ソーシャルゲームはLight(軽く)でRich(豊か)な表現へ――gloopsステージ講演【TGS 2012】

2012-09-21 00:20 投稿

●ソーシャルゲームは転換期

2012年9月20日、東京ゲームショウのgloopsブースで行われた、“gloopsゲーム開発の行方”と題された講演をリポートしよう。この講演を行ったのは、株式会社gloops ソーシャル事業本 部システム基盤部 サーバーエキスパートの大和屋貴仁氏。大和屋氏は、gloopsは今後、技術的にどういった点に重点を置いていくのか、次のように語った。

■gloopsはソーシャルゲームの特徴は3つあると考えている。
5分:1回のプレイが5分程度でも成り立つ
ループ:終わりのないゲームデザイン
コミュニケーション:ユーザー間のコミュニケーション

■ソーシャルゲームはモバイルWebと言い換えることができる。
理由:プレイ端末はモバイル端末で、回線は3GやWiFi、開発言語はHTMLやJavaScriptなど

■ソーシャルゲームの状況としては、ユーザーの目が肥えてきている。
原因:ゲーム数、プレイ日数の増加など

■ソーシャルゲームはリッチな方向へ向かうのか?
コンシューマーゲームはとてもリッチな方向へ向かっているが……

■ソーシャルゲームには技術的な制約がある。
・回線速度が速くない
・端末が多様で性能にバラつきがある
※コンシューマーゲームと同様の方向に進むのは難しい

■ソーシャルゲームはLightでRichな表現へ進むと考えている。
豊かな表現の方向に進むはずだが、ダウンロードに時間がかかりすぎるとソーシャルゲームの特徴と一致しない

■それに対応するために、gloopsでは、UI(User Interface/ユーザーインターフェース)と、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)チームを結成した。
従来は、3人のプランナー、3人の開発者、3人のデザイナーの9名でゲームを開発していたが、今後はこれにUIチームとUXチームがプロジェクトに加わって開発していく。

■UI、UXチームのミッション(1):リッチユーザーインターフェースの改善
まず目的を明確にし、プレイデータを分析し根拠を揃えて、いま何をしなければいけないのか? 成功した状態はどんな状態か? 達成するには何をしなければならないか? をはっきりさせてから、改修にかかる。

■UI、UXチームのミッション(2):ライトユーザーインターフェースの改善
・リクエスト回数の削減:パーツの数を減らす、流用する。
・独自ライブラリの開発:必要な機能だけの軽量ライブラリを作り、データ容量を減らす。
・HTML5、CSS3などの活用:画像やFlashでの表現をHTML5やCSS3といった最新技術を活用することで、ダウンロードするデータを減らす。

■まとめ
ゲーム数、プレイ日数が増えたことで、ユーザーの目が肥えてきている。したがって、ソーシャルゲームは豊かな表現を持ったリッチな方向へ進んでいくが、データ量が増えて待ち時間が長くなってはならない。そこでgloopsは、UI、UXチームを立ち上げることで、リッチでありながらライトなソーシャルゲームを開発していく。

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