独占インタビュー敢行!『逆襲のドラゴンライダー』はこれまでにない取り組み

2013-06-11 12:00 投稿

●『逆襲のドラゴンライダー』のプロジェクトが誕生した経緯とは?

iOS向けに7月配信予定の『逆襲のドラゴンライダー』は、フロンティアワークスとメディアファクトリー、そしてショウゲートの3社による共同プロジェクトだ。映像やアニメ関連に強みを持つ3社がスマートフォン向けアプリで目指すものとはいったいなにか? フロンティアワークスの田邊康氏と開発を担当したマイティークラフトの坂本師哉氏に話を訊いた。現時点で明かせる『逆襲のドラゴンライダー』のギリギリ情報をお届け。

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フロンティアワークス 田邊康氏(右)
マイティークラフト 坂本師哉氏(左)

おふたりに立場を訊いてみたところ、「なかなか難しいんです(笑)。どちらもプロデュース的な仕事もこなしつつ、ディレクター的な仕事もしてい る感じですかね」(田邊氏)とのこと。いわばダブルプロデューサー&ディレクター体制といったところか。ちなみにマイティークラフトは『拡散性ミリオン アーサー』の開発元としてもおなじみ。

 

一般的なソーシャルゲームではつまらない

──『逆襲のドラゴンライダー』のプロジェクトが発足した経緯を教えてください。

田邊 もともとマイティークラフトさんとは、わたしが携帯コンテンツの事業部にいたときからお付き合いがあって、サーバーの運用をお願いしたりしていました。(その縁で)互いに情報交換しながら「弊社としてもソーシャルゲームをできないか?」と相談していった結果、『逆襲のドラゴンライダー』のプロジェクトがスタートしたという感じですね。昨年の5月くらいから準備を進めて、ゴーサインが出たのが10月くらいです。

坂本 田邊さんとは2009年ごろから「おもしろいことをやろう」という話をしていました。ただ、ネイティブのゲームを作る以上、クオリティーを高めようとすると、どうしても予算の規模が大きくなってしまうので……。

田邊 費用がどれくらいかかるのか見積もったところ、アニメが作れるくらいだろうと。

──そんなにかかるんですか?

田邊 アニメの製作委員会で、各社が出資する額とそんなに変わらない額になっていったので、「これはけっこう大がかりだな」という話になってですね。以前から、メディアファクトリーさんやショウゲートさんも何か新しいビジネスをやってみたいという話があったので、「ソーシャルゲームをやりませんか?」と提案して出資していただくことになりました。それで、『逆襲のドラゴンライダー』のプロジェクトも製作委員会の形式になっています。

▲本邦初公開となるメニュー画面。片手で操作できるようにデザインされている。

 

細かいところまで配慮の行き届いたゲームシステム

──ゲームを開発するうえで重視したことは何ですか?

田邊 「多くリリースされている一般的なソーシャルゲームではつまらない」と模索した中で、ユーザーがボタンをポチポチと押すだけのゲームではなく、かといって操作が複雑すぎない程度の落としどころをまず考えました。

坂本 試行錯誤はけっこうありました。ゲームシステムのベースを考えるだけで、2ヵ月はかかっています(笑)。参考例として、AndroidやiOSによくあるような物理演算系のパズルゲームや、ボードゲーム、チンチロリンなどが挙がっていまして、どれも手軽でわかりやすいんですけど、ただのギャンブルゲームに見えてしまったり、ゲーム性が単純すぎるところがありました。製作委員会の要望として、ユーザー自身が上達して成長を実感できる要素を加えたかったので、それをどうすれば実現できるか考えました。

──現在のゲームシステムに行き着くまで、紆余曲折はありましたか?

坂本 最終的には、いまのゲームシステムのベースはパッとひらめきで生まれました(笑)。そのあとに「ゲームとしてこういう要素は必要だよね」と肉付けしていったような形です。

──ユーザーインターフェイスにもこだわったとのことですが。

坂本 できるだけ電車の中とかでゲームを楽しんでいただきたいので、片手で操作できるようにしました。また、キャラクターを見てほしいという思いが強いので、(インターフェイスのデザインは)あまり主張しすぎないようにしています。

──画面演出についてのこだわりは?

坂本 一般的なWebベースのソーシャルゲームでは、たとえばガチャを引くときとか、キャラクターを合成強化するときに画面が切り替わって、FLASHのアニメーションが入ります。しかし『逆襲のドラゴンライダー』では、できるだけ画面の切り替わりを発生させないように気を配っています。たとえばキャラクターがレベルアップしたときも、ふつうは「ゲージがMAXになって、レベルアップのアニメーションが入って、結果画面が表示される」という(画面切り替えを挟んだ)演出が多いんですけど、本作ではゲージが表示されるところから演出が流れる形を取っています。

──通信の頻度は少なくなっているんでしょうか?

