全国から選ばれしアプリクリエイターが激突! SPAJAM2014密着取材(初日) 

2014-07-05 02:51 投稿

予選を勝ち抜いた11のチームが集結!

2014年7月4日~6日にかけて、千葉県南九十九里海岸沿いのリゾートホテル・一宮シーサイドオーツカに、“SMARTPHONE APP JAM2014”、通称“SPAJAM2014”が行われた。

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜氏が実行委員を務めるこの競技会は、チームでエンジニア能力とデザイン力を競う“ハッカソン部門”、企画力とプレゼン能力を競う“企画部門”のふたつを用意。ハッカソン部門には一般書類選考と地方予選を勝ち抜いた11チームが参加しており、企画部門には3チームが選出されている。

▲“SPAJAM2014”への参加受付を済ませる出場チームのメンバーたち。女性の姿も多かった。

4日の夜には夕食を兼ねた前夜祭と、審査員たち関係者も出席した前夜祭アイデアソンが行われた。前夜祭は、森下氏の挨拶からスタート。あいさつでは森下氏から、「実行委員長という大役を任されましたが、じつを言うと実行委員長や審査委員として参加したくなかった」という衝撃の発言が。

「なぜかと言うと、僕も“SPAJAM2014”に出たかったんですよ。そのためにプログラマーやデザイナーの選出も行っていたのですが、委員会の人たちに全力で止められまして(苦笑)」と残念そうだったが、出場者には「2日間がんばっていただいて、我々がビックリするようなものを作ってください」とエールを送っていた。

▲前夜祭であいさつをするガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜氏。

“SPAJAM2014”に参加したハッカソン部門の中には、『ロード・トゥ・ドラゴン』などで知られるアクワイアの若手を中心としたチーム(名前は“俺たちアクワイア開発軍!”)や、先日『黒田官兵衛の野望』をリリースしたグラッドラックスリーのチーム、『ガールフレンド(仮)』などでおなじみのサイバーエージェント社員のチーム(名前は“アンチキラキラ女子チーム”)など、多数のプロが参加。

彼らに交って、東大、慶応などの有名大学の学生や、謎の海賊チーム“パイレーツ・オブ・イチミヤン ~ポセイドンのめざめ~”といった個性豊かなチームが加わり、それぞれがハッカソン部門での入賞を目指す。

▲競技会への意気込みを語る“俺たちアクワイア開発軍!”の代表者。
 
▲グッドラックスリーのチーム。福岡予選を勝ち抜き、本選への切符を勝ち取った。
▲どこかで見たような海賊が率いる見た目はアウトローなチーム。しゃべるといい人そうでした。

前夜祭アイデアソンに筆者も参加してみた

前夜祭が終わると、オリエンテーションとして前夜祭アイデアソンが始まった。ちなみに、アイデアソンとは特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベントのこと。アイデアとマラソンを合わせた造語である。

前夜祭アイデアソンで出し合うアイデアは、ハッカソン部門のテーマである“日本文化を好きになる”。前夜祭アイデアソンは、下記の流れで行われた。

【前夜祭アイデアソンの流れ】
①“日本文化”から連想できるキーワードを書き出してアイデアを温める(ショートワーク)。
②5分間で、ふたりでの話し合い(ペアブレスト)&アイデアの強化(スピードストーミング)を行い、これを5回連続で行う。
③膨らませたり、新たに生まれたアイデアを書き出す(アイデアスケッチ)。
④よかったアイデアスケッチに★マークをつけて上位者を紹介する(ハイライト法)。

当日のアイディアソンに、筆者も参加してみた。仕事がらアイデア出しはよく行うほうなので、最初は楽観視していたのだが、①のショートワークでキーワードを何度も書き出していると、アイデアを出すのがつらくなってきた。苦し紛れに“カレーライス”、“タコライス”、“ナポリタン”と書いたところ、「食いもんばっかじゃねーか! だから痩せないんだよ」と、編集から厳しいツッコミが。

▲ショートワークは、“日本文化”から連想したキーワードを1分間に6つ出すのがルール。1分経過すると、時計回りで隣の人に紙を渡して、新たな紙にキーワードを記載していった。

②の“ペアブレスト”は、いろいろな人に取材をした経験から「何とかなるはず!」と気を取り直して挑むも、出てきたキーワードをもとにテーマに沿ったアイデアを出すのは想像以上に難しい。それに5分間という時間は、本当にあっという間に過ぎてしまう。審査員の三淵啓自氏を含む5人の方と話したが、短時間のうちに形になりそうなアイデアはひとつだけ。アイデアマンへの道はかなり遠い。

