【動画あり】独占スクープ! メディア・ビジョンが贈るスマホ向け“王道RPG”がベールを脱ぐ

2013-09-06 15:42 投稿

DeNAとタッグを組んだ『マジック&カノン』

2013年8月22日、日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2013”にて、ディー・エヌ・エーの小林賢治氏によるセッションが実施。そのセッションの中で、さまざまな企業との取り組みの一環として、メディア・ビジョンとスマートフォン向けRPGを開発していることが明らかになった。

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メディア・ビジョンと言えば、セガのPSP用ソフト『シャイニング・アーク』や、ソニー・コンピュータエンタテインメントの『ワイルドアームズ』シリーズなどを手掛けてきた、家庭用ゲーム開発会社の老舗。過去にスマートフォン向けRPGであるスクウェア・エニックスの『ケイオスリングス』シリーズを開発した実績も持ち、“RPGの会社”として業界内での認知度は高い。
今回、そのメディア・ビジョンとDeNAによる完全新作RPGを、ファミ通Appが独占スクープ! タイトル名は『マジック&カノン』。画面写真などを初公開するとともに、両社のキーマンであるメディア・ビジョンの中澤伸雄ディレクターと、DeNAの馬場保仁氏に直撃インタビューを敢行した。また、記事後半ではゲームのプレイ動画やスクリーンショットも掲載しているので、最後までお見逃しなく!

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▲DeNAの馬場保仁氏(写真左)とメディア・ビジョンの中澤伸雄ディレクター(写真右)。『マジック&カノン』を手掛けるキーマンのふたりにお話をうかがった。ふたりの中央に置いてある造形動物は、本作で動物キャラクターデザインを担当する、造形作家の鎌田光司氏が作ったゲーム内キャラクターだ。

 

――DeNAさんがネイティブアプリで本格的なRPGを手掛けられるのは初めてだと思います。出そうと思ったきっかけから教えてください。

馬場 これまで、DeNAでも海外向けにはネイティヴアプリを出してきました。しかし、国内に向けてはきちんとした形で本格的なゲームをあまり提供できてい ませんでした。まさに今数多くのネイティヴアプリの開発がすすんでおり、そういった状況の中で、DeNAとしてメディア・ビジョンさんのようなプロフェッ ショナルな方々と組んでお仕事することができれば、皆さんにも新しい喜びと体験を味わっていただけるのではないか? と考えたのがきっかけです。先日の弊 社小林の講演でも触れていたとおり、今後DeNAではネイティブ、ブラウザにかかわらず、さまざまな会社さんとの取り組みを考えています。既にCEDEC で小林がいくつかの取り組みを発表しましたが、『マジック&カノン』はその中の大事な矢の1本目というわけです。だからこそ、最初からアクセル全開で、安 心して遊んでいただける“圧倒的な支持をうけるおもしろいゲーム”を世に贈り出さなければならない。そういったことを踏まえ、メディア・ビジョンさんとご 一緒させていただくことになりました。

――数ある家庭用ゲーム開発会社の中でメディア・ビジョンさんに目をつけられた理由は?

馬場 社内で『マジック&カノン』というタイトルを作ろうと思ったときに、誰の目から見ても「これはRPGだ」、「RPGってこういうものだよね」といった、本格感、王道感を出したかったんです。そう考えたときに、ちゃんとしたRPG開発のプロに作っていただくのがいちばん結果を出しやすいと考えたので、 メディア・ビジョンさんにお願いいたしました。プロ同士が組めば、こういうものが作れるんだ、ということをこの作品で証明したいと思っています。

――メディアビジョンさんは『ケイオスリングス』でスマートフォン向けRPGの経験はあるものの、基本プレイ無料のタイプは初めてだと思います。この話が来た時の率直な感想は?

