『乙女ぶれいく!』開発者インタビュー すべては“ニーソ愛”だった(後編)

2012-09-05 20:00 投稿

●全面的にニーソトーク

乙女ぶれいく!』開発者インタビュー後編! スクウェア・エニックスのモバイル事業部 ディレクターの秋山利夫氏、モバイル事業部 湖山優氏、開発部 サウンドグループ サウンドデザイン&コンポーズの祖堅正慶氏、そしてキャラクターデザインやイラストを担当された富岡二郎氏が揃いもそろって脱線し始めます(笑)。

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ディレクター
秋山利夫氏
アシスタントディレクター
湖山優氏
サウンド
祖堅正慶氏
キャラクターデザイン
富岡二郎氏

※皆さんの好きなパーツがアイコンになっております(笑)。

●ニーソが好きな大人たち

――ではニーソックスに話を戻しましょう。祖堅さんがこの中でいちばん熱いと秋山さんもおっしゃっていますが?

祖堅 最初の顔合わせで挨拶をすませると、早速設定資料が並べられていて、3人のキャラデザインもあったんです。そこには開発会社の人やキャラデザの富岡さんなんかもいましたので、名刺交換もするんですけど、それが終わって最初に話した内容がサウンドとかじゃなくてニーソの丈に関してでした(笑)。

富岡 そうなんですよ。もうすでにキャラクターデザインも完成した後で祖堅さんに「このニーソ、なんだこれは!」と熱く語られて、「これがスクウェア・エニックスか……」と圧倒されました(笑)。

秋山 それもサウンドの人間に言われるという(笑)。ただ、こんなこと言うサウンド担当は祖堅だけなので大丈夫です。

祖堅 ただですね、今回の『乙女ぶれいく!』のプロジェクトメンバーに、もうかれこれ8年前からニーソについて研究を続けていた僕の仲間がふたりも入っていたんです。僕が富岡さんに意見しようとしたところに、そのふたりがやってきて「この件に関しては今まで散々議論を続けてきたのでもういいんです!」とおっしゃられて、ふたりがそう言っているなら仕方ない、と引き下がったというニーソエピソードがあったんです。

秋山 何度も言いますけど、祖堅はサウンドの人間です。

――ニーソエピソードってなんですか(笑)。祖堅さんのニーソ愛が非常に強いことがわかったところで、皆さんのお気に入りキャラクターはどの娘ですか?

富岡 僕はやっぱりいちばんデザインに苦労した乙芽ですね。お気に入りというか思い入れが強いかもしれません。

秋山 うーん……。ありきたりな意見ですけど、なかなか選べないです! でも、いちばん苦労したのはすぴかかな? シナリオの構成とかですごく苦労したので、あえて選ぶならすぴかですね。

湖山 僕も同じで、できあがりまでの作業を考えると、ヴァージニアになります。作ってる作業で楽しかったのがヴァージニアだったので。

――自分の好きなキャラだと、ローディング中のGIFアニメにも力が入ったんじゃないですか?

湖山 そうかもしれないですね(笑)。でも、じつはあのアニメーション関しては作ってて楽しかったのはすぴかだったんです。

秋山 あのGIFアニメはアイデアからデザイン、動かしかたまですべて湖山の情熱がこもってますよ

祖堅 僕はこう言ってはなんですが、この3人の中にベストニーソはいないんですよ! ただ、これは僕がニーソを8年も追いかけてきて、やや屈折したニーソ像が好きになってきてしまっているからです。オートメカノの3人には、皆さんがよろこんで受け入れるニーソスタイルを厳選してお届けしているので間違いないはずです!

――オートメカノを開発した組織の設定も名前が“NEASO”(ニーソ)でしたが、これはやはりニーソックス好きが多いからなんですか?

秋山 そこまで侵食されてはいません(笑)。こうして話していると『乙女ぶれいく!』がニーソに重きをおいているみたいになっていますが、実際はそんなことはないですよ。オートメカノの3人がニーソを履いていて、だったら組織の名前もギャグっぽくできないかという話になって“NEASO”にしようとシナリオの部分から最初に決まったんです。一応この名前も、こじつけではありますが、ある長文の略称として設定しています。

――ニーソックス関連でユーザーからのツッコミはなかったんですか?

祖堅 そんなのあるんですか? ちょっと僕も聞きたいですね。

秋山 それはありました。細かいところにちょいちょいニーソネタを含んでいて、「なんでもかんでもニーソじゃないか!」といううれしいツッコミはすでにいただいております。アイテムや武器の名前にも使っていますし、すごく大きいところでは、タイトルロゴの“女”の部分です。よく見ると下半分にニーソックスを履かせているんですよ。

――あ、ホントだ! いま気づきましたよ……。

▲“女”の文字がニーソを履いています!(笑)

秋山 まあ、あくまでニーソは裏設定的な立ち位置で考えているので、ニーソ好きな方が気づいてニヤリと笑って頂ければうれしいかぎりです。

祖堅 我々“NEASO”としてはですね、いろんなゲームに痕跡を残すのが目的でそれの一環としてですね。

湖山 いつの間にか僕たちが“NEASO”になってますね。

――本当に祖堅さんはサウンドとしての仕事の範疇を大きく越えてますね。

祖堅 もうこれは仕方ないことです。ニーソについては僕はなんでもやっていきます! 少なくとも今回の『乙女ぶれいく!』では全面的にそういったことが出せたので満足しています。

●約50名の大所帯

――開発メンバーには数多くの方が関わっているようですが、全部で何人にくらいいらっしゃるんでしょうか? また、それはどういった経緯で集められたんですか?

