「すべてのリスクはgumiが負います」gumi主催のモバイルゲームコンテストが開催
2014-05-01 15:00 投稿
あらゆるゲーム開発者をgumiがサポート
2014年4月23日、gumi主催による“gumi モバイルゲームコンテスト2014”の開催が決定した。本コンテストは、魅力あふれるモバイルゲームの企画を広く募集し、優秀な作品に対してはgumiによるゲームパブリッシャー/デベロッパーへの出資だけでなく、ファイナンス、パブリッシング事業全般など、長期的に広く関わることを想定した大がかりなプロジェクトとなる。ファミ通Appでは、gumi代表取締役社長の國光宏尚氏にインタビューを実施。コンテスト開催に至った経緯や目的、その先にあるビジョンをうかがった。コンテストの詳細はいちばん下で紹介!
gumi代表取締役社長 國光宏尚氏 |
すべてのリスクはgumiが負います!
――まず、今回のコンテストを実施することになったいきさつや、狙いを教えていただけますか。
國光:いまスマートフォンやタブレットのゲームが、世の中に一気に広がってゲーム人口が急増していることがきっかけですね。家庭用のゲームの歴史を見ても、いちばん売れたハードはプレイステーション2やニンテンドーDSの1.5億台くらいですが、それに対してスマートフォンやタブレットは30~40億台。単純にゲームに触れる人が、一気に20~30倍に増えていると考えられます。
――ゲーム人口は急拡大してると言えますね。
國光:日本のように昔ファミコンをやっていた人たちがたくさんいる国もあれば、韓国や中国のようにPCオンラインゲームが大流行していたり、アメリカや欧米コンシューマーではFPSが好きっていう傾向がありますよね。でも一方で、スマホを通じて初めてゲームをするという人がいちばん多くて、20~30億人いると言われています。
――初めて触ったゲーム機がスマホ……新規のゲームユーザーになり得る潜在的な層がすごく多いですよね。
國光:そうなんです! でも、それだけ多様性があってグローバルに広がる余地があるにもかかわらず、現在はほとんどの会社が日本の市場しか見ていない。『パズドラ』が良く出来過ぎているので、それをベースにしたものしか見ていないから、『パズドラ』のRPG部分をより強化するか、『パズドラ』のパズル部分のギミックをどう変えるかっていう部分に終始してしまっている。
――確かに昨年からその傾向はより強まっていますね。
國光:当然、RPGというのはひとつの大きなジャンルです。ただ、せっかくユーザーが30~40億人と広がっているんだったら、もっと広く新しいゲームジャンルをどんどん作っていくチャレンジが必要なんじゃないかなと。最近は外部のメーカーさんといっしょにゲームを作ることも増えてきていて、「なんで自分の会社で作らないの?」と聞くと、「(自分の作りたいゲームの企画書の)社内稟議が通らなくて」と言うんです(笑)。
――その話、よく耳にしますね……(笑)。
國光:そういう人たちによく話を聞いてみると、いろいろなジャンルのゲームを作りたい人がかなりいるんですよね。日本って、ゲームの創世記からアーケード、ゲームウォッチ、家庭用ゲーム機などといった具合に、あらゆるジャンルのゲームを経験してきた国なんです。クリエイター側もユーザーもそれらを体験しているというのはかなり希有なことですよね。その経験によるアイデアがあるにも関わらず、作ることができないという現状があるんです。
――そこで今回の話が出てくるわけですね。
國光:そうなんです。もったいないと思ったんです。さきほど話したように、海外だと流行のジャンルが偏っているんですが、自分がやったことのないゲームのジャンルを作るのってけっこう難しいと思うんですよね。日本のクリエイターたちはあらゆるジャンルのゲームを体験して、それを実際に開発できるというアドバンテージがあります。初めてゲームを遊ぶ人たちに向けたゲームを作る能力で言えば、日本が圧倒的に上だと思うんです。
――なるほど。
國光:会社側がリスクを負えないというのであれば、そのリスクはすべてウチが引き取ろうと! それともうひとつ。せっかく才能あるクリエイターがいっぱいいて世界中にチャンスが広がっているのなら、日本向けだけに同じようなゲームばっかり作っていても意味がないと思うんです。ですから、新しいタイプのゲームを作る才能のある人とコラボレーションしようという狙いがあります。
――海外展開も視野に入れていると。
國光:それは、もちろん。ウチの会社は、一昨年くらいから“グローバル”と“ネイティブ”というふたつのシフトを進めています。昨年は『ブレイブ フロンティア』や、韓国でヒットした『進撃1942』が海外展開していて、海外の売上げが今にも日本の売上を抜きそうなのです。日本の市場は大きいといえば大きいんですけど、ゲームビジネスやエンタメビジネスって可処分所得じゃないです か。なので最終的な市場規模って、ひとりあたりのGDPと人口に収束していくと思うんですよね。
――海外展開でもっとも数字が高いのは、やはり韓国ですか?
