にこだわってもらいました。

ハードの垣根を超えてスクエニのゲームを!

――タイトルは今後、どのくらいのペースで配信予定なのですか?

津田 毎月、何かしらのタイトルを追加していきたいですね。

――御社にはファミコン、スーパーファミコン、最近ではゲームアプリなど豊富なタイトル資産がありますが、そういったタイトルの配信も行っていくのでしょうか?

松田 もちろん、ライブラリを増やしていくことでサービスの価値が高まりますので、旧作はもちろん、新作の発売日にはDIVE INでも同時に配信されている、という状況が理想です。

――では、ゆくゆくはPS4、XboxOne用のタイトルを配信する可能性もある、と。

津田 技術的には可能ですが、サーバーあたりでどれくらいの数の端末を処理できるかなどの問題もありますし、そちらに関しては今後、検討していきたいと思います。

――ネットワークゲームやマッチングするようなオンライン対応のゲームについてはいかがですか?

津田 それについても今後の課題ですが、そういったタイトルへの対応もサービスの成長とともにやっていきたいと考えています。

――現段階ではスマホ、タブレット向けのサービスですが、今後、対応するデバイスを増やしていくことは検討されていますか?

津田 クラウド技術を使ったストリーミングサービスはスマホ、タブレットに限定されませんので、可能性は十分にあります。

――将来的には、ハードの垣根をなくして、手もとにあるデバイスでスクウェア・エニックスのタイトルを遊べるようになるかもしれない、ということですね。

松田 そのほうがユーザーの方々の選択肢が増えますし、個々のライフスタイルに合わせて利用できますので、利便性も高くなります。

――音楽や映像コンテンツを配信するお考えは?

松田 サービス開始に向け検討しておりますので、ご期待ください。

――ストリーミングサービスにはG-clusterがあり、今後、PS4向けには”PlayStation Now”のサービスも予定されています。そのどちらにも御社のタイトルがラインアップされると思いますが、それら他社のサービスとの棲み分けはどうお考えなのですか?

松田 PlayStation Nowのような他社様のクラウドサービスもDIVE INも、我々のコンテンツの重要な出口として考えています。それぞれいろいろな特徴があるとは思いますが、我々としては、まずは出口を増やして、ストリーミングサービスの魅力を伝えていきたいと考えています。

――海外でのサービス展開もお考えですか?

松田 まずは日本国内のサービスとして展開します。ただ、ストリーミングサービスなら、ゲーム専用機が普及していない地域でも我々のコンテンツが遊んでもらえるというメリットがありますので、たとえば中国・アジア等の海外マーケットは非常に魅力的ですね。

――もうすぐ東京ゲームショウですが、DIVE INを体験できるコーナーなどはあるのでしょうか?

津田 はい。『FF VII』と『FF XIII』をタブレットでお試しいただけますので、来場される方はぜひ触っていただきたいですね。

――では、最後にDIVE INにかける意気込みを、ひと言ずついただけますか?

津田 DIVE INのサービスを通じて、ふだんお持ちの端末で、いろいろなライフシーンで、我々のゲームと接点を持っていただければうれしいです。

松田 これまでは特定のゲーム機で特定のゲームしか遊べませんでした。ですが、ハイエンドなゲームも汎用機で遊んでいただける時代になりました。DIVE INは、その中でも非常に重要なサービスとして位置づけています。ライフスタイルに合わせて、我々のゲームを遊んでいただきたいと思っています。また、ライブラリを増やすことで、DIVE INの価値をさらに高めることができますので、コンテンツの充実には今後、力を入れていきます。最終的な目標は“スクウェア・エニックス eストアにアクセスすれば、ほかを探さなくても弊社のコンテンツがすべてある”、という状態にしたいですね。

(後編へ)

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