▲編集者にたきつけられて女の子とのディスカッションにチャレンジ! だが、緊張して散々な結果に。なぁちゃんさん、巻き込んでしまってごめんなさい。

アイデアを出した後は、シートにまとめて形にする③の“アイデアスケッチ”の作業へ。アイデアをひとつしか出せなかったが、そのぶん書き込む時間はたくさんある。「イラストをつけると印象がいい」ということで、思わず図も描いてしまった。

その後、描いたアイデアを机の上に並べて全員でチェックを行い、お気に入りの作品に“★”をつける“ハイライト法”が始まったが、結果的に★の数はゼロ。最後に自分で★をひとつだけでも描いておくべきだったと、ちょっぴり後悔した。

▲わりと真剣にアイデアスケッチをまとめる筆者。真剣と言うわりに鉛筆で書いてしまい、インパクトに欠ける内容に。これが敗因であると思う。思いたい。

ちなみに、★の数が多かった人には、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの橋本氏や、アクワイアの代表取締役社長の遠藤氏ら関係者の姿も。オリエンテーションとはいえ、その実力をいかんなく発揮していた。下記では、トップ5に選ばれた作品を紹介するが、写真は途中で撮影したものなので、最終的な星の数はもっと増えている。

▲1位はガンホー・オンライン・エンターテイメントの橋本氏のアイデア。
▲2位はアンチキラキラ女子チームの藤原氏のアイデア。発表時には会場から笑いが起こっていた。
▲3位はアクワイアの代表取締役社長の遠藤氏のアイデア。日本の禅の心をアプリに取り入れている。
▲4位は進撃のDMTC~Attack on Hacker~の新田氏のアイデア。アイドルのコンサートでの思い出がもとに。
▲5位はMyxomycetesのチャーリー氏がランクイン。総理がすぐに辞任する出来事をアイデアとして採用。

上記5人以外にも、すばらしいアイデアがたくさん出ていたので、いくつかピックアップして掲載しよう(こちらも審査途中のもの)。気になるものがあったら、じっくり確認してほしい。

森下氏も“日本文化を好きになる”というテーマに挑む!

前夜祭アイデアソンには、ほかの審査員に交って森下氏も参加。ほかのチームのメンバーとのペアブレストを楽しんだり、“花札の絵がめっちゃアメリカン”という『プレジデントカード Yes we can』というカードゲームなどのアイデアを生み出して、★の評価もかなり集めていた。

そんな前夜祭アイデアソンを堪能した森下氏に、初日の感想をうかがった。なお、インタビューには途中から特別ゲスト(?)も加わっているので、お見逃しなく!

▲参加者とペアブレストを行う森下氏。
▲アイデアスケッチに向かう森下氏は真剣そのもの。

――前夜祭アイデアソンに参加していかがでしたか?

森下氏 普段会社で行っているような雰囲気で話すことができましたね。あと、僕はどうしても話がゲームに偏ってしまいがちなんですが、アプリケーションを作ってきた人たちの話を聞くと、なるほどなと新鮮に思えることが多かったです。

――森下さんにとっても、貴重な経験になったと。

森下氏 そうですね。でも、なんで僕は審査員なんでしょうね(苦笑)。さっきアクワイアの遠藤さんと話していたんですよ。ふたりで作って参加しちゃおうかと。そしたら遠藤さんが、「今日僕泊まれないんですよ。帰らないといけないんです」と言うから、「じゃあ、無理じゃん」って(笑)。

――森下さんのモチベーションが刺激されるぐらい楽しかったんですね(笑)。

森下氏 楽しかったですよ。ゲームの開発を行うときは、なるべく楽しんでやろうとしていますが。会場の雰囲気はもっと気楽というか。お祭りのような感じでおもしろいなと。

※そこへ偶然、通りかかった遠藤氏。

森下氏 つぎは開発側で参加したいね。

遠藤氏 主催者チームが参加してもいいなら(笑)。

森下氏 止められちゃったからね。

遠藤氏 でもやってみたかったですよね。勝ち負けのつかないエキシビションならいいんじゃないですかね。

森下氏 選抜チームを作って出てみたいね。

――来年以降にそういった展開があるとますます楽しみです! どうもありがとうございました!

ちなみに、この前夜祭アイデアソンが終わったのは午後10時。しかしこれからがハッカソンの本番。前夜祭アイデアソンのネタも参考にしつつ、“日本文化を好きになる”というテーマで6日(日)午前8時の最終プレゼン資料提出を目指す。

この記事を公開した5日(土)の午前2時50分ごろにも、以下の通り各チームがアツい会議を続けていた。彼らの夜は、そして戦いは、いま始まったばかりだ。

※こちらの記事に続く

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