國光:最初は韓国がトップだったんですが、いまはアメリカ、そのつぎが韓国、台湾、タイといった感じですかね。(両タイトルともに)今後は中国とヨーロッパにリリースします。とはいえ、ローカライズ、カルチャライズというのはそんなに簡単じゃないので、アジアは自信があったんですが、正直、欧米はコケるかなと思っていました(笑)。「アメリカはゴツいテイストが好みだから、日本のかわいらしいキャラでは無理」とよく言われていますよね。
――三頭身のキャラも無理だと言われますね。
國光:そうそう! それら要素を持った日本のRPGはよく“JRPG”と言われますが『ブレイブ フロンティア』はまさにJRPGそのものじゃないかと思っていたんです。でも、蓋を開ければiOSでもAndroidでも好調な売れ行きで。“おもしろいコンテンツだったらやっぱりどの国でも流行るんだ”と感じました。
――大事なのは中身だと。
國光:それに、アメリカにも世界中にも、JRPGが好きな人っていっぱいいるじゃないですか。その人たちにしっかりと届く営業やマーケティングでの努力をすることが大事。そう考えると、日本のゲーム会社はこれまで、どうしても国内市場を中心に見てしまって、世界中で売っていく努力が欠けていたじゃないかなと思ったんです。
――それには準備も必要ですし、リスクも伴いますからね。
國光:その点、弊社は2年以上かけてそれができる体制が整ってきました。体力的余裕もまた出てきたし(笑)、すべてのリスクを負う準備があります。
会社間コラボも大歓迎
――いままでにもアプリコンテストはいくつもあった気がしますが、正直大成功している感じはしません。過去のコンテストでは、何が足りなかったと思われますか?
國光:地味なんですよね。それに、コンテストをやっている側に、最後までリスクを背負ってそのゲームを仕上げるつもりがない。優勝賞金数万円とかになっちゃっているから、参加者側に「これを作りたい!」、「これは絶対にヒットさせる!」という強い思いもないし、主催者側にも「意地でも世界中でヒットさせるんだ」という意志もないのが原因なんじゃないかと思いますね。ただのアイデアコンテストになってしまう。ですから、今回のコンテストでは「おもしろければ予算は1億でも2億でもいくらでもつけます」という感じです。作品もアイデアベースではなくて、自分たちのところのスタジオを使って持ち込んでもらってもいいんです。
――それは個人の企画1本であろうが、インディーズ系で途中まで作っているという状況でも?
