『ファイナルファンタジー アギト』開発者インタビューで今後の展望を訊く

2014-07-03 15:00 投稿

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 『アギト』の今後の展開はいかに!

新たな『ファイナルファンタジー』として、iOSとAndroidで配信中の『ファイナルファンタジー アギト』(以下、『アギト』)。プロデューサーの田畑端氏と、ディレクターの西田匡泰氏、そしてアートディレクターの星野小夜子氏に、今後の展開や、特徴的なシステムについて語っていただいた!

人物写真左から
ディレクター 西田 匡泰(文中は西田)

プロデューサー 田畑 端(文中は田畑)

アートディレクター 星野 小夜子(文中は星野)

※本インタビューは、ファミ通App iphone 2014年6月26日号に掲載されたものの完全版です。
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プレイしやすく、奥深く進化していく『アギト』

――まず、『アギト』の開発の経緯を教えていただけますか?

田畑 本作のもとになっているのはPSPで発売した『FF零式』なのですが、そもそも『零式』は、『FFアギトXIII』として携帯電話でのリリースを予定していたタイトルでした(※『FFアギトXIII』は、『FFXIII』などとともに、E3 2006で発表された“ファブラ ノヴァ クリスタリス”プロジェクトを担う作品のひとつだった)。『零式』の開発を終えるころにスマーフォンが普及してきて、これなら当時やりたかったことも含めて、『零式』の世界をそのまま持っていけると思ったのが、『アギト』の出発点だったんです。

――スマートフォンの普及と高性能化があって、『FFアギトXIII』のころの構想を含めた新作としての制作が可能になったんですね。その『アギト』は、サービス開始から短期間で50万ダウンロードを突破されていますが、手応えはいかがでしょうか。

田畑 登録者数の伸びは順調です。ただ、運営のほうは順調とは言えませんでした。操作性であるとか、ロード時間とか、そういったところはすべての対応端末に完璧な状態でリリースできたわけではなかったので。そこに対するユーザーさんのご意見は、非常に耳が痛いですね。

――制作していく段階で、想定外のことがあったのでしょうか。

田畑 大きな壁としては、対応端末を増やすためにいくつかの仕様の実装をやめて、キャラクターも減らして軽量化するのか、まずはそのまま最後まで作ってから対応端末を増やしていくのかで、決断を迫られたことがありました。そこを、もともと予定していた仕様でしっかり作り切ろう、と決めたわけなのですが、それが確か、去年の12月ごろだったと思います。

――作り込みが尋常ではなかったということですね。そこはやはり、『FF』というブランドとして、作り込むほうを選んだということですか?

田畑 はい。“『零式』で体感した世界が、スマホでも体感できる”というのが大事だと考えていたので、ロンチ前にそこの基準を下げてしまうのは違うなと。とはいえ、遊びたくても遊べないユーザーの方がたくさんいらっしゃる現状については把握していますので、現在、対応機種増加を最優先事項として取り組んでいます。6月中には目途を立て、7月から順次、対応機種拡大と最適化を適用していきます。対応端末を増やしていくにあたっては、グラフィックス設定でハイとノーマルとローを選んで遊んでいただけるようにする予定です。

西田 だいたい、1クール……つまり、ひとつの歴史が終わるのが、8~9月ごろになる予定なのですが、それまでには快適に遊べるような状態になっているはずです。

――ちなみに、Android版は、キャラクターの表情が変わらなくて寂しいです……。

星野 Android版ではモーションポートレート機能に対応できる端末がすごく限られてしまうので、現在のような仕様になっていますが、こちらも順次対応していきますので、もう少々お待ちください。いずれ、クラサメなどの0組(クラスゼロ)以外のキャラクターと会話を重ねることで、絆値が上がるようにもなりますよ。また、“プロフ帳”で各キャラクターの紹介が見られるようになったりと、学園生活をより充実させる要素も実装されます。『零式』をプレイしたことのない方は、キャラクターと話した雰囲気でしか特徴がわからないと思うので、こうしたシステムでよりキャラクターについて知っていただきたいと考えています。

――そういった部分は、『零式』を知らない方にとっても、ファンにとってもうれしいですね。

田畑 ゲームを遊んでくださっているユーザーさんには、『零式』のファンだけでなく、『零式』は知らないけれど『FF』は知っている、という方もたくさんいらっしゃいますからね。そういった方々の期待に応えるべく、『FF』らしいイベントもたくさん用意していきます。

――現在もいろいろなイベントを実施されていますが、たとえばレア素材が出やすくなるイベントなど、そういったものは用意されていますか?