坂本 通信は少なくなっています。頻繁に通信する方式だと電波が弱い場所では遊びづらくなってしまうので、できるかぎり通信をなくして、演出もUIと同化させるような形にして、どこでも遊べるようにしています。

田邊 通信中も楽しいギミックがあります。画面をタップすると、「なんだこれ?」といったことが起こります。

──操作感はどうですか?

坂本 個人的にiOSの操作感が好きでして(笑)。可能なかぎり、iPhoneやAndroidの操作感と変わらないような感触にしています。

 

複数のストーリーが交錯する壮大な世界

──ストーリーもゲームシステムと同時進行で練り込まれたのでしょうか?

田邊 いちばん初めにストーリーの叩き台を作ったうえで、ライターさんに入ってもらって物語をどんどん構築していきました。公式ページ(⇒こちら)に掲載しているようなプロローグから、プロットまでいろいろ作ってもらったうえで、カードのイラストに着手したという流れです。

坂本 シナリオは3人の主人公でそれぞれ違います。各主人公のストーリーが、イベントなどを通して混じり合っていくような設定になっています。ストーリーの背景には、主人公たちが生きている時代の何百年も前から続く確執や、それぞれの国で王権を争ってきた歴史があって、戦争で両親を亡くし孤児院で育ったキャラクターとか、王家を捨てて現在に至るキャラクターとか、新人なのに天才ドラゴンライダーなんて呼ばれているキャラクターが、いろんなイベントを交えて、過去に起こったことを解き明かす物語になっています。

田邊 初めは意味がよくわからなかったことが、シナリオを進めると「こういうことだったのか」と徐々に読み取れるようになります。

──ストーリーの謎が、ゲームを進めたくなるモチベーションにつながりますね。

坂本 たとえば、主人公のひとり・イグローグは、隠された真実に薄々気づいていて、それを暴いていくようなシナリオになっています。しかし別の主人公・ダルジャンのシナリオでは、「世界のモンスターがどのようにして生まれたか」を探ることのほうが重要で、むしろ王家に協力するような流れになっていますね。

──自分が選んだ主人公以外のシナリオも体験できますか?

坂本 「ほかの主人公のシナリオも見たい」という要望は必ずあると思いますので、特定のタイミングまでシナリオを進めると、ほかのキャラクターのシナリオが解放されるようなシステムを予定しています。

──プレイヤーによってストーリーの進めかたに違いがあると思うのですが、そのあたりはどうバランスを取っていますか?

坂本 メインのダンジョンの進み具合で、シナリオの解放条件を付けていますが、(ストーリーの進行度とは別に)プレイステーション3のトロフィーのようなシステムで報酬がもらえるシステムを組んでいますので、ストーリーの進行が遅いユーザーもフォローできるかな、と思っています。

──ストーリーのボリュームはどれくらいですか?

坂本 かなり多いです。ストーリーは過去、現在、未来まで構想しているのですが、プレイヤーが半年から10ヵ月くらいプレイしてやっと見終わることができるくらいのボリュームになっています。それ以降のストーリー展開はいま思案中です。

 ▲深みのあるストーリーも本作の魅力。とにかく進めたくなってしまうこと請け合い。

 

作家の持ち味を生かしたキャラクターデザイン

──カードイラストのオーダーは、細かく決めていたのですか?

田邊 じつは、あまり決めていなかったんです。キャラクターの名前やスリーサイズ、性格といった設定を元に、作家さんにイメージしてもらって、まずキャラクターのラフを作ってもらいました。なるべく作家さんの味を出してもらいたかったので、構図などをこまかく指定することもなく、極力しばりの少ないお願いのしかたをしています。

──絵師さんにキャラクターデザインもお願いしたという感じですか?

田邊 物語が進むと登場するキャラクターについては、ほぼそうです。

──世界観が各絵師さんのクリエイティビティの集合体でもあるんですね。

田邊 そうですね。ある程度キャラクターにはイメージを持たせていますが、最終的には絵師さんの特徴を活かしてもらって、世界ができあがっています。こちらから細かく決めて、オーダーすることはないですね。各絵師さんの色使いや線といった味を尊重しました。

──ユーザーに注目してほしいキャラクターはいますか?