國光:もちろん。メーカーさんの社員でもいい。たとえば、あるメーカーさんで“これをやりたいけど、残念ながら社内で企画は通らない。でも勝算はある!”というタイトルがあれば、ますはgumiが出資するから、制作費で利益は出ますと。そのうえで“最終的に成功してリク―プ(損失回収)したあとの成功報酬もあるから”という話にすれば、社内を通しやすいと思います。
――それはおもしろい。会社間コラボのような形もあり得ると。
國光:あります。通りにくいリスクのところはすべて背負います。
――自社の社長に「gumiさんが出資してくれるんでこの企画をやらせてください」といったことがあるということですね。
國光:あり得ます! 上場されている会社さんですと、なかなかリスクが負えなくて、ナンバリングタイトルばかり出してしまうこととかあるじゃないですか。その点ウチはベンチャーですし、リスクはとりやすい。作った後で成功すれば成功報酬を出す用意はありますし、夢(大ヒットしたとき)のアッパーサイドのほうもありつつ自分たちが作りたいものを作れる場所を提供できると思います。
――アッパーサイドの報酬は、タイトルによって変えていくという形ですか?
國光:予算に応じて多少変わるとは思いますが、セコくないくらいは払いますよ(笑)。
――プロモーションの方法や費用面で問題を抱えていたインディーズ系のメーカーさんにもうれしい話ですね。ちなみに、この企画で誕生した作品は、gumiさんのブランドで出される形になりますか?
國光:パブリッシャーとしてはgumiが立ちますが、ご本人や開発会社さんの名前は並列で出すこともできます。
求めているのは尖っている作品
――國光さんが“おもしろければ関係ない”と振り切って考えるようになられたきっかけは?
國光:いま世界のトップ3と言える『パズドラ』、『キャンディークラッシュサーガ』、『クラッシュ・オブ・クラン』は、3つともまったく似ていない。世界規模で見ると、日本人で流行っているジャンル以外のゲームが溢れているんです。世界のトップに立てるようなゲームを作るには、固定概念にとらわれない発想が必要だと思ったんです。
――ということは、求められているのは尖ったジャンルのゲームに?
國光:そっちのほうが好ましいですね。ゲームのジャンルって山ほどあると思うんです。日本のモバイルでは、空き時間に気持ちよさを味わえる、俗に言う“ポチポチ”が流行りました。それはそれでひとつのゲームのジャンルだと思うんですが、最近話題になった『Flappy Bird』を見ても、そもそもゲームのおもしろさって、上達する楽しさが根底にあると思うんです。でも最近はなかなかそういうゲームが出てこない。
――『Flappy Bird』は編集部でも一気に火がつきました。実力を誇示しあってゲームが口コミで広がっていく……これがゲームの原点なのかなとも思いましたね。
國光:そうでしょう~!
――業界ならではとして、『クラッシュ・オブ・クラン』のようないわゆる”洋ゲー”も家庭用ゲームだと浸透しにくいと言われていましたが、スマホだと関係ないんですよね。
國光:そうなんですよ。『ブレイブ フロンティア』がアメリカで流行ったのも同じです。JRPG的なものが海外で流行らないとか洋ゲーが日本で流行らないっていうのは、ユーザーが決めたわけじゃないと思うんですよね。じつは『ブレイブ フロンティア』をアメリカやヨーロッパに出すときに「これ100%イケるからやらせてくれ」って言ってたのはうちのフランス人のメンバーなんです。彼はもともと『ファイナルファンタジー』ファンで、つまりJPRGが好きだったんですよ。
――それはおもしろいですね。海外展開の際、ローカライズに関しては日本からあまり口は挟まないんですか?