秋山 まず最初に話した富岡さんもそうですが、集まった人間が昔からのつながりをたどって徐々に輪が広がっていった感じです。「そういえばこういうのが得意な人を知っています」と呼んだ人間がまたさらに人を呼んで、気がついたら50人くらい集まっていました。

――すごいチームですね。ただ、これほど大人数になって、デザインをほぼ手がけるというのは富岡さんにとってはかなりのプレッシャーだったのでは?

富岡 最初はこんな大ごとになるとは思っていなかったんです。まず堀江由衣さんがキャラクターの声を担当されると聞いたときにはもちろん驚いたんですが、もうそれ以前に自分の描いたキャラクターを声優さんが演じるということが信じられませんでした。

――そういった細かいことはあまり聞かされていなかったんですか?

富岡 仕事の依頼を時田さんからいただいて、それは即答で受けました。その時はスクウェア・エニックスさんが出しているソーシャルゲームのカードイラストでも描くのかなって思ってたんです。そうしたら、まずポリゴンが上がってきて、つぎに声優さんがついて、主題歌が決まって……、どれほど大きな話だったかにそこでようやく気づきましたね。ただ、そのまえにデザインはほとんどできあがっていたので、作業中はそこまでプレッシャーは感じていませんでした。でも、後半に内容と展開を理解した上で、宣伝用のキービジュアルを描いているときのプレッシャーは半端なかったですよ。

――では秋葉原に大きな広告が出たときには、感動されたんじゃないですか?

富岡 もう死ぬかとおもいました。

湖山 あれはみんなで見に行きましたよね。

――その広告にも入っているキャッチコピーの“本当の乙女”についてなんですが、皆さんのもっている乙女像ってどんな感じなんでしょうか?

祖堅 難しいですね……。僕はやっぱり30代40代と年を重ねて、年齢高めの方が履くニーソが“乙女”だと思います。

秋山 けっきょくニーソックスじゃないですか(笑)。

祖堅 それはそうですよ! そもそもニーソなんて若い人が履いたら誰でも似合うに決まってるじゃないですか!

富岡 そうですね……これは難しいですね。

――富岡さんはまさに乙女をデザインされた方ですからね。

富岡 僕は黒タイツのほうが好きなんですよね。祖堅さんに沿って言うならば黒タイツを履いた娘が“本当の乙女”なんじゃないですか?

秋山 僕は裸足がいいですね。生足の爽やかさが演出できる、いやらしさよりも爽やかさを出せる人が“本当の乙女”だと考えています。

湖山 もう完全に質問と答えがズレている気がしますが、僕は紺色のハイソックスが好きです。

祖堅 全員違った答えが出てきましたね!

――ある意味すごいけど、ひどい答えだ(笑)。

以下、永遠にそれぞれのソックス談義が続く……。

●今後の展開を教えて!

――『乙女ぶれいく!』は続編や番外編など新しい展開の予定はありますか?

秋山 そうですね。続編というかバージョンアップを重ねて、新しいアイテムやシナリオは追加していく予定です。それはぜひ、皆様の応援しだいで決まりますので、よろしくお願いいたします。ただ、現在もタイアップやいろいろなキャンペーンは考えていて、今年中にもいくつかは行うつもりでいます。

――では最後にファンの皆さまへひと言ずつお願いします。

富岡 完全に私事なのですが、これは僕にとっては初めての大仕事だったんです。絵で食べていくと決めて初めての大きな仕事で、色々と至らない点も多くありますかもしれませんが、今後も続けていけたらいいなと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

祖堅 『乙女ぶれいく!』はフルボイスが肝だったので、実際問題大変なことは多かったです。正直携帯電話で遊ぶアプリに積み込む量ではないですね。本当にプレイステーション・ポータブルやニンテンドーDSと同じくらいのサウンド量なので、辛かったというのが正直な感想です(笑)。でもそのおかげで、スマートフォンのゲームとは思えないレベルの作品ができあがったので、ぜひたくさんの人に遊んでもらいたいですね。

湖山 僕はこのオートメカノの3人のキャラクターを今後もちゃんと活かしていきたいんです。このキャラクターたちで何かしら展開できていけたらいいなと思っています。どうか皆さま、3人をよろしくお願いいたします。

秋山 今回は本当にスクウェア・エニックスとしては珍しいジャンルにチャレンジさせていただきました。ただ、開発側の人間が一生懸命やっているだけでは意味がなくて、遊んでいただけるユーザーさんといっしょに育てていくことがいちばん大事なことです。我々もお客様のご意見をありがたく頂戴して、この作品はもちろん、つぎへも繋げていきたいので、ファンの皆様にもご協力いただければうれしいです。どうか末永く応援をよろしくお願いいたします。

乙女ぶれいく!

メーカー
スクウェア・エニックス
配信日
配信中
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iPhone、Android
備考
1キャラクター 1000円[税込]
キャラクターセット 2500円[税込]

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