中澤 おっしゃるとおり、基本プレイ無料のものの開発は初めてです。ソーシャルゲームを遊んだ経験すらほとんどなかったので、最初は戸惑いもありました。ですので、DeNAさんといっしょにやりましょうということだけが決まった段階で、まずはソーシャルゲームを勉強するところから始めました。家庭用ゲームに特化していた会社なので、ソーシャルゲームはずぶの素人。いくつかおすすめのソーシャルゲームをうかがって、遊んでみるとこういう形のものもおもしろいよねと感じ始めてきて、仮の企画書などを作りながらようやく昨年末くらいにRPGをやりましょうということになりました。

――なるほど。ソーシャルゲームを遊ぶところからですか。

中澤 そのうえで、DeNAさんからはソーシャルゲームとRPGが融合したちゃんとしたものを出したいと考えていると。で、誰の目から見てもRPGっぽい RPG。“THE RPG”を作りたいということでした。そこから試作期間をいただいて、僕らが考える“THE RPG”を提示したところ、「まさにそれです」ということになり、そこからいかにソーシャルゲームとして融合させるかということに注力してきたという流れになります。馬場さんを始め、DeNAのスタッフの方たちにもメディア・ビジョンに足しげくおこしいただきながら、日々ソーシャルゲームの知見をうかがっ て開発を進めています。

馬場 こちらとしてもメディア・ビジョンさんと本当の意味でいっしょにやることの意義は大きいと考えています。 DeNAのスタッフが、これまで家庭用ゲームできっちり物作りをされてきた方たちの中に入って学ぶことは非常に多い。いっしょに作っていることによってわ かる、こだわりや情熱というものがあると思うんです。このあいだもうちの人間が怒られてました(笑)。「何年我々がRPG作ってきていると思っているんですか! ここはこだわりで譲れません」と。もちろん、わたしは納得いかなければ、中澤さんに率直に疑問をぶつけ、「なるほど、そういうことであれば」と理解をいただくことも、ままありますけどね(笑)。ただ、やはり、そういうぶつかり合いがあってこそ、「魂」が込められた作品になる。わたしが家庭用ゲーム 業界からソーシャルゲーム業界に来て感じるのは、決して手を抜いたり、妥協したりして作っているわけではないのですが、ソーシャルゲームの場合、どこかでスピードを優先するあまり、こだわり、の部分が薄まる瞬間がなくはないな、と。当然ダラダラ作っていればいいというわけではなくて、最初からきちんと設計 して作ってさえいれば、スピードもクオリティーも両立できると思うんです。家庭用ゲームは年単位で作ることが多いので、2週間の遅れは誤差のようなもの。 でも、半年くらいで作るソーシャルゲームの場合、2週間の遅れは誤差ではすまされない。そのスピード感をメディア・ビジョンさんとせめぎ合いながら開発し ています。物事の密度を高めていくことで、スピードもクオリティーも担保できる。そこはメディア・ビジョンさんとお仕事をさせていただいて、改めて自分も 勉強させてもらっているなと思っているところです。

――スピード感という点で、メディア・ビジョンさんはいかがでしたか?

中澤 試作品に着手したのが今年の頭。試作品は3月末と5月末に作り、5月末のバージョンでどうにかRPGの形になっているなというところまでは持ってき て、そこからソーシャルゲームと融合した形を模索してきた形です。そういう意味では、家庭用ゲームとはまったく違うスピード感だなと痛感しています。先ほ ど馬場さんがおっしゃったスパンという観点でいうと家庭用ゲームとは時間の進め方が違うなと痛感させてもらっているところですね。そこは戸惑った点でもあ りますし、ここは食らいついていかないと会社としても時代に取り残されることになると必死です。

馬場 いまは「運用がたいへんですよ」と脅しています(笑)。

中澤 (笑)。

馬場 運用こそメディア・ビジョンさんにとっては初めてのことなので。どういうスパンで開発をしていき、メンテナンスをどこで挟んで……といったことをいっしょにやっていければと思っています。

――基本プレイ無料でありながら、“THE RPG”を目指している『マジック&カノン』。家庭用ゲーム向けのRPGと作り方が違うポイントはどこなのでしょうか?

中澤 逆の観点の話かもしれませんが、基本プレイ無料だけどちゃんと本格的だと思っていただけたら強みになると思っています。無料であるからこそものすごく ちゃんと作れば、皆さんに認めていただけるかなと。無料であったとしても“ちゃんとしている感”を出すことを目指しました。

――では、本格的、きちんと作るという観点でおさえているポイントはどこになるのでしょう?