西田 もちろんあります。ですが、どちらかというと学園生活のほうに重点を置きたいと考えています。単に“ギルがたくさん稼げるダンジョン”というのではなく、文化祭や林間学校に絡めるなど、魔導院での出来事に触れるイベントのほうが楽しいんじゃないかなと。

▲魔導院教室

田畑 1クール目ではあまり大々的なことはできないと思いますが、2クール目からはそういった要素を充実させていきます。いまは、いろいろなキャラクターから依頼が受けられたり、バトル重視のイベントが多かったりするのですが、2クール目からは、ちょっと仕掛けのあるものを増やしていきたいですね。

――バトルに関して、今後追加されるシステムがあれば、お聞かせいただきたいです。

西田 チームコマンドの拡張を行う予定です。いまは“攻撃”と“集中”を選べますが、このコマンドの種類が増えます。

田畑 パーティーにいる候補生の組み合わせによって、3つ目のチームコマンド部分が変化するという形で開発を進めています。

西田 それと、ブレイクサイトとキルサイトに次ぐ3つ目のサイト“ギルサイト”を追加する予定です。

――効果が想像できますね(笑)。

田畑 ギルサイトを発生させる方法はまだナイショなのですが、それまでのバトルの戦いかたが重要になってきますよ。

全プレイヤーの中から、ひとりだけアギトが誕生する!

――先程、1クール目、2クール目というお話が出ましたが、『アギト』は定期的な配信でストーリーが進んでエンディングまで到達したら、ストーリーが最初からループするんですよね。その、頭からエンディングまでを1クールとしていると。そのあたりを改めて教えていただけますか?

西田 ストーリーは章ごとの配信になっていまして、現実世界の3ヵ月ほどの期間で、『アギト』の世界のストーリーを1巡することになります。『零式』をプレイした方ならご存知かと思いますが、エンディングを迎えて、世界が滅びるところまでがひとつの歴史になっています。そして、そのあいだにプレイヤーに提示される選択肢の答えによって、ストーリーが変化していくんです。プレイヤーの意思が入ることにより、『零式』とは異なる歴史となり、アギトが誕生することになります。

田畑 そうそう。『零式』って、アギトを生み出すと言いながら、アギトが存在していなかったんですよね。何億回も輪廻をくり返していっても、アギトは生まれずに螺旋が終わってしまった。あのままだとまずいんじゃない? と。それでアギトをちゃんと作ろうと(笑)。

――そういえば(笑)。

田畑 ですので、今後どこか途中で歴史が変わり、アギトが生まれる歴史に向かうことになります。

西田 これは、プレイヤーの皆さんの中からアギトを誕生させて、それを『零式』の歴史に載せてしまおう、という試みですね。

――おもしろいですね。では、アギトは『零式』のキャラクターたちの中から生まれるのではなく、プレイヤーたちの中から生まれると。

田畑 むしろ、プレイヤーがアギトになるために、みんなで頑張っていくという感じです。

――アギトになるって結局どういうことなんでしょう? 救世主と呼ばれていますが……。

西田 ゲームシステムとして、話すとちょっとネタバレになってしまいますね(笑)。

――では、アギトはプレイヤーの中から、どのくらいの人数がなれるものなのでしょうか?

西田 ひとりです。最終的に、全プレイヤーの中からアギトがひとり生まれて、この『アギト』というくり返しの世界を救済する、ということになります。

――まさに、選ばれしプレイヤーのみがアギトになり、世界を救うと。それともうひとつ、本作の特徴的なシステムに、プレイヤーに提示される選択肢の答えによって、ストーリーが変化していくという“決断”がありますよね。このシステムによって、ストーリーはどう変化するのでしょうか?