田邊 個人的には、進行役のエリートがイチ押しです。頭がいいので、まわりを小馬鹿にした態度を取るところが、キャラ的にはかなりすばらしいなと(笑)。

坂本 わたしのおすすめは、シュネというドラゴンの女の子です。製作委員会でも本当にイチ押しのキャラクターで、アプリのアイコンもシュネになることが決定しています。

田邊 シュネはおとぼけキャラですね。エリートといっしょに人気が出ると思います。

▲魅力的なキャラクターも本作を盛り上げる。

 

『逆襲のドラゴンライダー』の今後の展開は?

──本作を開発するうえで、3社の強みが活かされたのはどのようなところですか?

田邊 まだゲームがリリースされていなくて、じつはまだ見えてない部分もあるんですけど(笑)。ソーシャルゲームは各社が初めてなので、このプロジェクトをステップにして、これからアニメ化や商品化につながると、さらに各社の強みが出てくるという感じですね。開発にはこだわりを持つスタッフが揃ったので、クオリティーについては安心しています……坂本さんはしんどいでしょうけど(笑)。

──オリジナルタイトルにこだわった理由は?

田邊 アニメの版権を使おうとすると、元のアニメがだいたい(スケジュール的に)カツカツで作られているので、ゲームに使える素材も限られてしまいます。それではユーザーが納得しませんし、いいものが作れないだろうという考えが前提にあったので、これだけの会社が集まるんだったら、初めからオリジナルタイトルを狙おうと思いました。

──志の低いゲームにはしたくなかったんですね。

坂本 過去に版権モノのソーシャルゲームを他社さんといっしょにやらせていただいたんですけど、けっこう苦労されていました。あと、権利元さんからなかなか回答をいただけない場合もあります。そういった点では、『逆襲のドラゴンライダー』の製作委員会は、決定が早いと思いますね。

──開発を進めていて、苦労されたことは何ですか?

坂本 アルファ版、ベータ版と開発を進めていく中で、思い描いているようなクオリティーをなかなか出せなくて、どうよりよくするか現場に伝えることと、結果をすべて自分の目で確認するのが大変でした(笑)。わたしはデザインの専門家ではないので、デザイナーへの伝えかたに苦労しましたし、現場も(伝えた内容を)汲み取るのが大変だったと思います。とはいえ、いっしょにいろいろなプロジェクトで苦労をともにしてきただけあって、互いに言っていることを理解してなんとか乗り越えられたと思います。

田邊 みんなが納得できるようなものがようやくできましたね。

──事前登録キャンペーンでもらえる“称号”は、どのようなものですか?

坂本 プレイステーション3の“トロフィー”や、Xbox 360の“実績”のように、ユーザーのプロフィールと紐づけられるものです。称号には効果のあるものとないものがありまして、事前登録キャンペーンでもらえる“新時代の先駆者”は、一定期間、ゲーム内通貨の入手量が増える効果があります。そのほかにも、特定の称号を手に入れることで特別なダンジョンに入れるようになったり、ホーム画面のグラフィックを変更したりすることが可能です。

田邊 シリアルナンバーを入力してもらえる特典用の称号だけでなく、たとえばバトルで50チェイン(連鎖)を達成するともらえる称号もあります。

坂本 チェイン50回の称号を得るためには、それとは別にコンボ数を伸ばす効果のある称号を手に入れると達成しやすくなります。

──称号は何種類くらいありますか?

坂本 初期は60種類ですが、随時追加をして、まずは100種類くらいにしようかな、と考えています。

──最後に、読者に向けて、本作の見どころをお願いします。

田邊 『逆襲のドラゴンライダー』は、いままでにないソーシャルゲームだと思います。プレイしてみたら「いままでこういうゲームはなかったな」と、思ってもらえるはずです。絵師さんのイラストもすばらしいですし。ぜひとも楽しんでください。

坂本 私としては、『逆襲のドラゴンライダー』は、ほかのゲームではできなかった機能を入れられたコンテンツになるのかなと思っています。ログインボーナスなど、どの仕様にもひと味スパイスを加えています。そのチャレンジがどう転ぶか、まだわからない部分はあるんですけれども(笑)、本当にいいものになるのではないかと思います。期待していてください。

冒頭でもお伝えした通り、『逆襲のドラゴンライダー』は、まずはiOS向けに7月配信を目指して開発中。ただいま事前登録受付中なので、この機会に申し込んでみてはいかが?

 

『逆襲のドラゴンライダー』事前登録受付はこちら

※画面は開発中のものとなります。

逆襲のドラゴンライダー

メーカー
フロンティアワークス
配信日
2013年7月配信予定
価格
基本プレイ無料、一部アイテム課金
対応機種
iPhone、iPod touch、Android(順次リリース予定)

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