中澤 まず最初にグラフィック面が大事だと思うんですけど、初めて見てもらった時にそ「うわ、きれい」と思ってもらうことにはこだわりました。あと、画面写真を見ていただいたときに、「RPGだ」と直感的に感じてもらうことも重要なポイントだとは思っています。そのうえで操作性や動きが大事だと思うのです が、ちゃんとスマートフォンに特化したUIにしていて、ストレスなく遊べる作りにしているつもりでいます。

――RPGの場合、物語も重要になると思います。一般的にRPGであれば、エンディングがある。つまり物語に終わりがあると思うのですが、ソーシャルゲームはエンディングがないことが多い。そのあたりはどうなっているのでしょう?

中澤 スタッフロールが入るようなエンディングは入れていません。やはりそこを見てしまうと、そこで終わってしまう人もいるのではないかなという判断です。 ただ、お話として目指すべきところがあり、物語がいったん完結します。家庭用ゲームを作ってきた立場から言わせてもらうと、目指すべきところがあるという のはプレイのけん引力という面で強いと感じています。だから、エンディングというか物語にしっかり目的があって、それに向かってゲームを進めてもらうとい う、いわゆるRPG的な物語の終わりはあります。ただし、当然ストーリーを進めていくなかで、強い敵などに遭遇したときにいい装備やスキルがほしいといっ た気持ちになるはずなので、そこで体力回復やガチャを回してもらうといったソーシャルゲームの要素を盛り込んでいます。

馬場 ゲームの構造的にふたつの要素が入っています。メインシナリオを追っていくものとサブクエストの2本立てというイメージです。キーとなるクエストをクリアしていくこと でのシナリオが進行するシステムですが、サブクエストなどで経験値やアイテムなどを手に入れないとメインシナリオの敵が倒せない、ということがある。メインを進めるためにサブクエストがあって、サブクエストをプレイするとメインが進んで、といったサイクルですね。サブクエストはあとから追加していけるので、ソーシャルゲーム的な運用力を生かすことができるし、強いアイテムなどをそこで手に入れられるようにしています。

――メインのシナリオが終わったあとというのは?

中澤 強敵がたくさん出てくるクエストも用意しますし、メインシナリオの続きが楽しめるクエストなども用意しています。「あっ」と驚くような展開も考えていますので、ぜひプレイして確かめてもらいたいですね。

――メインシナリオだけを遊んだ際のボリューム、プレイ時間はどれくらいなのでしょう?

中澤 プレイの仕方にもよりますが、40時間弱くらいのボリューム。一般的な家庭用ゲームのRPGと変わらないくらいだと思います。

馬場 あくまでもそれは、メインストーリーの話ですから、メインだけでなく、サブクエストや育成なども遊んでいただくと、それ以上のボリュームになるので、 まさに家庭用ゲームのボリュームと遜色ありません。しかも、クエストは順次追加する予定なので、どんどん遊べることが増えるイメージですね。

――まさに“王道RPG”というわけですね。

馬場 フィールドを移動して会話をしてヒントをくれて、という要素が単なる記号ではなくて、RPGの文法でしっかり語られているというのが安心して遊べるポ イントだと思います。いわゆる日本のRPGの原体験を持っている人なら、誰もがすんなり遊んでもらえるようになっています。

中澤 いわゆる 王道RPGの原体験は、僕らの世代だとファミコンでRPGがワッと広まった頃にさかのぼると思うんです。あの時代のRPGの王道さをド真面目にいまの技術で再現してみよう。スマートフォンの技術で王道を表現したらどうなるんだろうと。そこに挑戦してみたかったんです。そのうえでテンポ感は、歴代RPGの中でも最速のものを作りたいと思っていたので、今回テンポ感にいちばん気を遣わせていただいています。あとはDeNAさんと共同でやらせていただいて、ソー シャルゲームと融合することで生まれるおもしろさ。昔のRPGは、ネットワーク機能はないのにクラスのみんなでいっしょに遊んでいた感があったと思うんで すよ。そのみんなでやっている感を出したいなと。そこもアピールポイントだと思います。そこは、家庭用ゲームのRPGではなかなか感じられない要素。この 作品の大きな魅力のひとつだと感じています。

――具体的に、ほかのプレイヤーとのソーシャル性はどういった部分に?

