DeNAとディズニーが提携、「世界市場に向けたソーシャルゲームを作っていく」

2012-03-30 19:57 投稿

●両社の強みを最大限に活かしたタイトルを

ウォルト・ディズニー・ジャパンとディー・エヌ・エー(DeNA)が事業提携を発表。Mobage向けに『ディズニーパーティ』、『ディズニーファンタジークエスト』、『マーベル カードバトル型ゲーム(タイトル未定)』の3タイトルを発表したことは既報の通り(⇒記事はこちら)。2012年3月30日には、都内パークハイアット東京にて、DeNAとウォルト・ディズニー・ジャパンによる事業提携記者発表会が行われた。ここでは、その模様をリポートしよう。

会見では、まずはDeNAの代表取締役社長、守安功氏が登壇。今回の事業提携に至った経緯を説明した。ディズニーとDeNAとの関わりとしては、すでに昨年の4月にソーシャルゲームの第1弾としてMobage向けに『ディズニーマイランド』を展開しているが、「それから長いあいだ、両社の強みを最大限に活かしてどんなことができるのか?という話をしてきて、ようやく本日発表できるようになりました」(守安)とのこと。そして今回の事業提携に関しては、「世界中で愛されるディズニーファミリー&キャラクターを持ち、テーマパークやストア、ネット媒体など世界中で強いメディア」であるウォルト・ディズニーと、「日本最大級のソーシャルプラットフォーム運営実績を持ち、ソーシャルゲームデベロッパーとしての成功実績」を持つDeNAとの大型コラボであり、世界市場をターゲットに新しいソーシャルゲームを作っていくことが目標であると語った。その上で守安氏は、「2011年度は海外アライアンス先が急拡大した年だったが、2012年度は集客、魅力的なコンテンツによるグローバルソーシャルゲームプラットフォーム化を目指す」と世界市場に向けての思いを口にし、グローバル戦略を展開する上で欠かせない魅力的なコンテンツとして、ウォルト・ディズニー・ジャパンとのコラボタイトルに大きな期待を抱いているとの認識を示した。

最後に守安氏は、DeNAとディズニーとのコラボの意義について、”国内ソーシャルゲーム市場の拡大”、”海外におけるソーシャルゲーム市場の創出”、”新しい価値の創出”の3つにあると説明した。とくに守安氏が「もっとも期待する部分」として強調したのが、”海外におけるソーシャルゲーム市場の創出”。「国内におけるソーシャルゲーム市場は、2012年は4000億円規模になる見込みですが、海外はまだまだ市場規模としては小さい」と守安氏。とくにモバイルプラットフォームは立ち上がっていないのが現状だという。とはいえ、国内のソーシャルゲーム市場が急拡大したのもここ2~3年のことで、「2009年の『怪盗ロワイヤル』というヒットコンテンツの出現によって産業は拡大してきた」(守安)とのこと。「海外のマーケットにおいても、起爆剤となって新しいマーケットを作っていきたいです」との意気込みを見せた。

おつぎに登壇したのは、ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長、ポール・キャンドランド氏。キャンドランド氏は、ミッキーマウスからスタートしたウォルト・ディズニーが映画やテレビ、テーマパーク、グッズなども展開するグローバルメディアカンパニーに成長したと説明。近年では、PCや携帯電話、スマートフォン、タブレット端末でもコンテンツを提供していると続けた。そんなウォルト・ディズニーがいま大きなビジネスチャンスとして捉えているのがスマートフォン。「スマートフォンはリッチなコンテンツを提供することが可能。DeNAと組んで3つのタイトルをリリースできることはうれしく思うし、多くのユーザーに楽しんでもらうことが目的です」(キャンドランド)と語った。

  

引き続き登壇した、ウォルト・ディズニー・ジャパン ディズニー・インタラクティブ・メディアグループ ゼネラルマネージャー/バイス・プレジデント ジャスティン・スカルポーネ氏は、ウォルト・ディズニー・ジャパンにおけるソーシャルゲーム戦略を“ゲームフランチャイズの育成”、“幅広い顧客とニーズへの対応”、“スマートフォンの高いエンターテインメント性と海外展開”、“多面的でユニークなディズニー体験”の4点にあると説明した。スカルポーネ氏がもっとも時間を割いて言及したのも、スマートフォンへの注力で、「いまはフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行の時期にあたります。キャラクターやストーリー性などをフィーチャーフォンに落とし込むにはそれなりに苦労しましたが、スマートフォンの時代の到来に伴い、リッチなコンテンツの配信が可能になりました」とスカルポーネ氏は言う。今回発表された3タイトルは、日本に製作拠点を持ちつつも、グローバル展開するひとつのモデルケースになるとのこと。日本発のディズニー関連コンテンツで成功した例としては『キングダムハーツ』シリーズがあると説明したスカルポーネ氏だが、スマートフォン事業もそれに続けたいとの意向のようだ。

最後に登壇したのが、DeNAの取締役 ソーシャルゲーム事業本部 事業本部長 小林賢治氏。小林氏は今回アナウンスされたディズニー2タイトルの魅力について、以下の通り解説した。

『ディズニーパーティ』
・ディズニーキャラクター大集合!アクションに注目
・デコレーション次第で“夢”のパーティーが作れる
・ユーザーどうしでお互いのパーティーやデコを楽しめる

『ディズニー ファンタジークエスト』
・魅力的に表現されたキャラクターカード
・ディズニーの世界観を盛り込んだストーリー
・友だちと協力して豪華なディズニーデッキを作る

『ディズニー ファンタジークエスト』に関しては、「カードコレクションは男性向けが多いのですが、ディズニーキャラクターで作ってみて、世界観とマッチしていました。アートワークのトーンも納得のいくものになっています。カードはミッキーだけでもたくさんのパターンを用意していますよ」とのことだ。

今回発表されたタイトルは海外展開を前提として開発されており、国内で開発したタイトルを英語、中国語、韓国語で順次展開するとのこと。ローカライズ作業に関しては、「現時点では日本語をベースに展開しつつも、各地域でどのようにローカライズずるかは考えていきたいです」(小林)と、ソーシャルゲームらしく、各地域のユーザーの好みに応じて、柔軟に内容を変えていく姿勢であることを示唆した。

なお、記者会見を締める形で行われた質疑応答では、ソーシャルゲームとディズニーコンテンツとの連携について問われたスカルポーネ氏は、「あくまで一例として」と前置きした上で、「映画の劇場公開にあわせて、ゲーム内で期間限定のイベントを開始する」や「映画のみならず、物販事業との連携」といったアイデアを例示。ディズニーコンテンツとの連携については、さまざまな形を考えているとのことで、ディズニーというブランド力を活かした、ダイナミックな展開が期待できそうだ。

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