田畑 結末が変わってきます。選択肢は、いま配信しているものよりも、キャラクターに寄ったものが増える予定です。たとえば、エイトはAという作戦に参加するけど、ナインはBという作戦に参加する。あなたはどちらに参加しますか、といった感じですね。歴史がループしたときに、筋書きがかなり変わるというのがわかっていただけますよ。

――では、もしエイトの作戦に参加したら、エイトが活躍する歴史になる、というような?

田畑 そうですね。ナインどうなっちゃうんですかね(笑)。そうやって、歴史の結末をある程度プレイヤーに委ねています。また歴史によって、目立つキャラクターが変わるというのはありますね。輪廻を重ねると、キャラクターの設定も変わったりしていきます。ナインがガリ勉キャラになったりとか(笑)。

――えっ(笑)。それは、くり返しのプレイになっても先が楽しみになりますね。

田畑 パラレル要素を楽しみながら、プレイヤーといっしょに歴史を作っていくことは、アギトに到達するという本来の目的と、うまく融合させていけるんじゃないかな、と考えています。

――でも、パラレルですと、ファンの中で「このキャラクターは、こんなんじゃない!」といった声も出てくるのでは?

田畑 パラレルの世界では、そのキャラクターのファンが見てもイヤじゃない“if”を作っていくというのが重要だと思います。ナインのガリ勉バージョンは、ナインファンの方も納得してくれるんじゃないかな(笑)。

――確かに、ちょっと見てみたくなりました(笑)。

田畑 原作のファンを大事にしながらうまくアレンジするために、そのあたりは『零式』のノベライズを書いていただいた月島(総記)さんにお願いしています。

拡充される学園生活と、気になるスカートの中身

――『アギト』は、ビジュアル面がリッチなことも特徴ですよね。

星野 現実の時間とリンクして風景が変化していくなど、この世界をより身近に感じていただけるように、そういった部分には力を入れていますね。

――そして星野さんと言えば、パンツ……(※『零式』の女子キャラクターのパンツはかなり描き込まれていることで有名。すべて星野さんがデザインした)。

星野 そうですね(笑)、『零式』といえばパンツを期待される方もいると思いますが、今回は狙って見るのが難しいんです。たまたまフレンドが戦闘不能になったときに、カメラの角度的に見えて「履いてる!」と、撮影に成功したユーザーさんがいました。

――その瞬間を。ゴッドフィンガー!(笑)

星野 ほとんどの防具は、パンツは純白の清楚な感じのものなんですよ。でも、じつはいくつかの防具は、ちゃんと衣装に合わせた下着をつけているんです。どの防具なのかは、探すお楽しみということで、ナイショにしておきたいと思います(笑)。ただ今回は、自分で操作して見られるわけじゃないので、かなりのラッキーが重ならないと見られないと思います。しかも、ちょっと入手が難しい服ばっかりです。

――それは、このゲームの中でいちばん難しい任務かもしれないですね(笑)。パンツのワクワク感もそうですが、魔導院の生活もテキストベースのイベントが細かく仕込まれていたりして、MMORPGのように生活感を楽しめるのも大きな魅力だと感じます。

田畑 本作は、“アギトを誕生させよう”ということと、“『零式』のキャラクターと、もっと日常的にコミュニケーションができるようなゲームを作ろう”ということがそもそもの大きな軸になっています。学園生活を充実させていくというのは、最初からコンセプトにしていたので、これからもいろいろと仕込んでいきます。たとえば絆値をある程度上げると、そのうち寮の自室にキャラクターが遊びにきてくれるようになる予定です。

――な、なんですと!? ますます今後が楽しみです!

田畑 まずは、ユーザーさんのペースで、安心かつ安定して遊べるようにするというところが大前提ですね。一度離れてしまったユーザーの方も、「そろそろアギト落ち着いたんじゃないの?」と思うころに、また触っていただけたらうれしいです。

『ファイナルファンタジー アギト』

ジャンル
RPG
メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
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