國光:原則、挟みません。日本チームの目的は、日本人向けにゲームを作って日本で勝つ、韓国は韓国人向けに作って韓国で勝つ、中国は中国人向けに作って中国で勝つ。その中で『ブレフロ』のようなヒット作が出ると、当然その国で勝つノウハウはあるわけだから、ゲームを完全に渡しちゃって、彼らなりにしっかり運営してもらいます。もちろん、ゲームのおもしろさの本質が伝わらないと意味がないので、プロデューサーやディレクター、エンジニアのリーダーとはしっかりと意思疎通をしたうえで。
――“餅は餅屋”というスタイルですね。
國光:それでも欧米でまだ300万ダウンロードですから、世界の人口から見たらグローバルなニッチ層かもしれません。でも、世界中で合わせると凄い人数になる。そういった層の人たちにゲームを届けてあげると、おもしろければやってくれると思うんですよね。
――我々メディアも含めて、ゲームの存在を伝えることが大事ですね。
國光:これだけ市場が伸びて、しかも今後ユーザーが30億人まで伸びて、その中でDAUが10万とかになれば採算は取れる。まず、世界で10万DAUとりましょうってことです。
――わかりました。将来を見据えるという意味では、gumiさん本体から出されるタイトルも重要になると思うのですが、来季はどのくらいのタイトルをリリース予定ですか?
國光:いまはミドルコアなタイトルを22本くらい、カジュアルゲームを7本くらい仕込んでいますね。実際にどのくらい出るかはわかりませんが(笑)。ジャンルもいろいろありますよ。
――攻めてますね~! 最後になりますが、コンテストに参加する意欲のあるゲームクリエイターに向けて、ひと言お願いします。
國光:『パズドラ』っぽくない作品を待っています(笑)。『パズドラ』のRPG部分を強くするだとか、パズルのギミックを変えるとかではないゲームを! ジャンルは問いませんし、いい作品であれば何本でも採用します。ただ、逆にひとつもない可能性もありますけどね(笑)。
gumi モバイルメディアコンテスト2014概要
※以下、リリースより抜粋
集え、明日のモバイルゲーム!gumi モバイルゲームコンテスト2014開催のお知らせ
株式会社gumi(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:國光宏尚、以下gumi)は、国内外のゲームパブリッシャー/デベロッパー等が企画開発をおこなうモバイルゲームを対象に、「gumi モバイルゲームコンテスト2014」を開催することをお知らせいたします。
本コンテストでは、魅力あふれるモバイルゲーム企画を広く募集し、優秀な作品に対しては、gumiとしてゲームパブリッシャー/デベロッパーへの出資、プロジェクトへのファイナンス、パブリッシング事業全般の実施等、さまざまな形で関わってゆく可能性も想定しております。
昨年より、「ブレイブ フロンティア」(株式会社エイリムが開発)や「進撃1942」(gumi Koreaが開発)等、gumiグループのネイティブアプリがgumi各地域拠点の積極的な運営/マーケティング施策により、米国、東南アジア各国、台湾、韓国等で大ヒットを記録しております。gumiグループとしての強固なパブリッシング体制が構築されたことで世界進出の下地が出来上がり、今後も欧州や中国を含むグローバル規模でビッグタイトルが続々リリース予定です。gumiと組むことで、日本国内はもとよりグローバルでのスピーディな展開も視野に入れることが可能です。
魅力的なコンテンツを企画・準備中のゲーム会社やクリエイターの皆さん、この機会に是非本コンテストにご参加ください。
本プロジェクトについて、gumi代表取締役社長の國光コメント:
「是非、『gumiと組んでみたい』『gumiの力を借りたい』とお考えの会社様、プロデューサーの皆様、どしどしご応募いただきたく存じます。魅力あるモバイルゲームに対しては、我々は最大限のお手伝いをさせていただきます!」
応募要項:
2014年6月30日23:59までに、下記内容を併記した作品企画書をメールでお送りください。
① 会社組織の場合は会社お名前
② プロジェクト代表者お名前
③ ご連絡先(メールアドレス/電話番号)
応募先のメールアドレス:contest@gu3.co.jp
※企画書のフォーマットは自由です。また作品の動画などもあればぜひお送りください。
※質問も受け付けるので、お気軽にご連絡ください。
※未発表であれば開発途中、開発済みでも構いません。
企画書を元に弊社で一次審査を実施させていただき、結果については2014年7月30日までに弊社から連絡を差し上げます。
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