【UNITE JAPAN2014】ゲーム開発を影で支えるミドルウェアの力をとくと見よ!

2014-04-07 22:32 投稿

たくさんのゲームで採用されています

ここではCRI・ミドルウェアの講演”刺激的で魅力的! スマホで増える、演出へのムービー活用”の内容をお届けする。CRIはファミ通Appの連載”CRI幅朝徳のひらけ!ブラックボックス”を読んでいただいている方はご存知かもしれないが、ゲーム機で使われる「ミドルウェア」を開発&提供する開発会社。そもそもミドルウェアって……という人もまだいるかもしれないので、ぜひ本記事でその力の一端を学んでみてほしい。

ゲームとムービーを結びつけるSofdec2

まずはこちらをご覧いただきたい。これは現在CRIのミドルウェアを採用しているスマホタイトルの一部だ。ファミ通Appでおなじみのタイトルも多いが、好きな人はパチスロ系のタイトルが多いのにもお気づきだろう。演出で動画を多用するパチスロ系のタイトルは、今回紹介するSofdec2との相性が非常に良いためだ。

CRI・ミドルウェア研究開発部の柴田修作氏がSofdec2を説明してくれた言葉を引用すると、Sofdec2を使えばムービーをテクスチャーとして使うことができるというのだ。

こちらの画像の左には女性のカードが表示されているが、じつはつねに女性が動いている。これはカードの台紙の上に動いている動画を貼り付け(テクスチャー)ている。タップするとカットインが入って敵を攻撃するが、これもまた別の動画をスムーズに再生しているというものなのだそう。

今度はオセロゲームを使ったダンジョンRPGのデモ。カット・インする動画は透過処理がかけられていて、後ろが透けて見えている。このように、Sofdec2を使うことで非常にリッチな再生機能を手軽に扱うことができるそうだ。

▲いわゆるゲーム的な演出にはもってこいの機能ばかり。ゲーム開発者なら「使ってみたい!」と思うのではないだろうか。

採用事例

・ドラゴンリーグA

ファミ通Appでも人気の『ドラゴンリーグA』。バトルシーンなどにSofdec2を活用しているそうだ。ちなみに『ドラリー』では初期段階からの採用ではなく、アップデート後からの採用なのだそう。つまり、あとからでも容易に組み込めるのがSofdec2の特徴のひとつとなっている。

・ワンダーフリック

動画コンテンツ『角満&中目黒のこれ、知ってる?』でもおすすめした『ワンダーフリック』では、バトル画面の一部に採用されている。このような細かい使い方も可能なのだ。

・双刻のレガリア

いわゆるカードタイプのバトルゲームだが、バトルシーンのほとんどの部分でSofdec2が活躍している。ガチャシーン同様に連続的に活用されており、おかげで非常に豪華な演出を組み込むことができている。

豪華な演出を簡単に

負荷の少ない豪華な演出を簡単に作れるのもSofdec2の得意とするところだ。”抜く”アルファ合成と”光”のような加算合成をひとつの映像に取り込むことも可能で、エフェクトのありとなしの2種類の素材を用意するだけで動画が完成する。

▲Unityとのマッチングもクリアーしている。Unityのオブジェクトに貼り付けるだけで使用可能。
▲リッチコンテンツを取り入れたいならいいことづくめのSofdec2。

音声を自在に操るadx2

続いては音声に特化したミドルウェアの”adx2”の紹介を同じく研究開発部の櫻井敦史氏が行ってくれた。adx2はゲーム向きのHCA-MXというコーデック(複数再生時も低負荷)を扱うことに長けたミドルウェア。

採用事例

・ワンダーフリック

コンシューマーゲーム並みのリッチなコンテンツを希望するレベルファイブ側の要望に応えるためにadx2を採用したことで、豊富なサウンドデータを約10分の1のサイズに圧縮することができた。

▲音楽を使った多彩な演出もadx2を使うことで実現できた。

・ガンズアンドソウル

音楽を強烈にフィーチャーしたラン系ゲーム『ガンズアンドソウル』でもadx2は活躍している。多数のサウンドを使うゲームにおいて苦労するバランス調整も、ツール上で確認して調整することができるadx2の採用で負担は激減したそうだ。

・Republique

『Republique』の事例では、実際のプロジェクトデータを見ながらadx2の機能を見せてもらった。かなりサウンドにはこだわったゲームのようで、本を落とす音だけで5種類用意されており、それがランダムに選択される仕様になっている。ランダム再生はもちろんadx2の機能のひとつだ。

▲複数のトラックをスライダーの調整で自然に切り替えることができる。通常状態⇒緊迫状態の切り替えなどに使われるものだが、実際に耳にすると自然すぎて驚いてしまう。

映像のSofdec2同様に、音声のadx2でも多彩な機能を簡単に使うことができる。使ってみたいと思う開発者もいるのではないだろうか? ちなみにadx2に関してはライト版も存在している。

▲登録なしで使用可能。個人開発者などの使用にも対応している。太っ腹!

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