中澤 ほかのプレイヤーがバトル中に助けてくれる仕様になっています。具体的には、必殺技のゲージが貯まったらほかのプレイヤーの必殺技が使えるようになります ね。フレンドだけではなく、ランダムで表示されたほかのプレイヤーも連れていけるので、そこからどんどん輪を広げてもらうイメージです。

――フレンドとのメッセージの交換やチャットなどは?

中澤 そこはあえて外しました。テンポや取り回しの軽さにもつながるんですが、ヘビーな仲間づきあいは“重い”なと感じていて、そういったところを排除して もほかのプレイヤーと遊んでいる感が出せれば、それがいちばんよいかなと。すべてはテンポや取り回しやすさ、気軽に遊んでいただくことにつなげたかったんです

――“王道RPG”はどちらかというと腰を落ち着けてじっくるプレイするもの。一方ソーシャルゲームは空き時間にちょこちょこプレイするイメージです。どういうプレイスタイルを想定されていますか?

中澤 まさに先ほどの二部構成にした理由がプレイスタイル問題のひとつの答えなんです。時間がある人は、メインのストーリー進めるためにじっくり遊んでもらって、時間がない人は1回5分くらいで遊べるクエストをやってもらう。そこが家庭用とソーシャルの融合になっている成果のひとつだと思いますね

馬場 アプリのユーザー体験は“まだまだ遊べる”、”どこまで遊べるの?”という感覚をいかに持続させるかが大事だと思うんです。だからといって、2時間張り付かないと遊べないというゲームを作ってはならないと思っていて、ユーザーさんが好きなペースで好きなだけ遊べる。それがソーシャルゲームとしてもアプリとしても大事なところだと個人的には感じています。もちろん、1日5分を数回遊んでいる人ばかりではなくて、じっくり遊びたい人もいるはず。どちらかひとつのプレイスタイルを突き詰めるのではなく、どちらも用意する。それがメディア・ビジョンさんとDeNAがいっしょにやっていることの成果だと思っています。

 

『マジック&カノン』プレイ動画&スクリーンショットを括目せよ!

『マジック&カノン』では、動物たちが豊かに暮らす世界“アースリウム”の危機を救うために、小さな人間のような容姿を持つ種族“ミニニン族”のひとりである主人公が、さまざまなキャラクターたちと出会いながら不思議な冒険をくり広げる。

プレイヤーは、フィールドやダンジョン内で主人公たちを自由に駆け巡らせてお宝を集めたり、遭遇する敵とバトルをくり広げながら物語を進行。バトルは“攻撃”や“防御”、“特技”など、RPGおなじみのコマンド選択型で展開し、多彩な攻撃演出や敵キャラクターの個性豊かな動きが楽しめます。

また、本作ではネコやウサギ、トリといったさまざまな動物をモチーフにした“帽子”が装備品として登場。この“帽子”をかぶることで、それぞれの特殊能力が発動するシステムもこのゲームの大きな特徴だ。

【プレイ動画:フィールド編】

【プレイ動画:ダンジョン編】

【プレイ動画:ボスバトル編】

 

男主人公女主人公

 

動物キャラクターデザインを手掛けるのは……

『マジック&カノン』に登場する魅力的な動物キャラクターたち。ゲーム中における彼らをデザインを、造形作家の鎌田光司氏が手掛けているのも本作の特徴と言える。鎌田氏の造形動物が、ゲームでどのように再現されているのかは下の写真をチェックしてほしい。

鎌田氏デザインの造形『マジック&カノン』内キャラ

 

事前登録スタート! すぐに登録をしてインセンティブをゲットだ!

“王道RPG”『マジック&カノン』は9月配信予定で、現在事前登録の受付中だ。ソーシャルゲーム業界のトップクラスの実力を持つDeNAと名作RPGの数々を贈り出してきた実績を持つメディア・ビジョンの両社が織りなす新たなゲーム体験に大いに期待したいところ。登録をすると、写真の“帽子”がインセンティブとしてプレゼントされるので、RPGファンは事前登録をお忘れなく。

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マジック&カノン

メーカー
ディー・エヌ・エー
配信日
2013年秋配信予定
価格
アイテム課金制
対応機種
iPhone、Android
備考
開発:メディア・ビジョン
動物キャラクターデザイン: Kamaty Moon 鎌田光司

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